プリンセス

最高の相性を探すラブコメ 映画「ときめきプリンセス婚活記」 #93

テレビで「今日の運勢は~」と語られる星座占いは、毎日のちょっとした楽しみです。「ラッキーカラーは白」と言われると、じゃぁ白のシャツを着て出かけようかと思ってしまう。そんな日に限って、ランチにカレーうどんを食べに誘われるんですよねー。

日本では星占いが多いですが、韓国で多いのが「干支」と「四柱」です。「四柱」とは、生年月日と時刻によって、陰陽五行が定められるという考えに基づき、運命や性格を判断します。ソウルの街角でも「四柱」と書かれた看板をよく見かけます。

「四柱」を占うタイミングは、生まれた時と結婚する時が多いそう。結婚相手の「四柱」を手に入れて相性を確認したところ、「相性が悪い」と言われてしまって親に反対されている、なんて話も昔はよくあったそうです。

迷信でしょ?と思うかもしれませんが、「四柱」は韓国ドラマにも、映画にも登場します。

そのひとつ、イ・スンギとシム・ウンギョンがダブル主演した映画「ときめきプリンセス婚活記」を紹介します。

日照り続きで苦しむ民。王は、陰陽の均衡の崩れが原因との進言を受けます。バランスを正すには、娘であるソンファ姫を結婚させるのがよいと言われ、婿選びが始まるのですが、姫は自分で花婿を審査したいと宮を抜け出してしまいます。

花婿候補の4人に直接会いに行ったところ、イケメンな外見とは裏腹な候補者たちに失望する姫。実は、子どもの頃から「ブサイク」「悪運がつく」と、ずっと中傷されてきたのですが、これが占いを用いた陰謀だったことが分かり……、というお話です。

ホン・チャンピョ監督の長編デビュー作、イ・スンギが入隊する直前の作品です。撮影は2015年に終わっていたにも関わらず、2018年まで公開されなかったことから、イ・スンギの兵役タイミングに合わせたのでは……なんて話も出ていたようですが、真偽のほどは分かりません。

この映画は、昨日ご紹介した「観相師」に続く、易学3部作の2作目にあたります。

易学とは、中国の儒教経典の一つ『易経』の解釈学で、日本では「周易」という易法が知られているそうです。筮竹をジャラジャラする占いといえば、分かる方もいるかもしれませんね。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉の元にもなっています。

イ・スンギ演じる朝鮮最高の監察官(占い師)ソ・ドユンは、始めの頃は知識を誇るように占いをしていますが、友の豹変、権力者の私欲という、占いの「負の側面」を目の当たりにすることになります。


ちょっと脱線して、わたしの経験を。
以前、「この人とずっと一緒に仕事して大丈夫なんだろうか?」と思っていたところに、ちょっとしたモメゴトに巻き込まれてしまいました。そこで何度かお世話になっていた占い師さんに話を聞いてもらおうとしたのですが、予約がとれず、仕事場の近くにあった占い師さんのところへ行きました。

タロットカード占いの専門家で、何枚かカードを引いて現状と対策を聞いたんです。お店を出たところで、もともと行きたかった方の占い師さんから電話があり、今からなら話を聞けるよとのこと。急いでその先生のところへ行って、再びタロットカードを引きました。

5枚ほど引いたカードは、さっきとすべて同じ。

先生には言いませんでしたが、内心驚愕していました。「この人と仕事をしても得られるものはない」と言われたので、ギャラの不払いも追求せず、仕事を打ち切ることを決めたのですが。

同じカードを引いても、ふたりの先生の伝え方はちょっとニュアンスが違いました。どちらを信じるかという話になってしまうのですが、占いも結局は技術なため、結果を「どうよむか」よりも、「どう活かすか」の方が重要なのかもしれないと感じた出来事でした。

それは映画の中の天才占い師ソ・ドユンにも当てはまります。人の運命を左右する「四柱」の見立て。それは国家の命運をも変えてしまう……ような話だったらよかったんですけど。

20代を代表する“ヒットメーカー女優”であるシム・ウンギョンと、歌手としても俳優としても大人気のイ・スンギという組み合わせ。ではありますが、「観相師」ほどのドロドロ感はなく、「ラブコメディ」として楽しむのが正解かもしれません。

シム・ウンギョンは「新聞記者」はじめ、日本映画にも進出していて、夏帆と共演した「ブルーアワーにぶっ飛ばす」が公開されたばかりです。

一方の易学3部作は、「観相」「相性」「明堂」があり、その3作目「風水師 王の運命を決めた男」が10月25日に公開されます。顔、生年月日ときて、今度は「土地」です。チョ・スンウ主演とのことなので、こちらは期待できそうです。

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