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どうしてマーケティングと出版2つの事業をやってるの?

こんにちは。339PLANNING広報のEmikoです。

この記事では、SNSやWEBを使った広報について、気になることやわからないことを、社長の今野正輝(通称こんちゃん)に読者目線であれこれ質問し、皆様にわかりやすくお伝えしていきます。

今回のテーマは、
『どうして339はマーケティングと出版を同時にやっているの?』です。

広告代理店なのに、本の出版も行っている339。「マーケティング(広報)」と「出版」は別物というイメージがあるのに、2つとも同時に手掛けていることが、ずっと不思議だったんですよね。

そこで早速、こんちゃんに聞いてみました。



まずは「本」に対する概念を変えよう

Emiko:
本音を言うと、こんちゃんはよく「出版は広報になる」と語っていますが、正直よく飲み込めてないんですよ。
広告代理店なのに出版もやっているのはわかるけど、それって大変じゃないの?と思ったんですよね。

例えて言えば「そば屋がそばを打ちつつ、パン生地も練ってて、そばを茹でながらパンも同時に焼いて、そばとパンの両方売ってます!」みたいなイメージですよ。どうもスッキリしなくて、モヤモヤするんです。

こんちゃん:
あはは。面白い例えですね。
ちなみにEmikoさんは、出版というとどんなイメージがあります?

Emiko:
うーん。すごく大変なことで、お金もかかる。
あと、立派な肩書を持っていらっしゃる方じゃないと本は作れない…という感じかな。多分「売れる本を作らなきゃいけない」というイメージが強くあるんだと思います。

だから、自分が本を出版するという発想は簡単に出てこないし、そもそも「出版」に縁がない人がほとんどですよ。

こんちゃん:
なるほどー。そりゃあそうですよね。
同じマーケティングを仕事にしている人でも「出版が広報になる」っていうのはしっくり来ないって人は、いらっしゃいますからね。
たしかに他に誰もやっていないことだし、みなさん馴染みがないから、イメージしにくくて理解できないことは確かです。

だけど、ぼくの感覚では、X(Twitter)・Instagram・YouTubeの横に「出版」が並ぶ感覚なんですよね。

Emiko:
えっ?SNSと同列で横並びですか!
本ってSNSみたいに簡単にできるものじゃないし、お手軽感が全然ないですよ。はじめたら最後、メッチャ大変そうじゃないですか。
そんな簡単に作っても「売れなかったらどうしよう…」と心配になります。

こんちゃん:
やっぱり出版って1000部とか印刷して在庫抱えて、本屋さんは大変そう…ってイメージがありますからね。
でも、実はここ数年、Amazonが提供する仕組みを使ってKindleとして自分で本を出版できるようになって、出版の敷居がすごく低くなったんですよ。

あと、出版した本の印税だけで生活してる人って、実は本当にごく一部なんですよね。

Emiko:
なんと!ベストセラーを出せばガッポリ儲かると思っていました。

こんちゃん:
イメージはそうなんですけど、本を執筆した収入で生活するというよりは、本で自分を知ってもらうっていう方が正確なんですよね。
例えば、本を読んでくれた人が、本を介して自分のことを知ってくれて、そこから講演会や講師依頼の話が来るとか、次の仕事の機会につなげていくという感じです。
つまり、本を出したり、本を売ることを目的にするんじゃなくて、自分を知ってもらうツールとして本を使う
「本を広報の手段の一つにする」ということなんです。


AIDMAで「出版は広報」を考える


Emiko:

「本は広報になる」というのはわかってきたんだけど、「本がSNSと横並び」というのが、まだイマイチよく飲み込めていないんですよ。もうちょっと具体的に教えてもらえませんか?

こんちゃん:
わかりました!モノを買う流れを枠組みとして当てはめてみると、下の図みたいな形になります。
これは、AIDMA(アイドマ)と言うんですが、消費者の購買決定プロセスを表したモデルです。

著者を知ってもらうための流れを、この図に当てはめると、

製品を知ってもらう(Attention)
→339の出版出版事業だと、著書はもちろんのこと著者や著者のサービスも知ってもらう。
興味を持ってもらう(Interest) 
→例:SNSでよく流れてくるので目に留まる→気になる→興味を持つ。
欲しい(読んでみたい)と思ってもらう(Desire)
覚えてもらう・思い出してもらう(Memory)
→例:Amazonでカートの入れっぱなしで買っていなかったという時に、SNSで流れてきたのを見て「あっ!」と思い出す。また、必要な状況になった時に「そうだ、SNSで流れてきたアレを使ってみよう」と思い出す。
買ってもらう(Action)
→書籍や著者のサービスを購入する。

…というプロセスをたどります。

で、出版に対する既存のイメージは、いきなり⑤の行動段階を目指さなきゃいけない…みたいなところがあったと思うんですよ。
出版したら、とにかくたくさん買ってもらわなきゃ!みたいなね。

Emiko:
はいはい!そうです!その通りです!(大きくうなずく)

こんちゃん:
でも、それより本を①や②の段階のツールとして使う。つまり、本や伝えたい想いを通じて自分のことを知ってもらったり、自分に興味を持ってもらうための手段として、出版を使ってみたらどうですか?…ってことなんですよ。

Emiko:
あああーーーー!なるほど!
本の出版というと「買ってもらう」ことが目的で、それでお金を稼ぐんだ!と思い込んでいました。
そうじゃなくて、出版の目的を「自分を知ってもらう」「興味を持ってもらう」にシフトするってことなんですね!

「たくさん売る」が目的だとノルマがあるから、売れないとつらくて苦しくなるけど、「たくさん知ってもらうためのツール」だと割り切れば、もっと楽に本を扱えるし、カジュアルでラフな感じがします。

こんちゃん:
そうそう!その通りです!(笑顔)
このAIDMAは、インターネットやSNSが拡がる以前に考えられた枠組みなので、次はよりSNSやWEBに最適化した枠組みでも考えてみましょう!


さらにAISASで「出版は広報」を考える


こんちゃん:

次はAISAS(アイサス)というものです。
これは2000年代以降に登場したマーケティング理論で、さっきのAIDMAと同じく消費者が商品やサービスを購入(利用)に至るまでのプロセスを表したモデルです。

先ほどのAIDMAは、実際の店舗などでの購入を想定した考え方なのですが、次のAISASは、インターネットで買い物をした場合の購入行動モデルになります。

ここでも、著者を知ってもらうための流れを、この図に当てはめてみますね。

広告やSNS等のメディアを通して、著書や著者について知ってもらう(Attention)
興味を持ってもらう(Interest)
③著書や著者について検索エンジンやSNS等で調べてもらい、購入を検討してもらう(Search)
購入してもらう(Action)
⑤期待以上の価値を感じたら、SNSでシェアして拡散してもらう(Share)

こんな感じで、ネットでお買い物をする際には、皆さん、無意識にこういう行動をしているんですよ。
さっきのAIDMAと少し違う点は、本の場合、①Attentionや②Interestだけでなく、③searchの段階があることです。

ここでEmikoさんに質問なのですが、例えば、Emikoさんがお家の収納術の本をAmazonで買うとしたら、最初にどんな行動をしますか?

Emiko:
うーん、そうだなぁ。まず、Amazonのサイトを開いて「収納術 本」で検索します。それで出てきた検索結果をザーッと見て、気になる本を見つけたら、クリックしてその本のページを開きます。

こんちゃん:
なるほど。ちなみに商品ページでは、最初にどこを見ますか?

Emiko:
本の説明にササッと目を通してから、やっぱり口コミかなぁ。口コミは必ず読みますね。

こんちゃん:
口コミ、気になりますよね。ぼくもです笑
この「興味をもったことについて、口コミを見たり、いろいろ検索して調べてみる」という行為が、実は③Searchなんですよ。

Emiko:
あー!なるほどね。これが③Searchなんだ。Amazon以外でも、オンラインショップを検索して調べたり、製品についての記事を読んだり、他の会社の製品と比較したりしてチェックするのも、Searchなんですね。

こんちゃん:
そうなんです!
さて、口コミを見たり調べてみて、実際に買ってみたとします。その本がすごく良かったら、次にどうしますか?

Emiko:
良くて気に入ったら、シェアしたくなりますよね。写真を撮ってTwitterやInstagramでシェアしたり、noteで「買ってよかったもの」記事を書いてご紹介したり、知り合いにもおススメしたくなります。

こんちゃん:
ほらほら、そうでしょう笑。価値がある本だな〜と感じたら、シェアしたくなるじゃないですか。
これがAISASでいうと⑤Shareになります。

Emiko:
おぉーーー!

こんちゃん:
とまぁ、こんな感じで、Emikoさんがネット通販でお買い物する時の一連の行動って、実はAISASの流れなんですよ。

Emiko:
なんと!私のお買い物パターンってAISASそのものじゃないですか笑
メッチャ恥ずかしい…
でも、すごくわかりやすかったです!

こんちゃん:
例えば、フリーランスの人が自分の仕事に関する本を作って、Kindleで売ったり、紙の本を作って配ったりすれば、それを読んでくれた人が「この人はこんなことをしているんだ」と知ってもらえるんですよね。

それに本を気に入ってくれたら、SNSとか口コミでシェアしたくなる。
このサイクルを生み出す手段として「本を通じて自分を知ってもらう」っていうことを、ぼくはおすすめしています。

Emiko:
ひゃー!なるほど!
そうか…。「売らなきゃいけない」から「自分を知ってもらうツール」へ、これは意識改革が必要ですわ。

でも、ここで出版に対する概念を「売らなきゃ」から「知ってもらおう」に変えたら、何だか気持ちがすっと軽くなりました。

あっ、この肩の力が抜けた感じが、SNSに似ているんですね!

昔の出版の感覚だと「本は格式高くて重い」イメージだったけど、本を「自分を知ってもらう道具」として見たら、SNSと同じくらい肩の力が抜けた感じがします。あぁ、だからSNSと横並びになるのか。ガッテンしました!

「出版は広報である」は未来のカタチ

Emiko:
いやーすごいなぁ。ところで、そもそも、どこで「出版は広報だ!」とひらめいたんですか?

こんちゃん:
ぼくはもともと本とか音楽、映画とかコンテンツと呼ばれるものが好きなんですけど、WEBマーケの支援の仕事をする中で、そういうコンテンツの力を使って、ぼくが魅力的だなーと感じる人や事業のストーリーとかサービスを伝える事業もやってみたいと思っていたんです。

その時にオンデマンド出版の仕組みを知ったっていうことが、今の出版事業(339BOOKS)のきっかけですね。

Kindleのオンデマンド出版を利用すれば「電子書籍」も「紙の本」も両方作れることを知ったんですよ。そこで「なるほど。この仕組みなら、本を広報の手段としてリスクを小さくはじめることができる」って思ったんですよね。

あとは実際に出版をやっていく中で「広報の手段として有効だ」ということを実感していったということもありますね。

Emiko:
今日のお話はすごく勉強になりました!謎が解けてスッキリしました。

こんちゃん:
よかったです!Emikoさんみたいに出版を身近に感じてくれる人が増えてほしいと思っているので、うれしいです!

ちなみに、冒頭の「そば屋がパンも焼いて売っている」という話に例えるなら…
「そば」と「パン」という全く別のものを同時にやっているのかと思いきや、そうじゃなくて、そば打ちで培った小麦やそば粉など「粉もの」を扱うノウハウや経験を生かしてパンを作っている…という感じですかね。

これを339に当てはめると、WEBマーケ=ブランディングの支援をやってきた経験があったから「出版を広報」として捉えることができた…という訳です。

Emiko:
なるほどなぁ。従来の常識を越えた新しいスタイルだから、感覚的にまだ慣れていなくて、それでモヤモヤしていたのね笑。
だけど、これを長く続けていけば、だんだん認知されて広がっていき、いつか定番メニューになるかもしれませんね。

こんちゃん:
そうなんです!
だから、ぼくも「出版は広報」という価値観がみんなに知ってもらえたらいいなと思っています。


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