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殴れなかった(たった1日の遍歴)

ボクシングが好きなもので、でも子どもの時分で「ボクシングやる」とは親には言えませんでした。
やっぱり「殴り合い」ですので。
大学に進学し、「もうこのタイミングだったらいいだろう」と思い、「同好会レベルだったら大丈夫かなぁ」と思い、大学のサークル一覧に目を通したら、
「ソフトボクシング同好会」
というのがある。
「ソフト? ソフトってなんじゃ?」
と思い、見学に行きました。

行く前のイメージとしては、
「ヘッドギアばっちり付けて、ボクシンググローブも超でっかい感じかな」
でした。

全然「ソフト」なんかじゃありませんでした。
ヘッドギアなしでガツガツやり合っているのを隣で見て、「自分には出来ぬ。向いてない」とあきらめました。
格闘技は大好きで、相撲も柔道もボクシングもすごくよく見ていたのですが。

「ちょっとやってみるかい?」
と言われました。
相手は180cmぐらい。「俺は打たないんで。避けるだけだから」と言われました。
私が着けたグローブは、薄! 綿がほとんど入ってない!

「ん〜」と心でうなりながら、ゴング。
手を相手の顔面に届かせようと思えば届きました。でも数センチ手前で手を伸ばすのをとめました。3分間、ひたすら空振りをし続けて終了しました。
終わってから相手の方が「そんな薄いので打たれたらヤバかったな」と言ってました。

直接殴るって、やっぱり自分には出来ないな。
と思ってリングを後にしました。

そういえば昔、テレビ番組で某有名芸能人が、超スーパースターのプロボクサーを相手にして、同じような事をしていたのを目にしたことがあります。
ひたすら体を振って避けるボクサーと、「当たらない」「当たらない」と言いながら笑いながら(苦笑しながら)空振りを続ける芸能人。

当時は「ボクサーってすげえな」と思っていたのですが、よくよく考えると、「芸能人も本気で当てには行けないよな」と思いました。その方はかなりスポーツが出来る方、当てようと思えば当てられたはずです。でも、それはやっぱり出来ないと思うのです。私だったらそう思います。

そうして大学では特段どこかのサークルに入る機会を逃し、図書館で映画を見て過ごす学生生活を送ることになります。それはそれでなかなかの勉強でしたが。

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至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。