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朝からビール。もう充分大人ですから

4月からの無職の日々で、気づけば体重が大台越え。

ノックしても開かないドア、叫んでも届かない声、歩いても歩いても出口が見つからない。息ができない~、が、食欲は衰えず。

1年前の今頃は、朝食前に7Kmのジョギングが日課だった。今年は念願のホノルルマラソンに参加し、今時分は達成感に包まれながら、青い空、青い海を眺めながらビーチに寝っ転がっているはずだった。

今朝はどうにか6時に起き。久しぶりにジョギング開始するも、直後、ウォーキングに変更。「挫折をマイナスととらえないこと」そうね。こんな日もある。早起きした自分をほめてあげよう。100mは走ったぞ、エライエライ。

ジョギングを始めた頃、怠惰な生活に新しい習慣を定着させるのが一番大変なことだった。それまで、毎晩2時か3時に寝て、7時過ぎにようやく起きるという生活だったから、辛いのなんのって。試行錯誤の上辿り着いたのが、ご褒美。

どれだけタラタラ走りでも、両足が一瞬でも地面から離れるという動きは、体に結構な負荷がかかる。1kmも走ると体の中で次第にモードが変わっていく。3km走るとすっかりエンジンがかかり、呼吸と相まってリズミカルな安定走行モードになる。みみずはようやく走っているレベルのランナーなので、それ以上頑張ったりはしない。トロトロのペースをひたすらキープ。それでも、5~7Km走り終わると汗だくで、やり遂げた感は半端ない。朝からこんなに頑張った私に、ご褒美は当然でしょう。

で、ビールです。朝からです。

これが美味い美味い。さわやかな朝、朝日を浴び、小鳥のさえずりを聞きながら、いい汗かいて、充実したひと時。グウーッとやる一杯が美味しくない訳ないでしょう。Tシャツを着替え、まな板の脇に缶ビールを置き、朝食の支度にかかる。サラダでも、納豆ご飯でも、何でも有り。消費カロリー300とか出てたから、罪悪感はまるでなし。

朝から酒かい?と言う、世の中の教育委員会的なご指摘を頂戴しそうな問題に関しては、もう充分大人ですから、良い子はそろそろ卒業と言うことで。ちょっとした悪徳の香りは、程よいスパイスになり、幸福感がいや増すことにも気が付いた。

ほろ酔い気分で電車に乗ると、見慣れた景色も輝いて見え、スマホをいじくる不愉快な客にも寛大になれる。職場に着くと、潤滑油が行き渡った状態でスムーズに仕事を始められる。

が、仕事もなく、行くあてもない毎日。ホノルルは言うに及ばず、朝起きる意味すら分からなくなりそうだ。

目覚まし時計を止め、布団の中で逡巡する。起きるべきか、否か。そして決断する、「そうだ、起きてビール飲もう」


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