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0♾️地点②


救急車と言っても、自分はまともに動くこともできない。

同じ団地の、最近はあまり接触もなくなっていた、いわゆるママ友関係だったKさんが駆けつけてくれました。

看護師のKさんは救急車が来るまでの準備から入院手続き、入院中の洗濯や買い物、そして子どもまで預かってくれました。
同じひとり親で、しかも3人の子育てをされているのにです。

皮膚科に対応できるところが少なく、見つかった搬送先はかなり遠方。
また、処置はできても入院は不可ということで、入院先を探すのにさらに時間がかかりました。

幸いKさんのお子さんが大きくて、救急車から入院までの間、うちの子どもの面倒をみてくれました。
Kさんはその日、ほとんどろくに睡眠も取らず翌日仕事に行かれたんだと思います。
入院中のわたしの子どもの世話から、退院の迎えまで。
こんなにも素晴らしすぎる方とのご縁に、もうただただ震えるくらいの感謝。
ほんとうにありがたくて言葉にならないです。

入院中、いつもお世話になっていたお料理上手なご近所のご夫婦も、うちの子を招いて美味しいご飯を食べさせてくださったり、ほんとうに色んな方に助けていただきました。


診断名は
「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」
というもので、搬送先で切開処置されました。

入院中、皮膚はもちろんのこと、栄養状態がとにかく非常に悪く、病院食とは別にアミノレバンというものを摂るように勧められました。
調べてみると肝機能などに障害のある方が、アミノ酸をダイレクトに摂取できるようにしたもののようでした。

入院前、食事はごく普通に食べていたのですが、消化吸収が上手く出来なくなっていたようでした。

あちこち包帯やガーゼだらけで、着替えの度にとんでもない量の皮膚の落屑だった状態から包帯も不要になり、切開した傷口も順調に回復し退院しました。

退院後、抗生物質の内服薬、アミノレバンに似たポリタミンというものを処方され、
「とにかく食事はタンパク質を!」との指示でした。

その後、入院先の病院から近くの大学病院の皮膚科へ。ひと月に一度診察してもらうことになりました。

入院先から処方された抗生物質もなくなり、しばらく経った頃、落屑や炎症は無いものの、もともと症状がひどかった箇所に痒みが出てきました。
小さく盛り上がって、場所によっては掻くと出血します。
黒くベタつきのある血液です。

診察の際、医師に伝えてみました。

「痒疹ですね。
根が深いので時間かかります。」

強いステロイド軟膏と抗ヒスタミン薬を処方されました。

調べてみると、「結節性痒疹」というもので、これまた「原因不明」しかも「難治性」とあります。

肘から手首まで、膝下から足首までの、元々包帯を巻いていた部分にだけ出ていた湿疹、盛り上がり、痒みは日に日に数を増して行きました。

入院前ほどのひどい状態ではないものの、起床時・食後・身体を動かした時など、体温が上がると痒みに襲われます。

湿疹はひとつ、またひとつ
静かにゆっくり
気がつくと全身に広がっていきました。



病室の朝



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