米中貿易戦争 #4 東南アジアにシフト

日本企業の中国脱出が進み、駐在員は中国ではなく東南アジアに寄ってきているという記事である。もはや、生産拠点として中国は魅力を失っており、今後拡大するのは東南アジアであるということ。邦銀による海外の与信額も東南アジアにシフトしており、中国に対する投資は急に細っている。

まあ、日本企業や日本国内からの投資だけを見てもあまり意味がないのかもしれないが、欧州や米国の企業からしてもそうだろう。かつて、ドラッカーが指摘した通り、製造業の本丸は製造のノウハウである。多国籍企業からすると、グローバル商品の生産の場所はどこでも良い。どこでも、工場を立ち上げることはできる。あとは、消費地がどこなのか、物流などのインフラ面がどうなのか、である。消費地は、究極的には人口があれば良いし、物流などのインフラ面はODAなどを通じて、中長期的には作ることができる。なので、中国を世界の工場にしておく理由がもはやないのである。

まあ、タイなどは依然として軍事クーデターで政権を握った軍事政権であるし、中国とどっちがマシだという国もあるのが事実ではある。しかしながら、中国の訳のわからん規制(中国への参入を真面目に考えて、一度ちゃんと調べると実に腹がたつめちゃくちゃな仕組み)や、共産党の継続のみが目的になっている政治体制に、国家主席の独裁というおまけまでついた政治リスクを鑑みたときに、工場を中国に起き続けたり、新規の工場を中国におくという選択肢はないわなと思う。

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