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「一心不乱」

あまりにも、あまりにも濃厚すぎた2022年が終わろうとしているので、簡単に備忘録を残しておきたい。

2021年

まず大前提として、2021年は本当に大変だった。東京都1部リーグ参入1年目、「SHIBUYA」を冠して迎えた最初のシーズンでSHIBUYA CITY FCは、7位フィニッシュ。

大きな期待とは裏腹に、「関東昇格」という目標からは程遠い結果で幕を閉じた。

そして紆余曲折ありクラブとして大きな体制変更があり、期待と不安が混ざり合って年の瀬を迎えた。

1月

あれは確か1月4日。年明け最初にオフィスに行ったとき、開口一番に社長の翔さんから言われた。

「戸田さんが来るかも知れない…!」

「戸田さん来たらやばいよね」と、ある種、絵空事のように話していたことが急に現実になりそうということで、少しフワフワした気持ちになったことを良く覚えている。

それから数日後にはオフィスにあの戸田さんがやってきて、トントン拍子で話は進み、「テクニカルダイレクター兼コーチ」として渋谷に来てくれることになった。

チームとの合流初日までには2021シーズンの試合映像を見てくださっていて、既存選手全員の顔・名前・特徴を全て覚えていたことには本当に驚いた。間違いなく、あれでクラブの全員心を掴まれたと思う。

2月

戸田さんの加入と同時に、個人的にもう1人大きな存在になる人がクラブに加入した。

横浜F・マリノス、川崎フロンターレ、セレッソ大阪などで活躍し、2021年限りでファジアーノ岡山を退団していた田中裕介選手がフロントスタッフ兼任でクラブに入ることになった。

個人的に2010〜2016年はフロンターレのゴール裏(通称Gゾーン)に入り浸っており、もちろん裕介さんのチャントも歌っていたので、まさかそんな選手が自分たちで大切に育て上げてきたクラブに入るなんて、と。

その裕介さんと一緒にフロントスタッフとして働きながら、2月は新たに日本ワークスさん(ユニフォーム鎖骨)や明治安田生命さんなどがスポンサーに加わってくださり、3月の開幕に向けて忙しくも充実したプレシーズンを過ごしていた。

3月

3月12日。チームの新体制発表をライブ配信時で実施すると同時に、渋谷をジャックするサッカーフェス「FOOTBALL JAM 2021」を開催。

新たに10人の選手と戸田さんを迎え、プレシーズンは無敗で3月27日の開幕戦へ。

結果、三菱UFJ銀行に3-0の快勝。去年とは比べ物にならないほど選手たちがピッチ上で躍動しているだけでなく、分かりやすい結果も付いてきてどんどん自信を深めていった。

4月

チームとして一つ目の大きな山だったのが、第2節のアストラ倶楽部戦だったと思う。

アストラはいつ戦っても難敵で、やはりこの試合も前半に先制される苦しい展開。

けど、ここから逆転できるだけの実力と、勢いと、あとは少しの運を持っていたのが今年のチームだったのかなと。

後半のアディショナルタイム、キャプテン泰右さんのシュートが相手に当たってゴールに吸い込まれた時は、「ああ、これは間違いなく勢いに乗る」と強く直感した。そして、それは7月の1stステージ終了まで続いた。

5月

第3節の早稲田大学ア式蹴球部戦は、去年のリベンジを果たす3-1の完勝。

またこの頃からトレーナーの岩崎さんがチームのハイエースを運転してくれるようになって、負担が大きく軽減された。

SHIBUYA CITY FCのフルタイムのフロントスタッフは、僕や社長の翔さんを含めてわずか3人。そこに会長の一樹さんやデザイナーの文也さん、選手兼任の裕介さんがいて、あとはここぞのタイミングで手伝ってくれるプロボノスタッフや学生インターンメンバー。

現場のスタッフも、この頃は戸田さんを除くとトレーナーの岩崎さんとマネージャーのタイチのみ。

駐車場が渋谷にあったので、新しい体制になってからはフロントスタッフ3人の当番制でハイエースを運転し、毎回の練習や試合に帯同していた。

チームの活動は平日週3+土日なので、平均して週に1.5回はハイエースを運転して半日拘束。けどフロントスタッフとしての仕事が減るわけではないので、今思うとなかなか大変だった。

あまり表に出る話ではないけど、岩崎さんが家の近くの駐車場に停めてくれてハイエースを運転してくれるようになったのは、小さくない大きな意味があったと思う。

6月

3連戦。3連勝で開幕6連勝。

スコアは4-2、2-1、2-1とギリギリの試合だったけど、チームを外から見ていてどこにも負ける気がしなかった。

関東大会で対戦することになる境トリニタスともトレーニングマッチを行い、終始圧倒して7-0で勝利。

一方で既存スポンサーへの対応や、来季に向けた新規スポンサー営業などもこの頃から動き始め、裕介さんが紡いでくれたNEW ERAとの話もこの頃には大筋決まっていた気がする。

7月

7月3日、FC N.との首位決戦に2-0で勝利。
先制点が決まった瞬間、戸田さんが飛び跳ねて喜んでいる姿がライブ配信のカメラに映っていたのが個人的に一番印象的(ハイライト映像には映ってない)。
チームとしても狙いを持って崩してのゴールだったので、間違いなく1stステージを象徴するような会心の一撃だったと思う。

そして、翌週7月10日と24日は、楽しみにしていた渋谷でのホームゲーム。

去年は頑張って集客して300人ほどだったところが、今回はどちらも600名ほどのお客さんに来てもらえた。

同じ渋谷区で活動している3人制バスケチーム「TOKYO DIME」が渋谷区内の町内掲示板にポスターを貼っていたのを見て、また自分が所属しているJC(東京青年会議所)の活動で区内の全小学校にチラシを配布していたことを思い出して、「これ自分たちでも出来るのでは?」と思って言ってみたら同じ方法で渋谷区内で告知させてもらえた。

来場者アンケートの結果は下記の通りだけど、何よりも嬉しかったのが「息子が神南小学校で流行らせると言っています」という声。


5-0、4-1という試合結果はもちろん、渋谷に根付く新たなフットボールクラブが出来ることの意義を、渋谷の方々と一緒に体感できたことが何よりも大きかったと思う。

8月

1stステージを9戦全勝で終え、2ndステージが始まる9月までリーグ戦は中断期間に。

束の間の休息を過ごし、改めて後半戦に向けてチームとしても、個人としてもギアを上げていく段階。

トレーニングマッチでは関東1部の南葛SCとも対戦。
3本合計では敗れたものの1本目は2-1で勝利するなど主力メンバーは関東1部でも通用することが分かり、一定の自信と課題を得た時期あったのかなと。

9月

改めて9月23日の2ndステージ開幕に向けてチームは準備を進める中、事業側も第3回のSHIBUYA CITYトークン追加販売を実施。

「領収書を発行して、法人でも経費として購入できる」ということが分かり、そこに注力して法人のスポンサープランをメニューに組み込み営業した結果、過去の追加販売額を大きく超える1550万円のご支援をいただいた。

現在も第4回追加販売を実施中ではあるが、改めてこれだけの支援をいただけることに心から感謝しかない。

一方、チームは2ndステージ開幕戦でアローレ八王子に1-3で敗戦。
シーズン後にSC相模原への移籍が決まったクニ(#4國廣)が怪我で欠場していた影響もあったと思うが、南葛戦に敗れた頃から感じていた停滞気味の雰囲気がそのままピッチ上にも出ていたように感じる。

戸田さんからはより檄が飛び、「志高く、勇敢に、大胆に」というキーワードも良く言われるようになった。

10月

ありがたいことに、自分が担当する大口のスポンサー企業様からは、今季の結果やクラブ全体の実績なども踏まえて来季も継続する意向をいただいていたので、何よりも今季、関東昇格を果たすために自分のリソースをよりトップチームのために使うようにシフトしていったのがこの頃。

毎週末、選手たちを車に乗せて試合に連れていくのはもちろんのこと、細かい調整やチームのサポートをしていくようになる。

大前提として相手のレベルが1stステージよりも上がっていたこともあると思うが、試合結果に現れていた通りもがき苦しみながらなんとか積み重ねて2ndステージを突破し(1-1、0-0、0-0)、12月の関東大会への切符を手に入れることができた。

もちろん、東京都の王者として突破できたら一番だったが、去年は7位だったことも考えると3位に入って初の関東大会出場を決められたことはチームの自信につながった。

10月16日のセルベッサ戦後、3位以内が確定したと帰り道を運転しながら聞いた時の安堵感は、今でも忘れられない。

11月

11月6日。2回目のFOOTBALL JAMを開催すると共に、代々木公園サッカー場がついに人工芝コートとしてリニューアルオープン。渋谷区からお声がけいただき、柿落としのイベントとして公開練習とYouTuberとの対決企画を実施させていただいた(FOOTBALL JAMの準備では、人生で初めて小型トラックも運転デビューした)。

その後、戸田さんは来季SC相模原の監督に就任することになり、自分としても来季に向けた準備と、関東大会に向けた準備を繰り返す日々。

正直に言うと、かなり直近の出来事のはずなのにほとんど覚えていない。

あ、思い出した。

関東大会1回戦で対戦する可能性があったHCSフットボールクラブは10月16日のセルベッサ戦後、そのまま千葉県リーグの試合があったのでスカウティング映像を撮影しに1人で市川まで運転した。

3回戦で対戦する可能性があった栃木県1部の試合も、栃木まで行って撮影した(作大FC vs 栃木シティU25)。

W杯を片目に、文字通り一心不乱に時間を過ごしていたと思う。

12月

そして迎えた関東大会。

12月10日、1回戦。vs HCSフットボールクラブ。

実質的に流通経済大学サッカー部のトップサブ(1.5軍)と聞いていたので、このHCS戦が決勝戦と言っても過言ではないと個人的には思っていた。
何より、この相手に勝てばチームとして勢いを取り戻せると思っていた。

試合は90分で決着がつかず、運命のPK戦へ。

15人目までもつれる歴史的なPK戦となった中で、最後に阿部さんが決めて歓喜の輪が出来た。

自分もライブ配信席に座りながら、なんというか、少し表現し難い精神状態になっていた。

けど今思えば、ここから2回戦の境トリニタス戦がキックオフするまでの約22時間の過ごし方は、大きく改善の余地があったと思う。

トレーニングマッチと公式戦は全く別物。
6月のトレーニングマッチで大勝したことは忘れ去ってみんな試合に向かったと思うけど、例えば試合会場が前日と大きく変わって寒く、曇りで、風が強くなることをチームに共有できていれば。1stユニフォームではなく2ndユニフォームになる可能性もあるからその心持ちもしっかりしておくようにチームに伝えておければ。

少なくとも慌てふためいてしまった立ち上がりの入り、そして序盤の失点はなかったのではないかと、チームをサポートに帯同していた人間として、強く後悔している。

「神は細部に宿る」とは良く言ったものだけど、ギリギリの戦いになればなるほど、そこまでこだわれるかどうかで勝負が決まる。

結果的に0-2で敗れ、関東昇格の目標は「あと2勝」のところで到達することができなかった。

前述の通り、正直言って最後の最後に準備を詰めきれなかったことは自分やクラブとしての甘さだと思うし、来季に向けて改善していかなければいけない。

2022年。

一方で、少し語弊があるかも知れないけど、この1年間はあまりにも濃厚すぎて、絶対に忘れることがない1年間だった。

昇格できなかったとはいえ、体制を大きく変更した中で、変更前とは比べものにならないほどチームの基盤が整い、そして先の道筋も見えるようになった。

2023年も、間違いなく一心不乱で忘れられない1年間になるだろう。けど、そのエンディングを関東昇格で締めくくれるように、この年末年始も1年間の準備をして過ごしていきたい。

※応援したいな!と思った方は、ぜひ現在実施中の第4回SHIBUYA CITYトークン追加販売からメニューの購入をお願いします!(1月31日まで)

※スポンサーも絶賛募集中です!


ホームゲームの準備
ワンオペライブ配信
15人まで及んだPK戦
4年目を迎えたグリーンバード表参道

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