ドラムの神々に学ぶ 第16回 イアン・ペイス

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第16回はイアン・ペイスです。
ジョン・ボーナムと並び評され、ハードロック界を牽引。70歳を過ぎても現役を続ける、サングラスがトレードマークのレジェンドです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!

イアン・ペイスのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①珍しい左利きセッティング
②超高速シングルストローク&ドラムソロ
③ツーバスのスピードに匹敵するワンバスプレイ
④スピードとタイムのバランスが取れたフォーム

ではひとつずつ解説していきましょう。


①珍しい左利きセッティング

イアンは左利きです。例えばリンゴ・スターのように、左利きでも右利きと同じように演奏する人や、右利きセットのまま左手でハイハットを叩く「オープンハンド」で演奏する人は多いですが、イアンのようにセットを完全に逆にして叩く人は珍しいです。
イアンのプレイは、左利きの人には最高のお手本です。


②超高速シングルストローク&ドラムソロ

イアンのプレイは手数が多く、超高速シングルストロークが持ち味です。ルーディメンツも非常に高いレベルで、それらを組み合わせたドラムソロからはバディ・リッチの影響が伺えます。イアンもまた、ジャズからの影響が強いです。
肘主動で身体の使い方は非常に合理的。パワーとスピードを両立しています。


③ツーバスのスピードに匹敵するワンバスプレイ

ジョン・ボーナムと同じように、イアンもまた恐ろしいスピードでワンバスをプレイします。BPM200の8分音符の連打も余裕でこなせるようです。ただツーバスも普通に踏めるようで、「Fireball」ではツーバスを披露しています。
かかとを高く上げるフォームが特徴的で、これはイアンの腕のタイムに合うように最適化された、良く考えられたフォームとなっています。


④スピードとタイムのバランスが取れたフォーム

プルビートの使い手なのでタイムは良いですが、グリップが左右で若干違う持ち方をしていて、それによってジョン・ボーナムと比べるとタイムが短めになっています。ここがタイムの差、タイムのボンゾ、スピードのイアンと比較される部分ですね。フォームのちょっとした違いで、演奏は大きく変わります。
しかし前出の通り、手と足のタイムはカッチリ合っていますから、音符の並びはとても綺麗で、グルーヴも評価は高いです。スピードとタイム、どちらも高いレベルでバランスの取れたフォームと言えるでしょう。


以上、イアン・ペイスの紹介でした。いかがでしたか?
イアン・ペイスに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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