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三陽スピリッツ:「本当に勇敢な人間」

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 新渡戸稲造(『武士道』の著者)の言葉
  本当に勇敢な人間は、常に冷静であり、
  物事に動ぜず、何物にも精神の落ち着きを
  乱されることはありません
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 新渡戸稲造は、19世紀末に米国で刊行され、ルーズベルト大統領が感銘を受けるなど、世界的ベストセラーとなった名著『武士道』の著者です。「なぜ日本には宗教教育がないのに、道徳を教えることができるのか」という知人からの問いがきっかけで『武士道』を著したと言われています。 彼は5歳の時に父を亡くしますが、賢母として名高かった母の教育でスクスクと育ち、祖父のすすめで上京。13歳で東京英語学校に入学。その時生涯の友となる内村鑑三、宮部金吾と出会い、共に札幌農学校に入学します。その後洗礼を受けクリスチャンになった新渡戸は、東京大学を経て、ドイツやアメリカなどに留学し、世界で見聞を広めたのでした。
 留学を終えて札幌農学校で教鞭を執るようになった新渡戸は、過労から強度のノイローゼを患います。そして札幌農学校を辞職し、鎌倉、沼津、伊香保、さらにはカリフォルニアで療養生活を送りました。新渡戸にとってはまさに人生のどん底でしたが、ちょうどその頃に世界的な名著『武士道』を書き上げたのです。
 新渡戸は大病を患い、絶望に打ちひしがれる日々を送っていましたが、「病気も修養の種にすればよい、病からも得るものはある」と病気に対する視座を高めることで、自分の運命を大きく変えることができたと言われています。新渡戸の心の奥底を探れば、苦境にありながらも「太平洋の橋となる」という自己の使命を『武士道』の執筆という形で果たそうとしたのです。新渡戸は『武士道』を通じて、大きな世界の動きの中で西洋社会に対して日本人の精神を伝えようとしました。「本当に勇敢な人間は、常に冷静であり、物事に動ぜず、何物にも精神の落ち着きを乱されることはない!」という言葉には、日本人こそこの勇敢な人間であるべきであるという、新渡戸の強い意思を感じます。
 新渡戸が誇る『武士道』精神を尊び、何事にも勇敢に立ち向かうことのできる凛々しい“日本男子”であることを、三陽生には常に心がけてもらいたいと思うのです。

人間力向上しても委員会:KY先生(ペンネーム:困難好きなYoutuber)

福岡の中高一貫校で「令和の日本型教育実践校 No.1」を目指しています。サポートよろしくお願いいたします。