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体は柔軟な方がいいのか?

 ランニングをしたり、いろんな運動を行う前と後にはストレッチを行う人が多いと思います。小さい頃から運動の前には準備体操やストレッチを行うように教えられていますが、この準備運動やストレッチについて最近では従来とは異なる論も挙がっています。

例えば、動的ストレッチと静的ストレッチの二つ。多くの人が思い浮かべる準備運動やストレッチはその場で筋肉をゆっくり伸ばす動作が多いと思います。それらは静的ストレッチといい、現在では運動前のストレッチとしては不適格であることが言われています。

これは研究もされており、静的ストレッチを行うとその後の筋肉のパフォーマンスが低下するといったものです。一方で筋肉のパフォーマンスを向上させるのは動的ストレッチというものです。これは歩行動作や走行動作など何かしらの動きを伴いながら、筋肉を伸ばすストレッチの仕方です。歩きながら腿を引き上げる動作であったり、アキレス腱を伸ばす動作、またリズムよく腿上げやステップを踏む動作などです。

運動前の準備としてはこの動的ストレッチが適しているということが言われるようになってきました。

 それから僕が気になるのは体の柔軟性です。子供の頃は体は柔らかいほど怪我がしにくくなるので良いと教えられ、しっかりストレッチを行うように指導されてきました。一方で、体の柔軟性はむしろ低い方が筋肉のパフォーマンスを向上させるということも言われています。筋肉は硬くある程度の張力を保っている方が強い力を出せるということです。ゴムが伸びきってしまうと力を出せないのと同じものかも知れません。

 これらの準備運動やストレッチの知識は研究が進み、従来の常識が適していないこともあるようです。これはある程度運動を頻繁に行う人や高いレベルのアスリートがよりパフォーマンスを向上させるために考えるべきことかも知れませんが、ただこういった新しい知識をより一般に向けて伝えることも大事だと思います。学校では何十年も同じ準備運動を行っている場合もあります。それがどの程度子供達の運動能力に影響を与えるかは分かりませんが、常識化されているものをずっと教え続けることはリスクですし、少しずつ変えることも大切だと思います。