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みちのく潮風トレイル 公共交通情報 宮古市~山田町(HikingMapBook-3)

こんにちは。岩手県宮古市を中心に、みちのく潮風トレイルや三陸ジオパークのガイドをしている人です。

みちのく潮風トレイルを歩く際に利用できる公共交通機関の情報をまとめています。
この記事では、「宮古市~山田町(ハイキングマップブック3)」の範囲を紹介します。

みちのく潮風トレイルの攻略にとって現実的に活用ができるもの以外は紹介していません。
(自治体の地域バス・住民バスは、ケース・バイ・ケース)

いわゆる「ダイヤがあって」「乗合」の性格があるものを選んでいます。
「観光タクシー」や自治体の地域バス「オンデマンド運行」についても、一定のダイヤにより定期的に運行されていて、自分以外も同じものに乗車する可能性がある「乗合」の性質があるものは、選択肢に入れています。
(よって、一般的な「タクシー」は除外)

情報ですので、文字しかありません。写真も画像も1枚もない記事です。あしからず。
おおむねハイキングマップブックでの地域ごとに、利用できる公共交通を紹介しています。
同じ言葉がたくさん出るので、以下の略称を使っています。

・MCT→みちのく潮風トレイル
・SOBO→南向きルート
・NOBO→北向きルート

(2023年8月時点での情報で書いています。あくまで記載の情報は目安として、各自の自己責任にて充分な調査や計画のうえで行動に臨んでください。記載内容の正確性や、記載内容を参考にしたことにより生じたトラブルや事故等について、当方は一切責任を負いかねますのでご了承ください)


■鉄道

・三陸鉄道(宮古~岩手船越)

岩手県の久慈市久慈駅から大船渡市の盛(さかり)駅までを結ぶ第三セクター鉄道。昔は北リアス線、南リアス線に分かれていて、間はJR山田線だったが、震災後に全線が「リアス線」として一本化された。通称は三鉄(さんてつ)。

多くの部分でMCTと並走しており、岩手県内を歩くときには活用することが多い。非電化路線なので「電車」ではなく「汽車」である。おおむね1時間~2時間に1本ぐらいの運行。宮古と釜石どまりの本数が多いが、全線を通す列車もある。
基本的に全線ワンマン運転。一部の駅以外は無人駅。(売店などに改札を委託している駅もある)1両編成か2両編成のことが多い。通常、始発駅を除いて先頭車両の先頭ドアしか開かないが、自動で開く。乗るのも下りるのも先頭車両の1番前ということ。

乗車時に「整理券」をとり、降車の際に運転士の運賃箱に運賃を支払いする。運賃は、整理券番号と車内の運賃表を突き合わせて確認する。切符を買ってある場合は、降車時に切符を運賃箱へ入れるか運転士に見せる。
高額紙幣でも両替できるが、運転士にお願いすることになり時間や手間をかけてしまうので、なるべく1000円札以下を用意しよう。
もちろん交通系ICカードは使えない。

ラッピング車両やレトロ車両も多いが、特別列車以外は、追加料金はない。
全車両にトイレがある。

https://www.sanrikutetsudou.com/?page_id=16481

宮古~釜石間の三陸鉄道は、旧JR山田線の区間で、森の中や住宅地を抜けていく。磯鶏駅から南は、陸中山田駅までの間はトレイルルートとは離れてしまう。陸中山田駅から南はおおむねトレイルルート沿いになり、セクションの区切りに便利。宮古駅~陸中山田駅間は、同じ区間を岩手県北バスも並走しているので、どちらを使うかはダイヤと区間次第というところ。

https://www.sanrikutetsudou.com/

■バス

・岩手県北バス(宮古~山田)

宮古~山田エリアでは、もっとも活用しやすい交通機関。
ICカードに対応している。1000円札以外は両替できないので注意。
大きく分けて、重茂半島に向かう重茂半島線(里・石浜行き)と、宮古駅から陸中山田駅・岩手船越駅・田の浜方面に三鉄と近いルートをたどる路線がある。

テント泊なしで重茂半島に挑む場合には、重茂半島線は利用必須である。逆に言えば、重茂半島線のバスを活用すれば、難所と言われる重茂半島も、宮古を拠点にして1日ずつ区切ってピストン往復し、淡々と攻略することができる。

重茂半島線は、本数が非常に限られる。しかも途中の「里」バス停止まりの便が多い。
特に、重茂半島奥地の姉吉(とどが崎への拠点になる)や石浜(バスの終点)から宮古方面に戻るバスは、MCTを歩く行程と時間帯との組み合わせでは、事実上、存在しない。(朝の便しかない)
つまり、姉吉以南を歩く場合は、重茂の「里」バス停付近か山田町の大沢付近に出るまで、帰りのバスはないということ。

したがって、朝に宮古駅を出るバスで重茂半島の各地にアクセスし、そこから重茂の里方面に戻ってくる、あるいは山田町まで歩いて抜ける、というトレイルルート選びが基本となる。

このように、制約は色々とあるが、工夫次第で、重茂半島や山田町の攻略が格段に快適になる。(というよりテントを使わない人は、県北バスを駆使しないと重茂半島はまず攻略は出来ない)
しっかり時刻表を読み解いて活用されたし。

いっぽう、陸中山田駅方面の路線は、まずまずの頻度で運行されている。重茂半島から山田に抜けた大沢付近のバス停が、重茂半島の石浜方面に挑む際には有用。現実的には宮古駅からアクセスできる大沢川向バス停だろうが、山田駅からアクセスできる浜川目バス停も時刻によっては使えなくはない。
また、船越半島の付け根付近のバス停は、船越半島や鯨山に挑む際に有用である。

http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/regular/map/miyako/

・106急行バス

岩手県北バスが、盛岡と宮古を結ぶ都市間急行バスなのだが、一部の便が、宮古駅から岩手船越駅の間まで延長して運行されている。宮古と山田間だけの利用も可能。予約は不要。盛岡から山田に直行したり、宮古を拠点に行動する場合には利用の選択肢になる。

・山田町コミュニティバス

山田町町内のコミュニティバス系統は、県北バスが運行している街中循環路線タイプと、いわゆるコミュニティバスのタイプがある。

山田の街中循環ルートのほうは、MCTルートとも一部重なるので、条件が合えば活用してもよいかもしれない。
いわゆるコミュニティバスそのものの、大浦線・田の浜線(大浦、小谷鳥、田の浜)のほうは、バス停の場所そのものは活用の可能性ありなのだが、運行日や時間が限られているため、現実的にはMCTにおいて活用することは難しいだろう。

https://www.town.yamada.iwate.jp/docs/3994.html

■駅やバス停

・宮古駅

三陸鉄道とJR山田線の駅。MCT本線からは商店街を通り抜けて離れた場所(まっすぐ歩くと20分ほど)にある。
三鉄の中心駅となっていて、宮古駅止まりの三鉄も多い。全区間を走る三鉄も、宮古駅では15分ほど停車する。
駅前には三鉄の売店であるさんてつや、トイレ、有料駐車場等、岩手県北バスのロータリーがある。駅前ロータリーには、県北バスの案内所もある。
宮古市役所が入っているイーストピアが直結している。イーストピアの向こう側には岩手県の沿岸で唯一のマクドナルドがあったりもする。
宿泊施設はわりと市内各地に散らばっている。駅前はビジネスホテルとゲストハウス。あとは浄土ヶ浜方面や国道45号線の磯鶏方面となる。駅前以外は、県北バスのほうがアクセスが良い。

盛岡方面から宮古へのアクセスには、JR山田線か、県北バスの106急行・特急バスがあるのだが、特に秋は、山田線はシカの衝突事故や落葉での空転で頻繁にダイヤが乱れる(1時間ぐらい遅れることもある)ことが多くなる。
次の接続の新幹線や三鉄に乗れないことが出てくるリスクがあるので、JRの切符を使いたい理由がない場合には、特に秋は106バスを使うほうが時刻は正確によめる。
宮古駅前からの県北バスは、方向別に乗り場が分かれている。休暇村・田老・グリーンピア・岩泉小本方面、重茂半島(里・石浜)方面、山田方面(田の浜)、それぞれ、セクションハイクに活用できる。

・磯鶏(そけい)駅

三鉄の駅。難読駅名の一つ。MCT本線の国道45号線から5分ほど外れる。駅前にはトイレ、小さな駐車スペース、商店がある。磯鶏駅から徒歩10分程度の圏内にはドラッグストアや大型スーパー、宿泊施設もあり、宮古駅ともども拠点にしやすい。

・八木沢・宮古短大駅

三鉄の駅。MCT本線とは離れており、使うことはないだろう。

・津軽石駅

三鉄の駅。MCT本線からは歩いて15~20分ほど離れているのだが、それでも、「重茂半島」のMCTルートからみると宮古市側の最寄りの駅であり、セクションを区切る拠点になる可能性がある。
MCT本線でいえば津軽石川の水門か、宮古市の運動公園からルートを離れて国道45号線を超えた先にある。駅にはWCがある。駅の待合室には新巻鮭をかたどった飾り物がたくさんぶら下がっている。
よりMCT本線に近い国道45号線沿いに、同じぐらいの本数が走っている県北バスのバス停があるため、鉄道にこだわらないのであれば県北バスのほうがMCTとの相性はいい。

・払川駅

三鉄の駅。MCT本線とは離れており、使うことはないだろう。

・豊間根駅

三鉄の駅。MCT本線とは離れており、使うことはないだろう。

・陸中山田駅

三陸鉄道の駅。山田町の中心駅で、MCT本線上にある。駅前に大型スーパーのびはんがあり、岩手県北バスのバスロータリー、駐車場もある。山田町を歩く際の拠点の一つとなるだろう。

・織笠駅

三陸鉄道の駅。MCT本線とは少しだけ離れている。山田町内の三鉄の駅としては、使うとすれば陸中山田駅か岩手船越駅が区切りにちょうどよく、あるいはバスで「ふれあいパークやまだ」のほうが使いやすいので、織笠駅を区切りに使うことはおそらくほとんどないだろう。映画「すずめの戸締まり」に登場したので、ルートから寄り道で立ち寄るというほうが多いかも。

・岩手船越駅

三陸鉄道の駅。かつてはJRで本州最東端にある駅だったが、三鉄に移管されてJRではなくなったので、鉄道駅として本州最東端の駅、に変わった。現在、JRの本州最東端は宮古駅。
MCT本線上ではないのだが、船越半島の最寄り駅となるので、利用する可能性は高い。
船越駅から南下すれば船越半島の田の浜や鯨山方面のMCT本線。
北上するとふれあいパーク山田を経由して織笠方面と鯨と海の科学館方面へのMCT本線に合流する。

・宮古駅前バス停

宮古駅前のバス停。バス停の名前としては「宮古駅」ではなく「宮古駅前」

・信用金庫前バス停

宮古駅と各方面を結ぶバスが、国道45号線に出て南北にルートが分かれるところにあたるバス停。
たとえば田老岩泉方面と宮古駅を結ぶバスと、重茂山田方面を結ぶバスは、宮古駅を出ると、このバス停までは同じで、ここから国道45号線を別方向に分岐していく。
宮古駅行の場合も、このバス停から宮古駅までは同じルートになる。
そのため、あまり可能性はないだろうが、宮古駅を境に北と南の県北バスを乗り継ぎたい場合は、宮古駅ではなくこのバス停で乗り換えたほうが、余計な時間がかからずに済む。浄土ヶ浜でゴールして、ホテルはルートイン宮古だったりするケースでは、そういう乗り継ぎがあり得る。

・市民会館前バス停

MCT本線の国道45号線上にある。三鉄の磯鶏駅に最寄のバス停は磯鶏バス停ではなくこのバス停である。磯鶏バス停は数百メートル離れた先で、まるで違う場所にあるので磯鶏駅との乗り換え等には使えない。

・磯鶏バス停

MCT本線の国道45号線上にあるが、三鉄の磯鶏駅とは全く別の場所にあり、乗り換え等には使えない。

・川帳場(かわちょうば)バス停

県北バスのバス停。津軽石川の水門の正面あたりにある。三鉄の駅でいえば津軽石駅が近い。宮古駅方面からこのバス停までは、重茂半島方面と山田町方面の両方の行き先の路線バスが走っていて、まずまずの本数。
MCT本線は、SOBOの場合ここまでは国道45号線沿いで、ここから重茂方面に逸れていくことになる。NOBOの場合はここから国道45号線沿いで宮古駅方面へ。長大な重茂半島を超えてきた場合に、このバス停付近でいったんエスケープするのは充分にありえる。

・赤前小学校前バス停

県北バスのバス停。宮古市運動公園の最寄りバス停。MCT本線は運動公園脇の防潮堤を通るルートになっていて、その区間はバスが一本内陸側の県道を通るようになっている。運動公園は、重茂半島方面で数少ないトイレや自販機などの休憩手段がある施設となっているので、このバス停が区切りになるというケースもありうる。もう少し頑張れるなら、川帳場バス停や、津軽石駅まで行くほうが、エスケープ方法の選択肢が増えるが。

・白浜バス停

県北バスのバス停。ほぼMCT本線上にあるといっていい。バス停から数十メートルのところから、月山の北側ルート登山口となる。月山だけを最短距離で乗り切りたいときには、北側はこのバス停。SOBOの場合、このバス停から月山を登り始めると、音部漁港に出るまで、バスによるエスケープルートはない。

・月山登山口バス停

県北バスのバス停。重茂半島線のバスが通る。登山口となっているが、MCT本線とは関係ない。このバス停が言う「月山登山口」は、現在では自動車が走れる登山ルートを指している。MCTはまったく違う自然歩道を通るので、このバス停で下りてもMCTははるかに遠い。お間違えなきよう。(迂回路としてこのバス停から山頂へのルートが示される可能性はあるが)

・屯所前(とんしょまえ)バス停

県北バスのバス停。重茂半島の音部漁港から坂を登っていく音部集落の中にある。MCT本線からは20分近く外れるが、重茂半島唯一の民宿、おとべ荘の最寄バス停であるので、おとべ荘を使ったハイクを考えているなら使う可能性がある。

・音部(おとべ)バス停

県北バスのバス停。重茂半島の音部漁港近くにある。MCT本線からはすぐ。SOBOの場合、月山を鵜磯側に下りてきて、やっと県北バスのルートに合流する最初のバス停。月山越えを最短距離で凌ぎたいなら、南側はこのバス停を使うことになる。逆に、このバス停から先のNOBOは、月山を下りきった白浜バス停までバスによるエスケープルートは存在しない。このバス停から10分~20分ほど坂を登っていくと、重茂半島唯一の民宿、おとべ荘に着く。

・音部漁港バス停

県北バスのバス停。重茂半島の音部漁港やなわ真正面。MCT本線上にある。音部バス停を使うか音部漁港バス停を使うかはお好みで。

・上笹見内(かみささみない)バス停

県北バスのバス停。トレイルルート上にある。このバス停横の脇道から南の重茂漁協前バス停の間は、15分~30分ほどトレイルルートがバス通りから外れる。バス時刻を見ながら行けるところまで行こうと考えているような場合は、ご注意を。

・重茂漁協前バス停

県北バスのバス停。トレイルルート上にある。このバス停近くの脇道から北の上笹見内バス停の間は、15分~30分ほどトレイルルートがバス通りから外れる。バス時刻を見ながら行けるところまで行こうと考えているような場合は、ご注意を。

・重茂車庫バス停

県北バスのバス停。トレイルルートからニ、三十メートルほど。トレイルルートは細い道に入っていくのだが、普通に車道のほうをたどっていくと着くし、この車庫の横から車道を下って行ってもルートに合流するので、事実上、ルート沿いみたいなものである。車庫という名前だがバスが数台待機できる駐車場のようなもの。
SOBOの場合、このバス停から急坂を下れば次の里バス停に着く。NOBOの場合、このバス停は急坂の上にあることになるので、たとえばとどが崎を抜けてきてから、時間があるから里バス停から少しでも先に進めておこうと思うなら、よみ誤らないようにご注意。

・里バス停

県北バスのバス停。トレイルルート上にある。宮古駅と重茂半島を結ぶ路線は、ほとんどがこの里バス停止まり・始発である。
SOBOの場合、里バス停より南に行くバスは午前中しかないので、里から南下しても姉吉や石浜からの脱出は出来ないことに注意。山田大沢まで一気に抜けるという10時間近い苦行か、姉吉から里まで県道を1時間戻ってくるという修行のどちらかを選ぶ必要がある。
NOBOの場合も、里からしか宮古駅への脱出は出来ないことになるので、なんとか里までたどりつくか、姉吉から里まで県道でショートカットするか、といった工夫が必要。
おとべ荘に宿泊なのであれば、石浜を夕方に出て里止まりというバスもあるので、そちらを併用する手もなくもないが、野性味あふれる重茂半島を夕方過ぎてから歩くのはちょっとつらい。

・自然観察林口バス停

県北バスのバス停。トレイルルートからは20分ほど外れる。目の前に、重茂水産体験交流館「えんやぁどっと」がある。
ただ、ほとんどのバスが里バス停で終点なので、このバス停まで来るのは石浜まで行く便だけ。ダイヤの時間帯からすると、MCT用に、わざわざこのバス停を使うことはないだろう。それよりは、里のバス停まで出たほうがいい。

・姉吉バス停

県北バスのバス停。トレイルルート上にある。SOBOはこのバス停から県道を石浜、山田方面へ。NOBOはこのバス停から坂を下って姉吉キャンプ場を目指す分岐点。
宮古駅から姉吉バス停を通るバスは午前中にあるが、午後にはない。姉吉から宮古駅まで行くバスも、午前中しかない。
つまり、午後に姉吉バス停から宮古駅までバスで脱出することは出来ないので、NOBOで山田大沢のほうから北上してきてここで終わらせたい場合や、SOBOでとどが崎を終えて姉吉キャンプ場から上がってきた場合、セクションハイカーは途方に暮れることになる。セクションハイクの場合、くれぐれもNOBOかSOBOか、方向に注意。
ちなみに、姉吉バス停から里バス停まで、とどヶ崎を通るMCT本線ではなく、県道を1時間歩いてショートカットできる。1時間かかるともいえるが、1時間で着くとも言えるので、アリかナシかで言ったら、充分、ありうるエスケープルート。

・石浜バス停

県北バスのバス停。トレイルルートから百メートルほど離れた場所にあるが、県道沿いなので、ほぼMCT上にあると言ってもいい。SOBOはこのバス停から県道を山田大沢方面へ。NOBOはこのバス停から姉吉へ。
宮古駅からの重茂半島線は、このバス停が終点。午前中にあるが、午後にはない。石浜と、重茂の「里」バス停の区間運行は夕方まであるが、宮古駅には出られないので、ハイカーにはちょっと使いづらいだろう。なにせ「里」に戻ったとしても、そこで行き詰まってしまうので。

NOBOで山田大沢のほうから北上してきてここで終わらせたい場合は、どうしようもないのでそのまま姉吉から里まで歩きぬくしかない。
SOBOでとどが崎を終えて姉吉から南下してきた場も、ここまで来てしまった場合は、山田大沢まで抜けるしかない。

・大沢川向(おおさわかわむかい)バス停

山田町大沢にある、県北バスのバス停。MCT本線からほど近い。宮古と山田を結ぶ田の浜線のバス路線と、MCT本線は、この辺りで合流している。ホームセンターやコンビニも近くにある。
もっと重茂寄りに、山田町からつながっている浜川目バス停があるが、本数が極端に少ないため、現実的にはこちらのバス停のほうが利便性が高い。
NOBOの場合、このバス停より先は重茂半島へのアプローチとなり、この辺りが最後の補給地点。
SOBOの場合、重茂半島を乗り越えて最初にたどり着く商業地なので、ここで一区切りは自然な発想。あるいは山田の中心地まであと1時間歩くか、ということになるが、重茂半島を少しでも短く切っていきたいならこのバス停は有力候補。

・浜川目バス停

県北バスのバス停。NOBOの場合、重茂半島の寺地越ルートへのアプローチ直前にある。山田町の田子の木から山田駅を経由して浜川目行バスの終点。重茂半島に挑む前の最後のバス停。ただし本数は早朝か夕方しかないので、使えるかどうかは微妙。この北には、はるか北の石浜バス停までバス停はない。かといって石浜バス停から宮古方面に抜けられるバスも、午前中しかないので、NOBOの場合、どう攻略するか悩みどころだが。
SOBOの場合も、重茂半島を抜けて最初に見つかるバス停だが、本数は早朝か夕方だけに限られているので、現実的には、あとひといき歩いて大沢か山田の街中まで出ることになるだろう。

・山田駅前バス停

三鉄陸中山田駅前のバス停。バス停の名前としては「陸中山田駅前」ではなく「山田駅前」である。
駅前はロータリー、駐車場、大型スーパーのびはん、飲食店、居酒屋などが集結している。スーパー銭湯の湯らっくすもあり、コミュニティセンターの上の階には津波伝承施設の展示スペースもある。重茂半島と船越半島という、MCT最難関ともいえる2大半島に挟まれているエリアのため、山田駅周辺か宮古周辺をしばらく拠点にするということも多いだろう。

・ふれあいパーク山田(旧:道の駅やまだ)バス停

県北バスのバス停。ふれあいパーク山田(旧:道の駅やまだ)の駐車場内にある。厳密に言えばMCTルート上ではないが、船越半島への分岐点から近いため、船越半島に挑む際に、補給拠点にしやすい。岩手船越駅からもそう遠くないので、何かと便利。
まだ以前の名称だった「道の駅やまだ」バス停として紹介されるケースもある。ただし現在の新しい「道の駅やまだ」バス停は、三陸道山田ICそばの道の駅やまだ「おいすた」側に設置されている。

-船越駅前バス停

岩手船越駅前にある県北バスのバス停。厳密に言えばMCT本線上ではないが、田の浜方面と鯨山を結ぶルートからはそう離れておらず、船越半島や鯨山に挑むときには、岩手船越駅かふれあいパーク山田が区切りにしやすい。県北バスでアクセスするか三鉄でアクセスするかは、時刻表次第で。

・大浦漁協前バス停

山田町コミュニティバスのバス停。MCT本線からは数百メートルだけ大浦漁港側に入る。防潮堤よりも陸側。
コミュニティバスが週2回だけ山田駅まで走る。活用は難しいが、ただ、ここから船越半島入口までは歩けばまだ1時間はかかる。もし、船越半島を2回以上に分けて、道中で泊まらずに街中に戻るセクションプランニングをしている場合は、船越半島入口と大浦の間は何回も重複して往復することになるので、少しでもダブりルートを省いて効率的に歩きたいなら、がんばって活用するもあり。

・小谷鳥バス停

山田町コミュニティバスのバス停。SOBOでいえば大釜崎自然歩道を抜けて小谷鳥海岸に出る手前のあたりにある。大浦漁協前バス停と同じく、場所としてはなかなか絶妙にいい場所だが、週2回1日1往復の運行なので、現実的には利用しづらい。

・船越漁協前バス停

MCTの公式を含め、各種のマップ類では掲載されているバス停だが、周辺の防潮堤工事のため現在はこのバス停を経由するバスはない。地図を頼りにここにバス停があると信じてきても何もないので、田の浜バス停を使うこと。

・田の浜バス停

県北バスおよび山田町コミュニティバスのバス停。
宮古駅から陸中山田駅と岩手船越駅を経由してここまで来る路線は、まずまずな本数が運行されている。
このバス停から海岸のほうに数百メートルでMCT本線に合流する。
船越漁協か周辺の公園にWCあり。
岩手船越駅付近から田の浜(船越漁協)付近までのMCT本線も、歩いてなんだかんだと1時間近くかかるため、船越半島を何回かに区切る場合に、少しでも1回あたりの距離を短くしようと思うなら、この田の浜バス停の活用も視野に入れてよいだろう。


他の区間の公共交通情報は以下に。
みちのく潮風トレイル公共交通情報まとめ↓

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北の1番目の八戸セクションと最後の50番目の相馬セクションの2つの記事はお試し版として無料公開しています。それ以外の記事は有料記事となります。また、各記事の序盤だけはお試しで無料にしていますので、有料購読の判断をする際の参考にしてください。

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