見出し画像

元教授、駅前のカフェで2時間限定の仕事(その3、マクドナルド):定年退職16日目

今日は3日ぶりに、梅田の蔦屋シェアラウンジにやってきています。前回までは他のカフェ(ホリーズカフェとスタバ)の話題を取り上げていたので、ちょっと不思議な感じがします(比較ではなく、それぞれの個性が面白いという結論でしたが)。


この蔦屋ラウンジに来るとき、梅田の紀伊國屋書店(タイトル写真左上)の前を通ることがあるのですが(研究室で梅田飲み会があるときは、写真左下の本書店横BIGMAN前で待ち合わせでした)、そこから少し歩くと、阪急梅田駅とJR大阪駅の間にマクドナルドがあります。マクドナルドは、関西では親しみを込めて「マクド」と呼ばれています。


マクドと言いえば、40年以上前の話で詳しくはよく覚えていませんが、研究室を訪問してきたアメリカ人の老教授(注1)を、学生たちが京都案内したことがありました。その分野の権威の先生でしたが、日本をとても愛してくださっており、古い“netsuke(根付)”を集めることがご趣味でした(皆さん“根付”わかりますか? 江戸時代に使われた印籠や煙草入れの留め具のことです。今で言うストラップですね)。学生たちが京都の骨董市にお連れしたのですが、先生は「根付にお金を使いたいので、マクダーナー(“ダ”にアクセント)でランチにしよう。この近くにマクダーナーはありますか?」と言われました。学生たちは、

マクダーナー? どこの料亭だ、知っているか? となりました

動きの止まった学生たちに、先生は戸惑った表情を浮かべ、日本にもあるだろう、と主張。そこで、1人の学生が勇気を出してマクドの“Mのマーク”を示すと、「そう、そこだ!」となりました(英語のヒアリングの問題でしたね)。


さて、マクドに話を戻しますと、通り過ぎたその梅田のマクド店は、驚いたことに17年間日本で一番お客さんの数が多い店舗(230万人/年 (300人/時間))だそうです。新梅田食堂街にある一見地味な感じの店舗ですが(タイトル写真右)、なぜかいつもお客さんがひっきりなしに出入りしているなと不思議に思っていたので、合点がいきました。


最近は、私はマクドにあまり行っていませんでしたが、子供の頃は一番オシャレな食事でした。両親が時々買って帰ってきてくれたハンバーガーやフライドポテトに、胸を踊らされました。特にビッグマックは、こんな美味しいものがアメリカにはあるんだと、最高に贅沢な気分になりました。それが私のアメリカへの夢を育んだ最初のきっかけかもしれません。


さらに、マックシェイクは当時の日本の食べ物では見たことがないユニークな食感と味でした。その独特な体験は、今の若い人たちにも共感されるようで、化学の授業で「スラリー状態」を説明するときに、あの「マックシェイク」みたいなものだよ、と言うだけでみんなが理解してくれました(まさに時代を超えて通用する概念ですね)。


文章があちこち行ってしまいましたが、マクド日本一店の前を通っていろいろなことを思い出しました。お楽しみいただけましたでしょうか・・・

-----------------------------------

(注1) ちなみに先生は、日本人の学生を何人か研究室のポスドクに雇ってくれました。また、私の指導教授の80歳の傘寿のお祝いには、何と「haiku(俳句)」を作ってお送りいただきました。日本の伝統的な五七五の形式とは異なるものでしたが、素晴らしいお祝いメッセージで、とても感動しました。


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?