リ・ルゥ・アヌ・ラサ・ファン・チゼ

「あたくしは ラサ国 第一王女。
 なにか 文句が あって?」


「逃げろと言うの。

 5年の投獄、その地獄からも、

 逃げなかった あたくしに。

 あたくしはもう、なにからも 逃げない。

 そしてもう、 なにも あきらめない。」

 「戦うわ。」


 「ひとに ものを たずねるのならば、
  まず 礼儀を わきまえなさい。

  無礼もの。」

 「奉仕の犬はご主人様の元へ帰りなさい。」


 「あたくしを 誰と 思っているの。」

 「その名は あたくしの ものよ。

  軽々しく 口にできるモノではない

  と 思いなさい。」


 「この首ひとつで、祖国が助かったのなら。」


 「無能は死になさい。」

 「ちょっと、そこの軍人。
  なにか《なぐるもの》は なくって?」

 「あいつに 借りを つくるのは
  いやなのよ!」



産まれた瞬間から 傾ききった

どこをどう とっても

貴方のせい ではない 責任を

ずっと 背負い続けたのは


ひめさま、 どうして ですか。


愚問すぎますよね。

祖国を。 愛して、いたんですね。



「夕の紅、明けの瑠璃。

 漆黒と透明をまとう、

 たった ひとりの、、

 われらが、ラサの 姫君よ。」


あなたほど 気高く つよく 凛々しい魂を

わたしは ほかに 知らないから。


これからも きっと ずっと

あなたと 共に 歩むことでしょう。




〜引用元〜

角川つばさ文庫

「ようこそ、古城ホテルへ」 紅玉 いづき


〜またね〜

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