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ちょびラン、ゆるラン、走るひと。

走るって楽しい。              こんなこと言っちゃう日がくるとは。
マラソン?ジョギング?ランニング?よくわからないけど走らなくていいです、私。わざわざ苦しいことをする意味がわからない…長年、そんな風に思ってた。でも宇野さんが話す走るは何だか楽しそう。ちょっと興味を持ち始めていた。実際に走り出したのはPLANETS vol.10の特集を読んだのがきっかけ。


「上田宇野対談のポイントは「走る」ことの価値をランナーの内面でなく、世界への関わり方に置いたことです。ここで僕らが挙げている「走る」快楽とは、要するに世界により主体的に関わる快楽です。走るということは、自分で世界を移動する速度を調節することです。時速5キロで歩くのと、時速8キロで走るのと、時速11キロで走るのとでは、実は全く世界の、街の見え方が変わります。僕は散歩も趣味なのですが、散歩は一つの街に深く潜る行為です。対して街を走る行為は、エリアとエリアとのつながり、流れを感じる行為です。この両者の差はデジタルなものではなくアナログなもので、移動スピードの変化に伴って変化します。つまり、「走る」ことは世界を見る目を自分の身体で調節しながら移動する行為なのです」「PLANETS vol.10」が100倍おもしろくなる全ページ解説集 より

「歩くと街に包まれちゃうけど、走ると街の流れを感じられる。」「僕の好きなランはもっとゆるく街を走ることで、それはつまり風景に溶け込むランなんですよね」
PLANETS vol.10 <戦争>と<平和>の現在形 より

走るがこんな風に表現されるなんて...新鮮だった、面白い!

いざ、スタート。でも最初はすぐにゼイゼイしちゃって、1~2kmすら走り続けることができない…とりあえずちょびっと運動した!な気持ちよさはある。宇野さんの言ってること?全然わからない(笑)そして、まだ全然走れないのに、みんなと一緒に走りたい!で参加を決めた2019年秋の軽井沢ハーフマラソン大会。参加を決めてから定期的に走るようになって、少しずつ長く走れるようになった…と思ったらビギナーお決まりのコース?膝を痛めることに。でも、そこはPLANETSCLUBのランニング部!走るのプロが、先輩たちがたくさんいた。足に合ったシューズ、フォームのいろいろを教えてもらって膝の痛みも解消。「平行四辺形」「トンッ」「全部前!」私の走るを変えたキーワードだ。5km前後を楽にゆるゆると走ることができるようになってきたかな。この頃は近くの川沿いで少しずつ距離を延ばす走り方だったから、季節や時間で変わる景色を楽しみつつ、すれ違うランナー観察を楽しんでいた感じ。走り始めて半年以上経過…身体を動かす爽快感だけではない気持ちよさがある気がしてきた。開放感、解放感、この感じは何だろう。

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軽井沢ハーフマラソンの1か月くらい前になってやっと10km以上走ることができるようになった。こんなに走れるようになるなんてすごいなぁー。残念ながら大会は台風の影響で中止に…でもここまで練習もしてきたし、年内にハーフチャレンジしてみたい!で、メンバーの方と参加することを決めた三田国際マスターズマラソン。なんとか完走、後半は足が痛くなってしまって意地で走り続けてたかな…時間切れで途中バスに収容されるなんて絶対にイヤだ!沿道は応援してくれる地元の人がたくさんいた、小さな子が笑顔でハイタッチ構えてる。コースも後半、ランナーはまばら、明らかに私を見つめている子ども達。一般市民ランナー、ちょっと選手気分でハイタッチしてみた、イェイ!マラソン大会も楽しいぞ…。

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そしてこの大会の後くらいに、走るペースを自分で調節できる感覚がやってきた。あと、ここなら…これ位なら…走って行けるかな?っていう考え方が出てきた。時間は気にしないゆるラン、時間ないけどちょっと走りたいからちょびラン(2~3km)、いつものコース(近くの川沿いをぐるりと5~6km)、練習モード、旅先でのラン。ランニング部のみんなのここ走ったよ!の報告にも刺激されて、いろんなとこを走りたいなって思った。

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年始のランニング部のイベント「新春ラン2020」は渋谷を走った。PLANETS10には「意外と走れる渋谷マップ」が載っていたけど、人が多くてゴミゴミしているイメージがどうしても強い渋谷。PLANETSのイベントやライブで行く以外は避けたい街だったな(ゴメンナサイ)。でも、年始のちょっと朝早めの渋谷は、ホントに意外と走れる街だった。何コレ、あんなに走るなんて苦行って思っていた私が、ライブに行くんじゃなくて走ってクアトロの前を通り過ぎた!(コレ、私の中のハイライト。コレ(カタカナ)表記なのは私の中ではクアトロ=ザ・コレクターズだからです。)センター街を走る⁉︎道玄坂やら宮益坂やらがあるのは知っていたけど、走ってみたらあちこちで渋谷の高低差を感じる。ちょっと離れたらお店が並ぶ雰囲気も静か。宇野さんのいつものコース、新国立競技場も見えてきた!代々木公園はランナーがいっぱい、伴走ランと初めてすれ違う。いろんな顔を持つ、いつもと違う渋谷があった…いや、違うのは私たちの渋谷との関わり方。街を走るっておもしろい!もちろんメンバーのみんなと一緒に走ったからというのは大きい。年が明けてからは、いつもの川沿いばかりじゃなくて街中も走ってみようと思った。

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街中を走る…こんな風に自然に街中を走れるようになったことは大きな変化。マラソン大会や体育の思い出しかないから、どこかをグルグル周るとか川沿いを走るとか、いわゆる「決まったコース」を走るっていう感覚しかなかった。だから、最初は走ると言っても、どこをどう走ればいいかわからなくて。え?道路走るの?車の側とか走るのやだ、歩いてる人もいっぱいいるし…。え?裏の方?だって、そこ普通の道じゃん…みたいな(笑) そんな普通の道が街と街をつないでいるのだ、そこを私は走りだしたよ。距離も時間も方向も自由でいいのだ~

街中を走る…走るスピードで目に入るものは何となく小さい「っ」がくっつく楽しさや軽快さを感じることが多いな。ふっと目に入るもの、あれっ?って今まで気にしなかったようなものに気づく、おっ!ちょっと引き返したり、わき道入ったり、ぐんぐん近づいてみたり。小さな見っけ。でも、それは特別なものでなくてそこにある誰かの、その街の日常の一部ね。季節や時間によっても変わる表情をあらためて感じている。今はそれがただただ楽しい。

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この1年半で、私の走るは少しずつ変わった。PLANETS10を久しぶりに読み返してみたら…街を走る楽しさ、私も今実感してる!

そして、ここまで走り続けられたのは、PLANETSCLUB のランニング部にいたからこそ。これからは、そんなランニング部のこと、走る×好きなもの、走る×コトバ、勘違いしていた走るのアレコレ、お気に入りのラングッズ、旅先でラン、などなど、「楽しい走る」を書き留めていけたらと思っています。

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