書評:『おしえて! さかなクン2』(さかなクン)

3巻シリーズの第2巻。このシリーズの中で最大のオススメはこの本だ。

出てくる魚が子育て世代にとって実用的だ。子供が興味を持ちやすいジンベイザメなどのサメから、マグロなどの食べる魚まで、わかりやすい魚がテーマにされている。この本は、大人の教養という感じ。さかなクンは本当に魚に詳しいので、読んでいて楽しくなるし、ためになる。

さかなクンの真骨頂の一節抜かせて貰うと、

神奈川県の小田原あたりではアブラボウズを「オシツケ」と呼ぶことがあります。以前、テレビの生放送で、その場で板前さんに握っていただいたお寿司のネタを当てるクイズに挑戦したことがありました。出されたネタは見た目真っ白、お味はギトギト、どう考えてもアブラボウズ。そう答えると、ブーッ。不正解で、板前さんには「うちではそんなもの扱っていない!」と怒られてしまいました。放送後、何のネタだったんですか?と聞くと、「ん?オシツケだよ!」と言われてしまいました。生のアブラボウズの味は、マグロなら大トロが好き、という方が好まれるのかな?という感じでした。

この本を読んでわかるのは、魚に詳しい人は滅多にいないということ。お寿司屋さんも土地の魚には詳しいが、魚の名前は、結構土地土地でバラバラで、お魚屋さんも漁師さんもお寿司屋さんも自分の土地の魚しか知らないことが多い。その中、さかなクンは実は博学。しかし、周りがそれを理解できていないので、「ブーッ」なんてことをさかなクンにやってしまう。クニマスの再発見に貢献し、天皇陛下もその功績を讃えるほどの博学なさかなクンは、この無知な寿司屋をバカにするでもなく、優しくお魚を解説して、お魚の魅力を伝えてくれる。この本は、素晴らしいと思う。

ちなみに、アブラボウズは、クエの偽物として売っていることがあるらしく、その違いもこの本に書いてある。

他にも、マダコを茹でる時はお茶の葉を一緒に入れると赤くなる、などすごく実用的な知識もいっぱい。島国でお寿司に国の人である日本人であれば、知っていると楽しくなることがいっぱいだと私は思った。

目次の中で主なものを並べると、ジンベイザメ、シュモクザメ、ホホジロザメ、メガマウスザメ、イタチザメ、トラフザメ、イトマキエイとマンタ、シビレエイ、チョウザメ、サケ、サバ、カレイ、サンマ、ワカサギ、ニシン、クエとアブラボウズ、ブリ、カンパチ、スズキ、ホッケ。

アブラボウズを買わないためにも、日本人として持っておく魚の知識として、この本はオススメなのです。

『おしえて! さかなクン2』(さかなクン)


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