中国介護施設向けSaaSの現状

中国のシニア、介護、医療などを研究する中国ヘルスケア研究所です。本日は中国の介護施設向けのSaaSサービスの現状を簡単ににまとめました。

日本でも、SMSのカイポケビズ、カナミックネットワーク、エヌ・デーソフトウェアなどソフトウェアを開発・提供する会社が、何社か上場する規模まで出現していますが、中国の現状はどうでしょうか?

介護×SaaSのスタートアップは10社もない


中国のスタートアップ情報サイトであるItjuziのデータ(2019年5月時点)を使って、中国メディア「每经」が調査したところ、「介護×SaaS」で調達をしているのは以下の6社があるとのこと。

1社はベンチャー向け市場で店頭公開2016年3月にしている。当時の記事では、介護は次のトレンドになるか?と報道されていたが、他の企業でまだシリーズBまで進んでいるところはなく、そこまで大きな市場になっているわけではない。日本のように介護保険制度がきちんと始まっておらず、市場が整備されていないのが大きな原因だと思われる。

また3割が赤字と言われている業界で、業界の成熟にもう少し時間がかかるだろう。

調達している介護×SaaSの企業一覧


SaaSの機能としては、入居管理、従業員管理など一般的なものを提供している。ラウンドを見るにまだどこも手探るという感じだろうか。

店頭公開している1社も2011年創業で、SMSが2000年と考えるとやはりまだ中国ではまだ新しい業界で、SaaSも発展途上と言える。

一方、中国人のデータを国外で管理するのが難しくなっている中、中国に進出している介護事業者が中国系サービスを選ぶ必要も出てくる。そこまで規模が大きくない日本の介護事業者が中国に進出する際に、とりあえずSaaSから始めるという場合もあり、どのSaaSが使えるかという動向は今後も知っておく必要があるだろう。

またSaaS系事業者が、培ったノウハウを基に自社で施設を展開してくる可能性も大いにある。介護事業者がSaaSを買収し、一緒に介護市場で成長を目指す選択肢を取る介護事業者も現れるのではないか。

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