見出し画像

続くものへの救護。自らの過去の救済。ユンギ、もう大丈夫だよね。「Snooze(feat. Ryuichi Sakamoto、김우성 of The Rose)」|D-DAY(2023年)

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。

そして、クリエーターとして信用できるところ…創作者/表現者としてのミン・ユンギ|MinYoongiを推すタイプのユンギペンです。
どこか不完全で、つねに焦りを抱えていて、誰よりも、次はもっとうまくやってやろうと目を凝らして世の中を見ている。
“天才”のように言われるが、すべてが不安、準備、先回り。
周りの期待を慎重に汲み、つねに少しだけ期待を超えて相手を安心させる。
それが私のミン・ユンギです。


夢と追われる存在になった責任

「夢だけを見ていた僕たちは、誰かの夢になった」とミン・ユンギは言う。
(Run BTS -EP.56 「手紙」)

いつの間にか追われる存在、慕われる存在になった自分に自ら課した責任。
「自分がたどった辛い道を後輩たちには歩かせない」

こうして「成功した先輩」として次の世代にメッセージを送るというのも「Agust D」というペルソナがあったからできたことだったろう。

また、自らがたどってきた道程、選択や覚悟の肯定でもあるようだ。

何が正解だったかなんてわからなかった、ただやって来たことを正解にするだけ(PROOF)。
だとしたら、その正解を同じ夢を見る後輩たちへ開示し申し送る、惜しげもなく(それでも決して追い抜かれない自負はあるんだろう)。
そしてそれをまた自分への鼓舞/原動力にするんだろう。

そんなところ。
ミン・ユンギの合理的な思考でもあり、矜持なのだろう。

道しるべ 坂本龍一

BTS(防弾少年団)が教えてくれるのは、夢や願いを口に出して言うこと(言語化)の大切さ=それで起こせる奇跡、だ。

ミン・ユンギは、教授 坂本龍一さんにあこがれていることをずっと口にだしていたし、デビュー10年を経て、それに見合う情熱と成果を持っていることは周りも十分認めるところだったろう。

いよいよ対面が実現した。

2022年9月末のことだ。
どれだけ素晴らしい時間を過ごしたことだろう。

「会いたい人には会いに行く。」
そんな勇気を与えてくれる出来事だ。

二人が対面したのが2022年9月。
その時点で、この曲「Snooze」のスケッチ(下地)は出来ていて、ミン・ユンギは教授に聞いてもらうことが叶っただけでなく、「Feat(フィーチャリング)」というカタチでアルバムの中に楽曲を残すことが出来た。

この「Snooze」を収録したアルバム「D-DAY」のリリースが2023年4月21日。それに先立つ3月28日に教授は、遠くへ旅立っている。

こんな出来事が起きるなんて。
本当に素晴らしい人たち(両社のスタッフ、関係者)に囲まれるミン・ユンギ。
まわりを動かす言葉の力と音楽を愛する心よ。

デビュー曲の「NO MORE DREAM」にはじまり、「夢」はミン・ユンギがよく扱うテーマだ。
「Snooze」では、後輩たちが彼を「夢」と追いかける存在になった自分を描きつつ、彼自身の「夢」も繰り返している。


創造と人生の最期にきみと一緒にいられたら

きみがどこにいようと受け入れることができたら

試練の先にやがて花を咲かせることができたら

はじまりは頼りなくても、おわりには誇れるようになれたら

So Far Away (ft. Suran)|Agust D(2016年)

Agust Dの1作目のアルバム(Mixtape)に納めた「So Far Away (ft. Suran)」で繰り返していたミン・ユンギの「夢」だ。
今回の新譜「D-DAY」は、Agust D三部作(トリロジー)の最後だというミン・ユンギ。
1作目、2作目から3作目、3作目から1作目へのループとしてこの「So Far Away」の一部がサンプリングされていること。
とても意味深いことのように思えてならない。

不安や怒りをぶつける相手としてのペルソナ「Agsut D」が役割を終え、その過程で欲していた“救護”を、そのまま後輩たちに提供する。それは、自分がしてきた苦労をまるごと肯定すること。つまり自分自身の救済。

もう大丈夫だね、ユンギ。

Snooze(feat. Ryuichi Sakamoto、김우성 of The Rose)|D-DAY(2023年)


...と勝手なことを書きました。
「Snooze(feat. Ryuichi Sakamoto、김우성 of The Rose)」のここが好き、ここをこう読んだ、など聞かせていただけると嬉しいです。
ぜひコメントを、お願いします💙

〈これ聴いて♪〉


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?