年間ベスト2018

年間ベストアルバム2018

今年も残りあとわずか。ポップカルチャー好きの人間としては、この時期になると今年のベストを選びたくなるものです。この時期はとても楽しい。
2018年リリースされた音源で印象に残っているアルバムを2018年のベストアルバムとしてまとめました。あれもこれも入れたら30枚になってしまった。。

毎月10〜15枚程度のアルバムを聴いていたからざっくり150枚の中から選んだ30枚。これだけの音楽を聴けたのは自分にとって今年がSpotify元年だから。信じられないくらい様々なジャンル・国の音楽が身近に聴けるようになった。
noteに書き残しておくならベストアルバムも決めておきたいところなので、30枚の中からベスト5を決めました。30枚分を紹介するので結構長いですが、どうかお付き合いください。(最後の1枚以外は順不同です。)

2018年、私の年間ベストアルバム30枚

ASIAN KUNG-FU GENERATION / ホームタウン

もう9枚目のアルバムなんですね。。今までのゴッチのソロ活動のエッセンスとこれまでのアジカンが組み合わさったらパワー・ポップ全開のアルバムになった。個人的には、アジカンのこういうパワー・ポップを待ってたんだと気付いたのと間違えなく一生聴き続ける。すごい化学反応が起きたというより、ここからソロ活動とバンド活動がますます楽しみになった一枚。

Select Song 「さよならソルジャー」

Superfriends / Superfriends

結成13年目の京都の3ピースバンドの1stアルバム。つい最近FLAKE RECORDSで視聴して即アルバムを購入。全曲英詞でグットメロディー系のギター・ポップ、ボサノバやアコースティックといった要素を織り交ぜたポップソングも最後には泣き虫ロックよろしくパワー・ポップに落としているあたりが最高でした。

Select Song 「Jet Jet Jet」

Sobs / Telltale Signs

シンガポールのインディーポップバンドSobsのデビューアルバム。USインディー、オルタナティヴ、ドリーム・ポップあたりが好きな人は確実にハマるはず。こういう音ってありふれちゃっているけど、やっぱりいいよなって思うのは可愛らしい歌声にポップ感がありつつもローファイなサウンドが絶妙だからかも。

Select Song 「Party Song」

DSPS / 時間的產物

台湾のインディーバンドのデビュアルバム。ここ最近名前を聴くようになって聴いたら最高のギターポップバンドでした。スーパーカーの初期の頃を思い出すようなインディー・ロックのメロディと可愛らしいボーカルには、甘酸っぱい青春を感じる。スーパーカー好きだった人にはぜひ聴いてほしい。

Select Song 「19歲的秋天之歌」

The Beths / Future Me Hates Me

ニュージーランドで活動しているThe Bethsのデビューアルバム。メンバー全員がジャズを学んでいるようで、そこから生まれたギター・ポップ、EMO、インディー・ロック、パワー・ポップをすべてひっくるめた挙げたジャンルが好きならぜひ聴いてほしいアルバム。美しいハーモニーとフックあるサウンドにやられるはず。子どもっぽさもあっていいんだよなぁ。

Select Song 「Future Mw Hates Me」

The Firewood Project / Causes

日本のEMO・インディーシーンで活躍しているThe Firewood Projectの待望のデビューアルバム。The Get Up Kids、Mineralといった90年代エモとインディー・ロック、オルタナが組み合わさった感じって日本にはなかなかいなくて新鮮だった。全体通して疾走感あって聴きやすくて、めっちゃ聴いてた一枚。

Select Song 「Moratorium」

Petal / Magic Gone

ブロードウェイ女優としても活動しているシンガーソングライターKiley Lotzによるソロ・プロジェクトの2nd。インディー・ロックやEMOが好きな人は是非聴いてほしい1枚。透明感ある歌声もいいのですが、それを支える渋めのサウンドが最高。特にドラムがいい。タイムリーに初来日も決まってめちゃくちゃ楽しみ。

Select Song 「Magic Gone」

Caroline Rose / LONER

NYで活動しているシンガーソングライターの2nd。ゴリゴリのインディー・ロック、オルタナ系サウンドに伸びのある力強いボーカルが王道感がありつつも、要所に打ち込みやコンテンポラリーなメロディを入れてるのが絶妙な感じがしていい。

Select Song 「Soul No.5」

くるり / ソングライン

正直言うと今回のアルバムの前2作は、1回くらいしか聴いていなかったので、少し離れた期間があったのですが、Twitterで流れてきた「その線は水平線」を聴いたら昔のくるりがありつつ、新しさがあって戻りました。このアルバムは昔のジュビリーの頃の懐かしさとはまた違うオーケストラでのアプローチは、壮大な音楽をまた作ってくれそうな楽しみが生まれました。(もちろんプログレ前回のTokyo OPも最高)

Select Song 「その線は水平線」

Homecomings / WHALE LIVING

ホムカミの3rdアルバム。このアルバムから待望の日本語詞の曲をつくるようになった。前のnoteでも書いたのですが普遍的なアコースティックサウンドに日本語で歌うHomecomingsは良さが倍増する。ユーミンのようなんだよな。青春のような爽やかなバンドサウンドは何回も繰り返して聴きたくなる、その度に心に染みわたる一枚。

Select Song 「Hull Down」

シャムキャッツ / Virgin Graffiti

前作はバンドとしてシンプルな音を追求したものから、今作はそれがベースにありつつも打ち込みを入れた実験的な遊びをしていて、ジャケットのような子どもの無邪気さがありました。シンプルなネオアコ、フォーク、インディーロックでありつつも新しいものを取り入れているストイックさを感じました。

Select Song 「このままがいいね」

Snail Mail / Lush

まず19歳という時点でこういうアルバムを作る才能に脱帽。それもデビューアルバムで。ローファイ・ロックとオルタナティヴ・サウンドの境目をさまよっているような気怠さ・憂鬱さにヒリヒリするタイトなバンド・サウンドにやられた。一曲一曲の完成度は高いわ、世界観がすでに出来上がっているわでこれからどうなるのか楽しみですね。

Select Song 「Heat Wave」

BOY AZOOGA / 1,2, Kung Fu

ウェールズ出身のBOY AZOOGAのデビューアルバム。オルタナティヴ・バンドだけど中身はロックンロール、サイケデリック、エレクトロ、ドリーミーなど幅広く取り入れたグルーヴィで心地よい踊れるメロディ。そして、やる気のない感じで歌うところなど最高です。UKインディー・ロック好きは必聴じゃないでしょうか。

Select Song 「Face Behind her Cigarette」

アナログフィッシュ / Still Life

新譜をリリースするたびにシンプルにタイトになってくるアナログフィッシュ。今回はよりシンプルなビートで奏でながらもメロウになったバンドサウンドにさらにヒップホップのような歌い方が強くなってチルアウトしちゃう一枚でした。いつもの日常を疑問を歌い続ける曲たちを、暑い夏の日に聴いてこれまでもこれからも日常は続いていくんだと思ってしまった。

Select Song 「Sophisticated Love」

落日飛車 / Cassa Nova

台湾のインディーバンドの落日飛車(サンセット・ローラーコースター)の2nd。これぞシティポップと言いたくなる都会感あるメロウなメロディに要所要所に入ってくるサイケデリック感がたまらない。さらにしっとりと歌うボーカルもまたよかった。70~80年代のAOR好きやyogee new waves、never young beachなどの日本の若手シティポップファンにも聴いてほしいです。

Select Song 「Cool of Lullaby」

Parcels / Parcels

ベルリンを拠点に活動しているParcelsのデビューアルバム。80年代のディスコファンクと打ち込み系のエレクトロが組み合わさったタイトめなビートのダンス・チューンが満載だった。音源のみならずジャケットもアー写もだけど、ダサいのに独特のかっこよさがある。(日本人が真似してはいけない感ある)

Select Song 「Closetowhy」

星野源 / POP VIRUS

リズムとビートを重視したブラックミュージックを日本人の解釈を加えた前作からはネオソウル寄りでありつつもやっぱり最後はポップスとして作られているのはすごい。こういう音楽が多くの人へ受け入れられているのは、役者であり、エッセイストであり、アーティストである星野源だからなのだと思わされた一枚。アイデアは今までの星野源の音楽性をたどっていてすごいとしか言えなかった。

Select Song 「アイデア」

WANG FU / 旺情歌

今年始めて知った台湾のインディーロックバンドの旺福(ワンフー)の最新アルバム。98年結成で今年で結成20年のよう。
90年代の渋谷系を彷彿とさせるレトロ感があるキャッチーでポップなメロディと昭和歌謡アイドルのような歌い方が個人的に響きました。アナログなシンセ音もたまらない。日本にいるようでいない感じのバンドが見つかりました。

Select Song 「你少在那邊」

Tasha / Alone at Last

シカゴで活動しているシンガーソングライターTashaのデビューアルバム。ボサノバ、R&B、ソウル、ヒップホップなどを組み合わせた楽曲とR&B系の伸びのある歌声が最高によかった。とりあえず、Kind of Loveを聴いてみてください。

Select Song 「Kind of Love」

cero / POLY LIFE MULTI SOUL

3rdアルバムあたりからバンドメンバーを入れ替えて演奏される楽曲は完成度の高いものばかりで圧倒されてしまう。3rdアルバムはブラックミュージックをベースにしていたが、今回のアルバムではジャズ、ネオソウル、R&B、ファンクなども取り入れて新しいceroの音楽を体現しつつも踊れるダンスミュージックに仕上がっていて聴きやすいのに実は深いってすごすぎる。

Select Song 「魚の骨 鳥の羽根」

Phum Viphurit / Manchild

タイのバンコクで活動しているシンガーソングライターのデビューアルバム。スウィートなボーカルでジャズ、ブルース、ソウルをベースとして生まれたしなやかなフォーク・インディーロックを量産しているところ、まさにタイのポップマエストロ。牧歌的でありながらも都会的な洒落た感じもあって、好きになる人増えそう。そして、来年はもっと有名になるはず。スカートが好きな人とか絶対に好きになりそう。

Select Song 「Long Gone」

Gateballers /「The all」=「Poem」

東京で活動している3ピースバンド。サイケデリックなサウンド、無気力で力の抜けるようなボーカル、サンプリングに新しさがあるオリジナリティ溢れる一枚だった。サイケデリックなサウンドに哀愁を感じる踊ってばかりの国とか好きな人は聴いてもらいたい。

Select Song 「「The all」=「Poem」」

ADOY / LOVE

韓国で活動しているシンセポップ・ドリームポップ系の5人組バンドのEP。甘く透明感ある女性ボーカルと懐かしさを感じるメロディが浮遊感を誘う気持ちいい一枚。ジャケットのアニメイラストもまた良い。暑い夏にぴったり。

Select Song 「Bike」

踊ってばかりの国 / 君のために生きていくね

オリジナルメンバーは下津さんだけになってしまったけれども、音源はリリースされるたびに最高傑作。さまざまなものへ訴えかけているような力強い歌詞と心地よい歌声、サウンドは、紆余曲折を経たバンドだからこそ鳴らせる音だと感じる。グルーヴ感あるノイズが美しい曲たちが並んだアルバム。BOYはぜひ聴いてほしい。

Select Song 「BOY」

ROTH BART BARON / HEX

3年振りの待望のアルバム。たまたまラジオで流れた曲に心を奪われ、数年前から聴いています。オーケストラのような壮大さと牧歌的で音が生きているような感じと透明感がありながらも力強い歌声は、ジャンルがいい意味でなんなのかもわからない唯一無二のバンドだと思う。ライブで目の当たりにする高揚感が最高潮に達し、言葉が一切出てこなくなる。ものすごい音楽体験ができます。

Select Song 「GREAT ESCAPE」

私の2018年ベストアルバム5枚

KID FRESINO / ai qing

ポストロック、ハウス、エレクトロなどに多彩なビートに軽やかにリリックを乗せて歌うKID FRESINOはめちゃくちゃかっこいい。比べるわけではないけど、OLIVE OILが作った複雑なトラックを軽やかにリリックを乗せる5lackのコンビに負けないくらい。普段ヒップホップを聞かない人もいわゆるなヒップホップが少なく、様々なジャンルの音を取り入れているので楽しめるはず。実験的で新しいヒップホップを作っていきそうでこれからが楽しみな一枚。

Select Song 「Coincidence」

Joji / BALLADS 1

ニューヨークを拠点に活動しているオーストラリア系の日本人シンガーのデビューアルバム。R&Bやトラップ・ビート、フォーク、打ち込みなどを取り入れながらもシンプルで宅録のようなアナログ感ある音。その音に乗せているのは抑揚のない無気力な歌声。アルバム全体を通して聴いているとセンチメンタルな気持ちになり、深夜に聴くと危険です。来日キャンセル本当に残念。。

Select Song 「I’LL SEE YOU IN 40」

折坂悠太 / 平成

平成生まれが生み出すジャンルを超えたポップス歌集。ジャズや民族音楽、民謡、ブルースなどを取り入れてポップソングへと昇華する。歌い方も音もバックグラウンドが豊富で何を聴いていたらこういった音楽を生み出せるのか知りたくなってしまう。本当にすごい。民謡のように多くの人に聴いてもらい、歌い継がれてほしい一枚。

Select Song 「さびしさ」

Sen Morimoto / Cannonball!

シカゴ在住のマルチプレイヤーのデビューアルバム。聴けば凄さがわかるで片付けちゃいけないですが、これも様々なジャンルを超えたなにかとは言いにくい。各パートはポストロックのように緻密に積み重ねられているのにもかかわらず遊び心あるサウンド。ライブで見たら驚きます。今年のサマソニでThis is Notを聴いたときぶち上がった。

Select Song 「This is Not」

GEZAN / Silence Will Speak

自分の2018年No.1アルバム。レコーディングにスティーヴ・アルビニが関わった今作。前作のNEVER END ROLL(こちらも最高なアルバム)とは対照的で、サウンドの生々しさや攻撃的でありつつもどこか繊細で美しい。オルタナティヴ・ロックってこういうチャレンジングな音楽に対して名付けられるものだと思う一枚です。轟音のforgotten flameから始まり、最後のノイジーでありながらも叙情的で美しさのあるAmbient redまで聴き通したあとにDNAをもう一度聴いてほしい。DNAはGEZANのアンセムソングであると感じれるはずです。いろんな人に聴いてほしい。

Select Song 「細光胞 / DNA」

さいごに

30枚に絞るのも大変だったし、ましてやベスト5なんてもっと大変だった。これもよかったんだよなぁ…!と本当は入れたかったアルバムもまだまだありますが、印象に残ったという視点で選ぶならこの30枚でした。今年もいろんな音楽に出会えました。

振り返ってみると国もジャンルも知名度もバラバラですね。若干デビューアルバムを中心に選んでいる気がしました。各アルバムからベストソングを選曲してプレイリストも作りましたので、こちらもぜひ聴いてみてください。
自分で作っておいてアレなんですが、いい曲しか流れません。笑

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

おまけ(ベストアルバムまとめました!)

1.ASIAN KUNG-FU GENERATION / ホームタウン
2.Superfriends / Superfriends
3.Sobs / Telltale Signs
4.DSPS / 時間的產物
5.The Beths / Future Me Hates Me
6.The Firewood Project / Causes
7.Petal / Magic Gone
8.Caroline Rose / LONER
9.くるり / ソングライン
10.Homecomings / WHALE LIVING
11.シャムキャッツ / Virgin Graffiti
12.Snail Mail / Lush
13.BOY AZOOGA / 1,2, Kung Fu
14.アナログフィッシュ / Still Life
15.落日飛車 / Cassa Nova
16.Parcels / Parcels
17.星野源 / POP VIRUS
18.WANG FU / 旺情歌
19.Tasha / Alone at Last
20.cero / POLY LIFE MULTI SOUL
21.Phum Viphurit / Manchild
22.Gateballers /「The all」=「Poem」
23.ADOY / LOVE
24.踊ってばかりの国 / 君のために生きていくね
25.ROTH BART BARON / HEX
26.KID FRESINO / ai qing
27.Joji / BALLADS 1
28.折坂悠太 / 平成
29.Sen Morimoto / Cannonball!
30.GEZAN / Silence Will Speak

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