ドラムの神々に学ぶ 第31回 ジェフ・ハミルトン

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第31回はジェフ・ハミルトンです。
世界中で高く評価されているジャズドラマー。作曲や編曲、さらには指導者としても活躍するスーパードラマーです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ジェフ・ハミルトンの特徴を簡潔にまとめると…

①現代におけるジャズのスペシャリスト
②完成されたフォームから繰り出される見事なタイム
③鮮やかなダイナミクスコントロールによるブラシテクニック
④ひとりでメロディーまで補完するドラムソロ

ではひとつずつ解説していきましょう。


①現代におけるジャズのスペシャリスト

両親のビッグバンドのレコードを聴いて育ち、8歳からドラムを始めたジェフ。ジーン・クルーパやバディ・リッチ、フィリー・ジョー・ジョーンズなどの影響を受け、20代前半からビッグバンドやトリオで活躍します。
世代的にはフュージョン全盛の頃ですが、ジェフはジャズのスペシャリストとして名を馳せます。オスカー・ピーターソンやレイ・ブラウンなどのレジェンド達からも信頼を獲得し、共演を果たしています。


②完成されたフォームから繰り出される見事なタイム

ジェフは肘主動でプルビートの使い手。腕の回転方向とグリップのチョイスも最適化されていて、タイムは非常に長くキープされています。
日本人がシャッフルやシンバルレガートが弱いと言われる原因は、日本人の大多数がプッシュビートのためです。プルビートの方がスウィング感は強くなるので、比較するとどうしてもタイミングが遅れていたり、スピード感の無い演奏に聴こえてしまいます。
ジェフのようなフォームを真似てタイムを会得することが、シャッフルやシンバルレガート攻略の最適解です。


③鮮やかなダイナミクスコントロールによるブラシテクニック

ブラシテクニックを学びたいのならエド・シグペンがまず浮かびますが、ジェフも必ず観るべきです。
非常に幅広いダイナミクスレンジで、スイープのバリエーションも豊富。「ブラシってここまで表現豊かなプレイが可能なのか…」と思うこと間違い無しです。


④ひとりでメロディーまで補完するドラムソロ

これぞジェフの真骨頂、ドラムソロでメロディーとリズムを同時に表現をして、ひとりで「楽曲」を演奏してしまいます。
「Sing,Sing,Sing」や「A Night in Tunigia」など数々の名演を残しており、「ドラムで歌う」ということはどういうことかを教えてくれます。
リズム、表現力、テクニックと非の打ち所が無い名プレイヤー、それがジェフなのです。


以上、ジェフ・ハミルトンの紹介でした。いかがでしたか?
ジェフ・ハミルトンに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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