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ひとり出版社が出版した本を国会図書館に納本してみた

こんにちは。339PLANNINGのこんちゃんです。

先日、新刊「こそだてカメラ手帖」を出版しました。

出版社が本を出版すると出版社が必ずやることがあります。

それが国会図書館への納本です。
今回は先日出版した「こそだてカメラ手帖」を国会図書館に納本に行ってきたので、納本の流れとともに納本の様子を紹介します!


国会図書館に行く前に

そもそも納本制度ってなに?

国内で出版された出版物を国会図書館へ納める制度を納本制度と言います。

「納本制度」とは、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者等に義務づける制度のことです。わが国では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。

納本された出版物は、現在と未来の読者のために、国民共有の文化的資産として永く保存され、日本国民の知的活動の記録として後世に継承されます。

国立国会図書館HPより

ざっくりいうと国内で出版された書籍を国会図書館が集めて文化的資産として保存するための制度です。

納本するとどうなるの?

国立国会図書館へ納本をすると、2ヶ月ほどで国立国会図書館のデータベースに反映され行政・司法各部門の支部図書館を通じて利用が可能になります。同時に国会図書館利用者の方が館内で本を閲覧することができます。

オンデマンド出版の納本の基準

納本の基準として、一般の出版物として100部刊行されていることという基準が設けられています。出版社側の視点でいうと100部以上を書店などに売った実績がある本ということですね。

また339PLANNINGのようにオンデマンド出版で刊行部数が決まっていない出版形式の場合は場合は、15部が実際に頒布されたことを基準とします。

納本の種類について

国会図書館の納本には納入出版物代償金を受け取る納本と、寄贈(無償)の2種類があります。

納入出版物代償金は「出版物の小売金額に対して5割」と定められています。
納入出版物代償金を受け取るか寄贈のどちらを選ぶかによって指定の書式が変わるので、ここは最初に決めておきましょう。

納本の方法

納本の方法は郵送納本カウンターへ直接持ち込む2つの方法があります。
郵送の場合は事前に電話をして規定の書類を取り寄せることが必要です。規定の書類を記入し、本を同封して郵送することで納本が可能です。

今回は直接納本カウンターに伺って、納入出版物代償金を受け取るという形で納本してきました。

納本の持ち物

今回の形で納本をする場合には、

  • 法人銀行印

  • 代表者印鑑

  • 銀行口座の番号がわかるもの

  • 本に販売価格が書かれていない場合、価格を証明できるもの

本の価格を証明できるものとして、うちの場合はAmazonの販売ページを印刷して持っていきました。

東京本館の納本窓口は、本館西口から入った西側1階の納本カウンターにて納本を行います。

納本前に確認することをまとめると

納本の際の注意点としては、

・代償金の受け取りの有無によって書式が変わる
・代償金を受け取る場合は必要な持ち物がある
・郵送の場合は書式を取り寄せる必要がある
・納本カウンターの場所が利用者の入り口と異なる

といったものがあるので、もしはじめて納本する場合は、まずは担当の収集第一係にお電話することをおすすめします。

国会図書館に納本してみた

国会図書館は東京都千代田区の東京本館、台東区にある国際子ども図書館、京都府にある関西館があります。

今回は東京本館に納本に行ってきました。

最寄り駅は永田町国会議事堂前駅など複数ありますが、今回は国会議事堂前駅で下車。1番出口から出ると近いです。

出口を出たら国会議事堂を右手に見ながらまっすぐ進んでいきます

10分ほど歩くと国会図書館に到着。
本館西口は職員の方が使う通用口と同じ入り口を通るので、入り口で名前と企業名を記入し入館者用のバッジを受け取ります。そのまま突き当たりまで進んだところが納本カウンターです。
※セキュリティ上の理由で納本時の写真撮影などはNGです。

出版物の納入義務は1冊ですが、東京本館、関西館の2館での所蔵を希望する場合は2冊を納入します。

規定の書式は納本カウンターで用意していただけるので、所定の書式に記入し本を納入します。

納入後、国立国会図書館のデータベースに本の書誌データが作成・登録され2冊納入した場合はそれぞれ、東京本館と関西館で保存されます。同様に納入出版物代償金も2ヶ月程度で振り込まれます。

本を納入すると納本受領書を受け取り、納本は終了です。

納本受領証


毎回、納本に行くたびに東口(本館・新館入口)で新刊と国会図書館の看板と一緒に写真を撮るのが恒例。今回はおしごとカメラ手帖といっしょにシリーズでパシャリ。

国会図書館本館東口にて

納本してみて

総務省統計局の調査によると、現在日本では年間約7万冊の本が出版されているそうです。毎回納本をするたびその7万冊の1冊に仲間入りしたんだなーという実感が湧いて、出版プロジェクトの一つの節目を感じています。出版事業をはじめてからいろんな初体験を経験しましたが、その中でも納本は一冊の本のプロジェクトの完了を実感できる特別なイベントです。

はじめて国会図書館の名前を聞いたのは小学生の時で、日本中の本がある場所と聞いてすごくワクワクした記憶があります。でも興味はあるけど、なかなか行く機会がないまま大人になってしまいました。まさかはじめて国会図書館に行く理由が納本というのは自分でもおどろきでしたが、念願の国会図書館に行けたときは感慨深い気持ちになりました。

18歳以上であれば誰でも利用できるので、国会図書館行ってみたかったなーという方はこの機会に行ってみてはいかがでしょうか。

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