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悔しさにさよならを

 POOLO5期に参加した理由。それは悔しさだった。

 2022年9月24日、そこはPOOLO3期の卒業式。最後に残った感情は圧倒的なまでの悔しさ。画面越しからでも分かる3期のみんなの充実感にあふれた表情、輝く笑顔は私にとってあまりにも辛かった。

 理由は明白で、単純にPOOLOという機会を与えられながらそれを1ミリも生かすことのなかった私のせい。誰も悪くない。だからこそ決心した。

POOLOでの悔しさはPOOLOで取り返す
だからきっと私はもう一度POOLO生になる

 2023年2月。POOLO5期への参加を決めた。締め切りまであと1週間のことだった。「もう一度POOLO生になる」と決めたはいいものの、まさかそんなに早いスパンで戻ってくるとは自分でも思わなかった。一方で当時の私は全く豊かではなかった。POOLOを通してプラスに変化していく3期の存在を間近に感じ、比較しては劣等感に苛まれていた。私は3期を卒業したころから何も変わっていない。そこに残るのは悔しさだけだった。

 この悔しさはどうしたら解消できるのか、藁にもすがる思いで個別相談会へ申し込んだ。再び同じことを繰り返すのではないか、チーム活動で苦しくなってしまったらどうしようか、ただでさえ高くないお金を払うことなど不安は多々あった。けれど「"今"じゃなければダメなのかもしれない」という気持ちが最後は勝った。

 そうして私はPOOLO5期生となった。そしてもうすぐ、POOLO5期生としての活動は集大成を迎える。


1.POOLO5期を振り返る

・自分のこと

 この期間中で自分を取り巻く環境が大きく変わった。転職をし、一人暮らしを始めた。それをきっかけに所属するコミュニティも変わったり増えたりした。新しく関わり始めたコミュニティはまだまだ慣れないところもあるが、少しずつ関係値を深めていきたいと思っている。一人の時間は好きだし、どこかに行くのもソロ活することがほとんどだけれど結局人って何かしらのコミュニティに所属しているのでは?と気がついたここ最近。

・チーム活動や他者との関わりについて

 5期に入った当初から決めていたこと、それは「リアクションをとる」こと。slackでのスタンプやコメント、講義のチャット欄や講師への質問。毎日、毎回のようにはできなかったが、まずは他者に興味を持つことから始めた。

 チーム活動や1on1では、お互いのことを知る時間を大切にした。お互いのことを知らないまま、課題解決に向かっても仕方のないことだから。与えられた課題に対してお互いの意見を聞きながら、話を広げていった。どちらかというと、私は話を広げるのは得意ではなかった。得意ではなかったなりにまずは話を聞いて、分からなかったら質問をする、聞かれたことに対して答えていくことを心がけた。

・自己ビジョンの達成度

 私がPOOLO5期で掲げた自己ビジョンは、

「今までの自分もこれからの自分も愛せるようになる」

だった。「愛せるようになる」だなんてなんて具体化が難しい言葉なのだろう。どういう状態を愛せるようになった、と判断できるのか具体的に表現することは難しいのが現状だ。ただ、愛せるようになるまでには段階があるとも思っている。今の状態は「認められている」状態。人生を辞めたいと思えるほど苦しく辛かったこともあったことを思えば、今の自分は自分がやりたいと思えることを見つけそれに向かって動くことができた。そのことをまずは認めてあげたい。過去の自分も今の自分もこれからの自分も愛せるようになる日はきっといつかくる。

2.価値観のアップデート

 5期の自己ビジョン発表で、私は「大事にしている価値観」として以下の4つをあげた。

 ここから8ヶ月が経ち、そこに対して新しい視点が加わりつつある。

・その時その場所で出逢えた人たちを大切にする

 私が仲間を大切にしたい理由、それはその時その場所で出逢えたことに価値を感じるからである。タイミングが少しでもずれていたのなら、自分の人生において関わることがなかった。一期一会とはよく言ったものだ。

 もちろんPOOLOで出逢えた人たちもそのひとりである。2023年の3月に年齢も出身地も経験もバラバラな80人近くの人が一堂に会した。あの時にそれぞれがそれぞれのタイミングでPOOLO5期に入る、と決断しなければ出逢えなかったのだ。これを奇跡以外の何というのか。

 だからこそこれからも、その時々のタイミングで出逢えた人たちを大切にしたい。そう思えたのはPOOLO5期の人たちに出逢えたから。

・「きっと素敵な思い出になる」を信じてみる

 転機は6月に参加したしまなみ海道企画。立ち上がった企画に参加するのはあくまで個人で決めることだが、3期生時代にほとんど企画に参加してこなかった自分にとっては企画に参加することは1つのハードルだった。

 しまなみ海道、名前は知っているけれど行ったことのなかった場所。いつか行くことができればとは思っていたけれど自分の力だけでは行くことに勇気がある場所。

 参加したいと思う前向きな気持ちと遠慮してしまう後ろ向きな気持ちとのはざまで揺れながら、最終的に参加を決めた要素は

「たぶんこれ行かなかったら後悔するよね」

という気持ちだった。だって、自転車で海を見ながら走るとか最高じゃん。

 結果として、このしまなみ海道企画に参加したことは私にとってとても思い出深い経験となった。予想外のスタートから始まる1泊2日の思い出はきっとこの先も良い思い出として記憶に刻まれるだろう。そう思えたのはPOOLO5期の人たちに出逢えたから。

3.これまでの私とこれからの私

・とりあえず死にたかった

 私は自分のことをネガティブだと思っている。しかしそれは元来持ち合わせていたものではなく、年齢を重ねて関わるコミュニティが広がっていく中で徐々に芽生えてきたものだった。

 「自分はダメな人間だ」と思うことで弱い自分を作り上げた。ネガティブに見せることで、自分を卑下することで自分を安心させていた。

 自分を卑下しすぎてもよくないというのは分かっていた。けれど抜け出す方法が分からない。迷い込んだ先は「早く死にたい」という気持ちだった。

 死にたいけれど死にたくない、矛盾した気持ちを抱えながらここ数年は生きていた。別に私がいなくなろうと誰も悲しむ人はいないだろう、と本気で考えていたこともあった。けれど生きていた、死ぬことが怖かったから。

・POOLOに出逢っていなかったら

 負のループから抜け出したくて入ったPOOLO3期。けれど思うように活動ができず苦しかったPOOLO3期。悔しさを抱えたまま参加したPOOLO5期。人と関わることを頑張ってみようと思えたPOOLO5期。自分が心を惹かれるものに参加しようと動いたPOOLO5期。自分にとって楽しいと思える思い出ができたPOOLO5期。自分にとって新たな人生のフェーズに進むことができたPOOLO5期。

 POOLOに出逢っていなかったら。2021年の秋、POOLOのホームページを見つけなかったら。3期生として参加することを決めなかったら。悔しさを取り返すと決めて5期に参加しなかったなら。ありきたりな表現だけれどきっと今の自分はいない。

・今だからやれることを

 これから私は何をして生きていくのだろう。仕事については、そもそもが変わったばかりなので当分は変わらないと思う。仮に今いる場所を去ることとなっても「子ども」は1つの軸になっていくと考えている。そのうえで、児童福祉や発達・心理に関わる内容の勉強を始めたい。

 いつかやろうでずっと先延ばしになっている+αのスキルも身に付けたい。ただそれを身に付けて何をしたいのかは見えてこないのが実情。でもそんんなことを言っている間にも時は進む。考える前に踏み出さなきゃ。

 あと3年もすれば30歳になる。30歳ってもっともっと遠いイメージだった。子どものころに描いていた人生設計とは大きく違う今の人生。だけどそれが人生。30歳からはこれまでの経験が如実に出てくる。だからこそ、自分に誇りを持ち自分の武器を持って、自分の人生を歩んでいきたい。

4.悔しい気持ちはもう十分

 POOLO5期に参加した理由。それは悔しさだった。

 だけどその悔しさはもういらない。過去は変えられないけれど、変わりたかった。だから少しだけ背伸びをした。背伸びをしてみたら、これまでより少しだけ多くの人と関わりを持つことができた。それに楽しかった思い出がたくさんできた。こんな自分が、と思うこともあったしこれからも思うことはあるかもしれない。けれども、POOLOという場所に関わることのできたこの2年近くは私がこの先の人生を生きていくために必要だった2年間だったと言える。

 POOLO3期に参加できてよかった。POOLO5期に参加できてよかった。

悔しさにさよならを。


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