個人的80年代アルバムベスト日本編

Twitter上でフォローさせて頂いている方が企画されてたやつなんですが、僕自身"80年代アルバムベスト"ってなんだろう?と考えてみた。1982年に中学1年になった僕は、漁るようにFMラジオを聴き、エアチェックしまくりだった。当時はNHK-FMなんかで、アルバム丸々かかってたり来日公演のライヴ音源なんかも放送されたりしてた、中々良い時代。そんな中から当時リアルタイムで聴いていて、後に作曲や音楽制作、多重録音にミキシング、はたまたDJなんかにも影響を受けたものという視点で日本の作品を30作選んでみました。きっと何か選び忘れているものもありますが、今パっと思いつく作品で。やはりYMO関係が多くなってしまうので、矢野顕子さんや大村憲司氏、松武秀樹氏、それにPizzicato FiveやWorld Standard、冨田勲氏、Moonridersのメンバーのソロ作等敢えて選ばなかった。

《1980》

高橋ユキヒロ 『音楽殺人』

80年代の幸宏さんのアルバムは、どれも好きな作品ばかりなのですが、やはり一番お洒落なこのアルバムを。

高橋幸宏 音楽殺人

Sandii 『Eating Pleasure』

赤い服になってからの『ルパン三世』のエンド曲「ラヴ・スコール」を歌っていたサンディー鈴木譲のソロ・アルバム。この時既に夕焼け楽団とくっつき、Sandii & The Sunsetzとしての活動も始まっていた。

以前西麻布のBarで偶にお会いしていた実際のサンディさんも、このジャケット通りの色気たっぷりのステキなお方であります。あの声で名前読んでもらえるなんて、嬉しすぎでありますよ。

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《1981》

The Beatniks 『Exitentialism ~ 出口主義』

YMOの高橋幸宏さんと、Moonridersの鈴木慶一さんによるThe Beatniksのアルバムは、やはりこの1枚目。

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寺尾聡 『Reflections』

言わずと知れたあのヒット曲3曲が収録されたアルバム。個人的には冒頭の「Havana Express」や「渚のカンパリ・ソーダ」の方が好きだったりする。そしてラストに収録の「出航 - Sasurai」は、George Harrisonの「Far East Man」と並ぶ男の唄。

寺尾聡 Reflections


《1982》

土屋昌巳 『Rice Music』

一風堂の土屋昌巳氏のソロはどれも良いのですが、Brand XのPercy Jonesや、JapanのMick KarnにSteve Jansen、YMOの坂本龍一氏にMelonの中西俊夫氏等多才なゲストも参加の最初のソロ。

土屋昌巳 rice music

Testpattern 『Après-Midi』

Testpatternを含め、¥ENレーベルの中間音楽のシリーズ、InteriorとInoyama Landのアルバムは、今も愛聴しております。

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《1983》

Yellow Magic Orchestra 『Service』

YMOのアルバムって、どれか1枚選ぶのって難しいのですが、実はこのアルバムが一番好きだったりします。

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《1984》

細野晴臣 『S-F-X』

80年代の細野さんのアルバムも好きな作品ばかり。どれか一枚となると、『Omni Sight Seeing』も良いけど、この過剰なまでの作り込みの『S-F-X』には、もの凄く影響を受けた。正にO.T.T(Over The Top)。

細野晴臣 s-f-x

Moonriders 『AMATEUR ACADEMY』

Moonridersのアルバムは、『マニラ・マニエラ』も『青空百景』も『Animal Index』も『Don't Trust Over 30』も好きだけど。やはりこのアルバムが一番好き。初めて彼らのライヴを観たのも、このアルバム発表時のライヴ。

moonriders アマチュアアカデミー

一風堂 『Live & Zen』

一風堂のアルバムは、初期のニューウェイヴC玉(魂)全快なのも良いのですが、やはりライヴも観に行ったのでこのライヴ盤を。サポートにBrand Xのバカテクなベース奏者Percy Jones、そして元JapanのSteve JansenとRichard Barbieri。前座はThe Modsでありました。

一風堂 live and zen

Takumi (岩崎工)『Fragments of Time』

FilmsやTPOの鍵盤奏者岩崎工氏のEP。B面収録の「Wayane Karnu」は、大友克洋氏のアニメーションと共に、キャノンのカメラのCMで使われておりましたね。

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《1985》

立花ハジメ 『太陽さん』

ハジメさんの作品もどれも好きなのですが、個人的にはこれが一番好き。ピクチャー盤レコードだったりしてアート性も高いし。音もキッチュな感じ。

立花ハジメ 太陽さん

Shi-Shonen 『Singing Circuit!』

日本のポップス史に輝く、名テクノポップなアルバムの1枚。Van Dyke Parksの『Song Cycle』への日本からの回答的作品。マジカルでミステリーなきらびやかなテクノ。カンペキであります!

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越美晴 『Boy Soprano』

¥ENレーベル時代の越美晴さんも好きですが、やはりNon-STANDARDからのこのアルバムが一番好き。まじで越美晴さん天才!ですよ。

越美晴 boy soprano

RA 『Visions』

越美晴さんのバックを支えてきたバンドTuTu(鍵盤は川島バナナ氏)のギター奏者でもあるRA氏のミニ・アルバム。サンプリングを多用したエクスペリメンタルな作品でありますが、未CD化。そろそろ海外のレーベルが発掘して再発するのでは?と密かに思っているのですが…

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坂本龍一 『Esperanto』

坂本さんのアルバムは、『千のナイフ』も『B-2 Unit』も『音楽図鑑』も『Beauty』も好きなのですが、実はこの実験的なアルバムが一番好き。Yas-Kaz氏のパーカッションと、ザクっと切り込んでくるArto Lindsayのギターがカッコ良過ぎる。

坂本龍一 esperanto


P-Model 『カルカドル』

P-Modelは『ポプリ』も『Perspective』も『Another Game』も好きなのですが、この4-Dの横川氏が参加したアルバムが、なんとなく異質な感じがして好き。

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EP-4 『結晶変化 ~ The Crystal Monster』

このユニットは『昭和大赦 ~ Lingua Franca-1』や鶏ジャケの『Lingua Franca - X』の方が人気かもしれませんが、個人的にはこのWAVEから発表されたEPが好き。カッコいい!

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《1986》

Friends Of Earth 『Sex, Energy & Star』

細野晴臣氏がアンビエントに行く前の最も過剰だった時期に発表されたアルバム。同時期に発売された坂本龍一氏の『未来派野郎』よりも、断然こっちの方が好みでありました。

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パール兄弟 『未来はパール』

パール兄弟は次作の『パールトロン』も好きなのですが、このデビュー作にワクワクした想い出が。バカヤロウって言ってくれよぉ♪

パール兄弟 未来はパール

PiNK 『光の子』

このバンドもそろそろ再評価をされても良いのでは?

Pink 光の子

中森明菜 『不思議』

不動のアイドル人気真っただ中の21歳で、こんなゴスでニューウェイヴなアルバムを発表した中森明菜譲、とんでもない才能でありますよね。当時聴いた時に、これ本当にアイドルのアルバムなの?と思ってしまうくらい歌が奥に引っ込んだアレンジに驚いた。バックを務めるのはTAOの面々。

中森明菜 不思議

Vow Wow 『III』

Vow Wowって、何故かこのアルバム迄は好きなんですよね。これぞヘヴィー・メタル!って感じの重厚さもあって。これを聴いてた当時、まさか10数年後にヴォーカルの人見元基氏と一緒にプレイする日が来るなんて思ってもいなかった。

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《1987》

鈴木さえ子 『Studio Romantic』

鈴木さえ子さんのアルバムも、どれも甲乙つけられないくらい好きなのですが、ジャケもステキでタイトル曲はいつかカヴァーしたこのアルバムを。XTCのAndy Partridgeやdave Gregory、コンパクト・オーガニゼーションからVirna Lindtも参加。

鈴木さえ子 Studio Romantic

Real Fish 『4 -When the World Was Young-』

Real Fishのアルバムは、今の気分で選ぶとこの3作目。テクノなジャズ・アルバムでありますぞ。CDにはボーナス・トラック的に、桑田佳祐、いとうせいこう両氏が参加した「ジャンクビート東京」が収録。

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Melon 『Deep Cut』

Plasticsも含め中西俊夫氏の作品はどれも刺激的だった。Water Melon Groupも含め、このアルバムを。

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《1988》

Friction 『Replicant Walk』

僕の中のロックC玉(魂)に火をつけてくれるバンドがこのFriction。僕が聴きだした頃はアルバムを発表しておらず、リアルタイムではこのアルバムからであります。

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Killing Time 『Irene』

Killing Timeの作品って、きっと「Bob」とかが人気なんだろうけど、Chakraから始まり小川美潮さんのソロや板倉文氏が手掛ける『会社物語』や『老人Z』等のサントラ含め、総括という意味でこのアルバムを選んだ。このバンド、今こそ再評価を!な早過ぎた無国籍楽団。因みにこのジャケットの絵は、ECMのベース奏者Eberhard Weberの奥さんであります。

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《1989》

清水靖晃 『Aduna』

80年代後半の清水靖晃氏の3枚のアルバムはどれも好きで、このアルバムは同時期に発表された細野晴臣氏の『Omni Sight Seeing』、坂本龍一氏の『Beauty』と並んで聴きまくっておりましたね。

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四人囃子 『Live Full House Matinee』

89年発表の『Dance』で復活し、その後のMZA有明でのライヴを収録したのがこのアルバム。当然ライヴを観たのもこの時が初めて。なのでこのアルバムが思い入れがある感じ。まさか、この10数年後に一緒に演奏したり、呑みに行ったりするようになるとは、この時は全く想像もしていなかった。

四人囃子 LIVE FULL-HOUSE MATINEE



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