お題の作り方とか難易度について 覚え書き

まだ体系的に文章化できるわけじゃないけど
生大喜利・スプシ大喜利用に、解きやすい(難易度を下げる or 跳ねやすくする)お題を作るときに考えてることをざっくりとメモ書き程度にまとめてみます

題材を絞るとか絞らないとか

当然ですが、みんなが想像しやすい題材を選んだ方がお題は解きやすくなります。
一般的に知名度の低いもの(こんな微分方程式は嫌だ)、知名度はあるけれど共通のあるあるを想像しづらいもの(こんなスポンジボブは嫌だ)、一般語だけど形あるものを想像しづらいもの(こんな魑魅魍魎は嫌だ)になると、お題としては取っつきづらくなります。
じゃあ「こんなお母さんは嫌だ」みたいなのが最高のお題だ!というとそうでもなく、特に嫌だお題みたいな述語がざっくりしているものに対しては、題材を絞ってあげることで解きやすくなることが多いです。
『お母さん』というと題材が凄く広くて、要素を無限に思いつけてしまうので、逆にあれもこれも目移りして回答を作りづらくなるかもしれません。
たとえば「こんな母からのビデオメッセージは嫌だ」「二年ぶりに実家に帰って、久々に会った母がこうなってたら嫌だ」「大学入試の朝に、母がこんな言葉をかけてきたら嫌だ」みたいに絞ることで、皆の中で共通の景色を思い浮かべさせると、出てきた回答に対する共感値が上がります。広いお題にして「何が飛び出すか分からない」状態を敢えて作ることもありますが、一般には「どういう方向性の回答で殴られるか」のコンセンサスが観客との間に取れていると跳ねやすいです。

二要素目をどこから持ってくるか

先ほどは嫌だお題に触れましたが、これは要素ひとつで面白さを生み出していくため、私はよく一要素お題と呼んでいます。一方で、要素をふたつみっつ組み合わせたおかしさを要求していくお題が、二要素お題・三要素お題と呼ばれたりします。
じゃあ要素要素と言ってるけどそもそも要素ってなんぞや?と聞かれると、かなり難しいところです。このへん掘り出すとキリがないのですが、とりあえずこのnoteで提示しておきたいのは、二個目に足される要素って名詞もあるし形容詞もあるしその他のものもいっぱいあって、さらに足し方もいろいろあるよねというところです。
「遊園地」という一要素目に対して、「忍者をテーマにした遊園地にありそうなこと(+忍者)」を作ることもできれば、「とにかくダルいアトラクションをいっぱい作ってる遊園地(+ダルい)」を作ることもできるし、同じ忍者・ダルいという要素を使って、「大人気の遊園地に忍者が来園して一言」「新しくオープンした遊園地に行って、確かに楽しいけど、ちょっとダルいなと思ったところ」みたいな風にすることだってできるわけです。

じゃあ要素と要素を掛け合わせて二要素お題を作ろうとなったときに、自分は掛け合わせる要素間の"距離"を意識しています。
「牛丼屋」という一要素目があったとしましょう。別にランダムに二要素目を持ってきて、「普段は牛丼屋で働いている戦隊ヒーローにありそうなこと(牛丼×ヒーロー)」とかを作っても良いんですけど、ここで「牛丼屋」という言葉のイメージを少し膨らませてみます(牛丼屋に行ったことない人ごめんなさい)。
牛丼屋→店員が少ない、忙しそう、食券制、店内が狭い、米に牛肉が乗っている…… みたいにいろいろあります。じゃあこのへんのキーワードと近いシチュエーションをピックして、
「逆にバイトを大量に雇っている牛丼屋のあるある」「食券のボタンを押すと、店員に電流が流れる牛丼屋」「『牛肉の上に米が乗っている』みたいな、普通とは逆のことばかり起きる牛丼屋『家野吉』はこんなだ」みたいにすると、ランダムに二要素目を持ってくるのとは違ったテイストのお題ができますよね。
『ヒーロー』という要素は比較的牛丼屋から遠く、『バイト』『食券』という要素は比較的牛丼屋に近い。この一要素目と二要素目の遠さ・近さを意識すると、お題づくりにメリハリが生まれると思います。
このへんは遠いのと近いのとどっちが解きやすいとかはあんまり判別しづらいのですが、遠い要素同士を掛け合わせると爆跳ねするかもしれないしあまり跳ねないかもしれないお題に、近い要素同士を掛け合わせるとクオリティの安定したお題になるイメージを持っています。やっぱり近い要素同士を合わせた方が、見る側が風景をイメージしやすいからかと思います。

二要素目を遠いところから持ってくるときの注意としては、「冷静に考えれば別に変なこと言ってないよね」ってなるお題はちょっと跳ねにくい傾向があります。たとえば「海の近くに建っている牛丼屋で起きたこと」とかは、別に海の近くの地域に牛丼屋が建っていてもおかしくないので、ちょっと回答を作りづらいなとなります。海の要素を合わせたければ「波打ち際に建っていて、海水が店内にガンガン入ってくる牛丼屋」「深海に建っている牛丼屋」ぐらいリアリティのレベルを下げた方が効果的です。

二要素目を近いところから持ってくるときの話をもう少し膨らませるならば、自分は「40点の回答をお題にする」というのを意識します。
さっきの牛丼屋の近いところから作ったお題も、まず「こんな牛丼屋は嫌だ」に対して、「バイトが多すぎる」「食券を押すと店員に電流が流れる」「牛肉の上に米が乗っている」っていう40点ぐらいの回答(ここで要素からあまりにかけ離れて0点の回答にしてはいけない)を作って、それをお題として発展させると良いのかなあという感じです。

せっかくなのでもう一個ぐらいやってみます。
「こんな病院は嫌だ」(題材)

「ナースがうるさすぎる」「知らない人と一緒にベッドを使わなければならない」「手術が長すぎて、1年ぐらいかかる」(40点の回答)

「やたら声のデカいナースたちが勤務している病院の日常」「ベッドの数が少なすぎて、知らない人と同じベッドで一緒に寝ないといけない病院に入院したときの思い出」「開始から終了まで1年かかる、とんでもなく長い手術を終えた医者が一言(これは 病院→医者 に替えてます)」(作題)

ちなみに40点の回答から作題までたどり着くための技術は、これはもう作文とかの技術になってくるので、既存のお題のフォーマットを真似しながら、とにかく練習してみてください。ここは理屈よりも経験が生きる場所です。


なんか思いついたら書き足すかも

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