米中貿易戦争 #5 どこかで見た絵

中国上場企業の負債が拡大していて、530兆円ぐらいになっているという話である。人民元が安くなる方向なので、円ベースだと今後も拡大していくのかもしれない。

さらに、地方政府による出資による救済が進んでいるそうで、つまりは、国有企業が増えていってしまう(ノリとしては、エールフランス買っちゃったフランス政府用のようなやばい動き)流れが進んでいるとのこと。

怪しい産経新聞系のソースではあるが、

マッキンゼーのレポートで、中国国有企業の負債額も試算されているようで、こちらは、1400兆円ぐらいなんだそうだ(国有企業の負債が最近の7年間で3−4倍に膨れているというが、ゾンビ企業を地方政府が救済して、ゾンビの国有化が進むという現象だと思われる)。これが、60%というので、中国企業の総負債額は2300兆円ぐらいなんだろうか。

ソースがもっと怪しいが、

教えてgooさんでの数値ともだいたい合っており(6月時点で中国2100兆円、米国1550兆円、日本が500兆円?)、そんなものなのかなと思います。

負債だけ見てもただのアホなので、資産側を考えてみる訳ですが、果たして、中国企業の資産が米国企業の資産より大きいのかというのを考えると甚だ疑問である訳です。

中国企業のB/Sの左側の資産っていうのは、バブっている不動産とか不動産とか不動産とか不動産で、まだその不動産も北京とか上海という都市部なら良いけれども、とんでもない地方開発都市のガラガラの巨大マンションや都市だったりすると、本当に目も当てられません。また、資産を見積もっても、中国製造業の在庫とか過剰在庫とか不良在庫などで、もちろん、貿易戦争で過剰在庫化が加速しているので、負債返済のために現金化のためにどんどん叩き売りされて、物価が下がっていく気がします。在庫の価値が下がっていく、あれですね。

で、どこかで見たことのある絵、というのは、日本の平成バブル経済です。日本における元祖バブル経済(「バブル経済」という日本語が出たという意味でのオリジナル)、失われた20年を思い出さずにはいられません。インターネットバブル崩壊程度の被害では済まないでしょうね。

ポスト・リーマンショックにおいて、世界的な信用収縮がどこから起きるのか、というのを私は予想ができていませんでしたが、なるほど、中国企業が莫大にこさえた負債から、信用収縮が起きそうだということがわかってきました。

しばらくは、中国政府が買い支えるかもしれませんが、いずれ限界がきて、中国人民元が崩壊、中国への海外からの投資や融資が急激に引き上げられて、デフォルトの嵐が吹き荒れそうな気がするのは私だけなのでしょうか。

私の中での論点は、日本経済が巻き込まれるのか否か、という気もしてくるのでした。いや、もはや、「論点は、日本経済がどれくらい巻き込まれるのか?」の定量的な問題でありましょう。

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