ドラムの神々に学ぶ 第28回 ふたりのジョー・ジョーンズ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第28回はふたりのジョー・ジョーンズです。
どちらも歴史に名を残すジャズプレイヤー。ふたりを区別するための愛称として、スウィングジャズ界の巨匠は「パパ・ジョー・ジョーンズ」、ビバップ、ハードバップ界の巨匠はフィラデルフィア出身で「フィリー・ジョー・ジョーンズ」と呼ばれています。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


パパ・ジョー・ジョーンズの特徴を簡潔にまとめると…

①オールアメリカン・リズムセクション
②ジャズプレイの基礎を作り上げたテクニック


フィリー・ジョー・ジョーンズの特徴を簡潔にまとめると…

③あのマイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスのお気に入り
④ビバップスタイルのドラミングに革命を起こしたと言われるテクニック

ではひとつずつ解説していきましょう。


パパ・ジョー・ジョーンズ

①オールアメリカン・リズムセクション

伝説的なビッグバンド、カウント・ベイシー・オーケストラのリズムセクションは、「オールアメリカン・リズムセクション」と呼ばれ、ジャズ界最高のリズムセクションとして称賛されています。
そのドラマーがパパ・ジョーです。表現力豊かなプレイが持ち味。パッと聴いて分かりやすいフレージングで、その正確さは群を抜いています。


②ジャズプレイの基礎を作り上げたテクニック

スウィングジャズではキックがリズムキープを担うことが多かったのですが、パパ・ジョーはその役割をハイハットにシフトした最初のひとりだと言われています。
ブラシでの演奏を広め、ハイハットのオープンクローズを利用してシンバルレガートをするなど、ジャズプレイの基礎を作り上げました。
手首主動でプッシュビートの使い手。タイムよりは表現やテクニックに重きを置く名プレイヤーです。


フィリー・ジョー・ジョーンズ

③あのマイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスもお気に入りのドラマー

ニューヨークでビバップ奏者としてキャリアをスタートさせたフィリー・ジョー。1955〜1958年には伝説的なトランペット奏者、マイルス・デイヴィスのクインテットの一員になります。
そのマイルスからは、歴代のドラマーの中でもお気に入りだと評価されていて、ピアニストのビル・エヴァンスも、一緒に仕事をしたドラマーの中で最も好きなドラマーだと公言しています。
ちなみにあのスティーヴ・ジョーダンも「僕のベストはフィリー・ジョーだ」と語っています。


④ビバップスタイルのドラミングに革命を起こしたと謳われるテクニック

フィリー・ジョーは、ルーディメンツや3連符の裏を強調したフレーズを積極的に取り入れ、ジャズドラミングに多くのアイディアをもたらしました。フィリー・ジョーの影響を受けていないジャズドラマーを探す方が難しいかもしれません。
肘主動でプルビートの使い手。タイムが素晴らしく、どっしりとした安定感とスピード感を兼ね備えた名プレイヤーです。


以上、ふたりのジョー・ジョーンズの紹介でした。いかがでしたか?
パパ・ジョー、フィリー・ジョーに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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