ドラムの神々に学ぶ 第26回 ヴィニー・カリウタ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第26回はヴィニー・カリウタです。あらゆるジャンルでセッションドラマーとして活躍し、今を生きる最も重要なドラマーと評されることもあるレジェンドです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


ヴィニー・カリウタのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①周りが恐れる程の読譜力
②エイリアン呼ばわりされる音符分解能力
③あらゆるジャンルで功績を残すオールラウンドプレイヤー
④プロアマ両方から絶大な支持を受けるテクニック

ではひとつずつ解説していきましょう。


①周りが恐れる程の読譜力

ヴィニーといえば読譜力。超難解な曲のオンパレードなフランク・ザッパのバンドの中で、歴代最高のドラマーと評されています。
有名なエピソードは「クレイジーと言われるテクニック満載の曲を、自分で譜面をめくり、右手だけで叩きながら左手で寿司を頬張る。そして次は左手だけで叩きながら右手で眼鏡のズレを直す」というもはや意味不明なことをやってのけた、という話。
つまり、無茶苦茶な曲を片手で軽々やってみせたということですね。周りのミュージシャンも呆れていたそうです。


②エイリアン呼ばわりされた音符分解能力

「奴はエイリアンだよ。あのポリリズムは他の誰にも出来ない。奴の演奏を採譜したことがあるけど、ハイハットだけで5つか6つの記法が必要だったんだ。」と語るのは、名ギタリストのスティーヴ・ヴァイ。
ポリリズムとは異なる拍子のリズムが同時に演奏されることです。例えば手は2拍子、足は3拍子で同時に演奏をしたりすること。ヴィニーはこれをありえないレベルの複雑さでこなしてしまいます。


③あらゆるジャンルで功績を残すオールラウンドプレイヤー

ヴィニーが共演したアーティストを見ると、守備範囲の広さに驚きます。
ジョニ・ミッチェルやスティングのようなポップス&ロックから、ハービー・ハンコックやチック・コリアなどのジャズ&フュージョン。レイ・チャールズやクインシー・ジョーンズなどのソウルミュージックや、メガデスなどのヘビーメタルまで、本当に幅広く活躍しています。
近年ではジェフ・ベックのサポートドラマーとしてのイメージが強いですね。


④プロアマ両方から絶大な支持を受けるテクニック

プロミュージシャンからの信頼は③を見れば分かると思いますが、その演奏に憧れるドラマーやファンも大勢います。
その証拠に、ヴィニーはModern Drummer誌の年次読者投票で、15を超えるDrummer of the Year賞を受賞しています。
フォームを分析すると、肘主動でプッシュビートの使い手。タイムが短めなので、シンプルなビートだと若干硬めに聴こえることもありますが、音符の並びは凄まじく綺麗で、ダイナミックレンジの広いグルーヴが特徴です。


以上、ヴィニー・カリウタの紹介でした。いかがでしたか?
ヴィニー・カリウタに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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