見出し画像

道具たち

子どもの頃から好きな漫画がある。
大人になっても、そして今でも好きな漫画。
その尊敬する漫画家にファンレターを送るといつも丁寧に返信をくださる。
そんなある日、銀座で個展をされるとのお便りを頂き初日に行った。
サイン会のときに図々しく名乗ったら「あぁ、君だったのか」と言ってもらえて嬉しくて調子に乗り使用画材を聞たところ惜しげも無く教えてくれた。
12色の絵の具
スーパーでも手に入る絵の具を使っていたという衝撃を受けて帰りに同じ絵の具セットを買い現在はそれにグレーを加え僕は13色の絵の具セットで描いている。

絵の具がお守り

画材が定まらなかった当時、あの日以来画材を変えてみようと思ったことは一度もない。
あんなにすごい絵が僕の手元にもある絵の具で描かれているのだ。
画材で上手になるわけではないけど
「大好きな漫画家と同じ絵の具を使っているから何も心配することはない」
これが僕の安心材料。

マスキングの反転

絵の具ともうひとつ欠かせないのがマスキングフィルム。
以前、鈴木成一さんの装丁塾に通っているときに現在の技法が思いついたと書いたが、僕はマスキングフィルムを多用する。
というかそれがないと絵にならない。
それまではマスキング本来の使い方で塗りたくない部分をマスキングで保護して背景などをスポンジで色を着けていた。
マスキングとスポンジは背景処理のための道具。
逆にそれらを使ってステンシルみたいに各パーツを切り抜いて色を着けられないのだろうか思いついたのがきっかけで今のやり方になった。

なるべくコンパクトにしたい

最上部の画像にもあるように画材が少ない。
絵の具と混色するための小筆、マスキングフィルムにデザインカッター。
スポンジと水入れ。
それに紙があればいいのでそれらを自宅と会社に揃えてある。
iPadはラフで使用。
紙は基本A4サイズのケント紙。毎日原画を持ち歩くため大きいサイズだとリュックに入らない。それに大きなものを描くにはマスキングの範囲も広がるためコストがかかるのと、塗りムラができやすいので仕事用はA4サイズにしている。
自宅じゃないと作業ができないという縛りが嫌なので画材を増やさないようにしているところもある。

この絵の具を使い続けて丸10年が経ち、ようやく思い通りに混色ができるようになってきたり、マスキングを駆使して重ね塗りができるようにもなってきた。でもまだまだ。
もっともっと研究が必要です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?