ドラムの神々に学ぶ 第18回 ジム・ケルトナー

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第18回はジム・ケルトナーです。
あらゆるミュージシャンから尊敬を集める「Musician's Musician」。膨大なセッションに参加し名演を残している、セッションスターです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ジム・ケルトナーのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①R&Bを軸としたシンプルプレイ
②あのジェフ・ポーカロが憧れたタイムコントロール
③ビートルズメンバーから愛されたドラミング
④新しい機材も積極的に取り入れる柔軟性

ではひとつずつ解説していきましょう。


①R&Bを軸としたシンプルプレイ

ケルトナーのプレイはシンプルなものが多いですが、同じパターンの繰り返しでも飽きないよう、ダイナミクスやサウンドに微妙な変化を加えたり、よく聴くと細かいフレーズが入っていたりと、確かなテクニックが無いと不可能なものばかりです。
ジャズを学び、R&Bを軸としたケルトナーのプレイは、多くのドラマーのお手本となっています。


②あのジェフ・ポーカロが憧れたタイムコントロール

「ジム・ケルトナーとジム・ゴードン、この2人と比べたら、僕のタイムはクソだよ」とジェフ・ポーカロは語っています。
ケルトナーは手首主動でプルビートの使い手。腕のフォームが最適化されていて、タイムは非常に長く、それに対してキックのタイムがやや短めという、独特のタイムを形成しています。そのため、スピード感よりも重厚感を感じやすいグルーヴになっています。
ジェフは相当に影響を受けているようで、キャリアが進むに連れてフォームが似ていき、タイムもかなり近くなります。
ケルトナーのタイムコントロールは、一流のミュージシャンですら憧れるものなのです。


③ビートルズメンバーから愛されたドラミング

ケルトナーの最も有名なセッションは、ビートルズのジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターとのセッションでしょう。特にジョージは事あるごとにケルトナーを呼び、ライブやレコーディングを行っています。その際は「リンゴだったらどう演奏するだろう」と考えながらプレイしていたそうです。実はケルトナーはリンゴの大ファンなのです。
ジョンがケルトナーに「君の演奏は本当に素晴らしい。でもすまない、僕のNo,1はリンゴなんだ。」と語った際、「良いんだジョン、僕のNo,1もリンゴだ。」と返したという逸話もあります。その憧れのリンゴともレコーディングやオールスター・バンドで共演を果たしています。


④新しい機材も積極的に取り入れる柔軟性

ケルトナーは新しいテクノロジーにも拒否反応を示すことなく、積極的に取り入れています。アルミニウムでできたAHEADのスティックを使用したり、電子ドラムやシンセパッドをドラムセットに組み込んだり。「これが必要だ」と思えば取り入れる柔軟性を持ち合わせています。
視野を狭めないためにも、こういった姿勢は見習いたいものですね。


以上、ジム・ケルトナーの紹介でした。いかがでしたか?
ジム・ケルトナーに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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