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ある夏の小さな1歩が未来の夏の大きな足跡になったはなし

                💧

「いつまでもグズグスしてないで、さっさとやってみろよ!」
自分で自分につぶやいた。

子供のころは、まったく泳げなかった。それどころか顔を洗うことすらも怖かった。

今日こそ、絶対に潜るんだ! 
そう決めていたが、いざとなるとカラダが強張った。
バンジージャンプを跳ぶ前の心境・・。と言ったら伝わるだろうか。

ただ水に顔を浸すこと。それだけのこと。
でも、それができないし、挑戦しない自分が嫌いだったから。

乗り越えようとした小5の夏。

               💧💧

あれからたくさんの夏が過ぎた。

2021年、夏。

世界一を決める舞台で、アスリートを見守っている。

場所は・・・、

プールサイド。

あの日踏み出した小さな一歩は、いくつかの夏を経て

大きな足跡になった。

              💧💧💧

だからというわけではないけれど、苦手だからとか、嫌いだからって
逃げるんじゃなくて、
気持ちがあるなら                                           

「やってみな!」                                         

って言うんだよね。

だって、何が起こるかわからないんだからさ。


💧あとがき

初めて潜れたあの夏。                         いっしょになって喜んでくれた人たちは、もう、みんないない。         せめてこんな笑い話をしながら飲んでみたかったなって思う       夏の終わりの黄昏時に。


#一歩踏みだした先に

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