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集合場所はご自由に

2020年、ライフスタイルが変わらなかった。
私は小児対象の訪問看護という仕事をしている、いつも通りの勤務が続いた、勤務内容も変わらない。一人暮らしなので自宅に帰ってからもいつもと変わらない状況、何も変わらな過ぎてむしろ取り残されている。
訪問先の利用者さん宅では、いつもと違う光景にたびたび遭遇した。平日の昼間、普段は家にいないお父さんと顔を合わすことが多くなった。お父さんたちの在宅ワークは様々、室内に閉じこもりガッツリ仕事をしているお父さん、お母さんと一緒に利用者さんのケアをしているそのすぐそばで電話をしているお父さん、庭に張ったテントの中で子どもの相手をしつつパソコン作業しているお父さんもいた。そして保育園、幼稚園、学校がお休みになり兄弟姉妹勢ぞろい、普段と違ってずいぶんにぎやかな訪問時間だったこともある。そんな中、ある利用者さんの弟(小学1年生)がZOOM越しに友達と遊んでいることがあった。
「ねえ、3時のおやつにしない?」パソコン画面の向こうにいる子に話しかけキッチンにおやつを取りに行く、画面越しに見せ合って食べ始める。全然違うおやつを食べながら、「おいしいね!」ニコニコしながらおしゃべりが続いている。なんて自然で楽しそうなんだろう、私はzoom越しに話すのってまだ慣れないんだよな、と思いながらケアをしていると今度はこんな会話が聞こえてきた。
「ねえ!戦いごっこしよう!」
戦いごっこ⁉ガンダムやシンカリオンのプラモデルを持ち出し画面越しにやりあっている。まさかzoomで戦いごっこが始まるとは思わなかった!

zoomの遊び方、自由だな...会えないからオンラインでって、話すだけじゃつまらないものね(笑)私も、zoomで話すだけじゃなくて一緒に走ったり待ち合わせできたランニングの時間、楽しかったな。

待ち合わせ場所は5時55分
5月のゴールデンウィーク、PLANETSCLUBランニング部の「朝の景色を共有するオンラインラン」として朝5:55にZOOM集合というイベントがあった。

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朝5時ぐらいから各々勝手に走り初めて、5:55にZoomでいったん集合。今、どんな場所にいるのかを共有しながら15-30分程度雑談して解散、という内容です。顔を映したくない方は、外向きのカメラで大丈夫です!
早起きだけど走らずに参加でもOKなので、お気軽にご参加くださいませ。

走る場所も距離も自由、その時間にどう走っているかもそれぞれでいい。
みんなと一緒に走るのは楽しい、ただ人によって走る速度や休憩したいタイミングは違う。そして一人なら、心惹かれるものがあったら立ち止まって眺めたり、写真を撮ったり、道中の自然や景色を味わいながら、自分のペースで走ることができる。でもずっと1人きりより、走り続けた先に誰かが待ってるってやっぱり嬉しい。時間になってzoomに入ると、スマホの小さな画面に様々な景色が映し出される。それぞれの場所で、それぞれの速さで、それぞれの距離の先に集えた、物理的には離れていても待ち合わせができる方法があった、それがこのイベントだったと思う。PLANETSCLUBは全国各地にメンバーがいる、オフ会で頻回に会うのは難しいことがある。今の状況が落ち着いても、続けていけたらいいなと思うイベントになった。

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突発!待ち合わせラン(オンラインもあるよ!)、家を出よう
今年後半になり、屋外での活動ならとランニング部ではオフ会の活動も少しずつ再開していた。そんな中、オフ会とオンラインが重なる待ち合わせランのイベントがあった。

みんなの走るを応援する、zoomで待ち合わせラン!お試しの初回は、私のランニングコースにお誘いします。
オンライン参加は、給水中でも目的地到着時でも寄り道中でもどこでもOK。時間内にzoomを繋ぐだけ。
参加のハードルがとっても低いので、初めての人も是非遊びに来てください!zoomは出入り自由なので、少しだけ覗きに来てくれても私が喜びます。それでは、待ち合わせ場所で待ってます。
オフライン参加の方は埼玉県新座市にある睡足軒の森で会いましょう!こちらも待ち合わせ場所で待ってます!

5月に、また出来たらいいなと思っていた想像通りのイベントになるんじゃないのかな⁉私の家からは5.5km、地図で確認するとほぼほぼ真っすぐの道のりだ。途中、最近お気に入りのランニングスポット浄牧院の前を通ることになる、少し早めに出て寄ってから行こうかな。2日前という直前にお知らせしたイベント、どんなカタチでどれくらいの人が集まるだろう?睡足軒(すいそくけん)の森はご近所のメンバーが走った報告で上げていた写真に写っていた古民家と美しい紅葉が魅力的だった、まだ紅葉は残っているのかな?いろいろな想いを巡らせてスタートした。それほど遠くない場所だ、気持ちにも余裕がある、こんな風に思えるくらい今年はいろいろな場所や距離を走ってきたなあと感じる。
睡足軒の森に着くと、すでに何人か到着している。ご近所のコースで顔を合わすことも多い人、いつもはオンラインでしか会ったことのない人、同じ市内に住んでいるランニング部のイベントでは初顔合わせの人、ほどなく、県境にご近所のメンバーも。一方、zoom越しには海が拡がっている、高台からの見晴らしの良い景色も見える、旅したい気持ちがちょっと、いやかなり刺激される。これから家を出るメンバーもいる、今ランニング部でブームが起きつつあるノルディックウォーキング中のメンバーも映し出される...こんなカタチで合流できるのもオンラインならではだろうか。
そして、みんなで走った先の景色を共有していると池袋方面から20km弱の道のりを走ってきたメンバーの姿が現れた、ここ睡足軒の森に。
道中は自分のペースで走るを楽しむことができる。そして目的地に向かうと誰かが待っている、誰かを待つことができる、一人のランニングでは味わえない楽しさがプラスされる待ち合わせラン。そして、待ち合わせをする、ということが、一人だとちょっとさぼってしまいたくなる走ることにやる気を与えてくれる。すぐそばにいなくても一緒に走ることができる。

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始まりに集う「みんなで一緒に家を出るラン」という企画もあった。出発時間にzoomに集合、準備体操を一緒にしてからスタート、スタート時にはzoom退出だ(笑)現地に集まるには時間的に難しかったり、荷物や走る前後の準備、家を出るまでが億劫だったりすることがある。そんな気持ちに寄り添って、まず家を出ることを誘ってくれる時間だった。

集うとか一緒、のカタチ
どのイベントもzoomに滞在している時間は30分ほど。
これまでも、テーマを決めたオンラインランはあったけれど、今年のランニング部でのイベントを通して、同じ場所を一緒に走らなくても、世界のどこにいても一緒に走り続けることができることをあらためて教えてくれたと思う。集まって一緒に同じことをするとか、いつでもつながっているとか、そういうことでもなく。群れずに集まって、個のまま一緒で、各地でそれぞれのまま、距離に関係なくできるおもしろいこと。でも、これは今年の状況に関わらずこれからもそうでありたい、可笑しな集合場所はどこにあるだろう。