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あったかもしれない未来

こんばんは、moikoです。

ちょっと前に、私が誰にでも気さくに話しかけてしまうことをnoteに書きましたが、イベントなどに参加して話しかけて友達になった人もいるので、良いことの方が多い気がします。

このnoteを書きながら、ふと思い出したのは、大分昔ですが、それができなかったこともあったなぁということ。

 浦沢直樹のPLUTOという漫画をご存知ですか?鉄腕アトムのお話をベースに浦沢直樹が描いた漫画です。昔、森山未來さん(アトム)と土屋太鳳さん(ウラン)出演で舞台化されたのですが、当時浦沢直樹にはまっていた私は、どうしても見たかったのですが、気がついた頃には東京公演は終了していました。

で、大阪まで1人で見に行きました。

しかも、立ち見。しかチケットがとれなかったのです。よっぽど見たかったんだな、私。

すると、当日立ち見の人は、キャンセルがあった席に順番に座れることになり、私も座って見ることができました。その際に、隣に同年代の女性が座っていたので、話しかけてみました。

彼女は本当に本当に演劇が好きな人で、東京へもよく来ると言っていました。好きな物のためならどこへでも行ってしまうとことか、何だか気が合いそうな匂いがしました。

「じゃあ、良かったら連絡先の交換でも…」といつもの私なら聞いていたのですが、それが中々言えませんでした。

その時の私には葛藤がありました。

それまで色々な人に声をかけ、輪を広げようとしてきたけど、連絡先リストが増えるばかりでその場限りの人が多くなっていたので、またそういう人を増やしてしまうのではないか…

とか、

私は彼女ほど演劇好きではないので、演劇たくさん誘われてもそんなには行けないな…

とか。

そうこうしてるうちに舞台が始まり、終わってゆきました。舞台は私には何だか斬新に感じられ、素晴らしかったです!森山未來さんってオーラが独特ですごいなぁと思いました。

さて、舞台が終わっても、まだ連絡先を聞こうかどうか迷っていた私。周りの観客は退場を始めていたけど、何となく彼女もノロノロ支度をしていて、もしや私と話したいのかなと感じました。私は、何か彼女に話しかけなきゃとやや焦り気味に、

「結構こじんまりした劇場なので、舞台が迫力あって見えて良かったですね」

みたいなことを言うと、彼女に

「そうですね。でも、大阪ではここはそんなに小さい所じゃないですよ~」

と笑顔で返されました。

そして、そのままさよならしたのでした。

ああ、全く他意もなく悪気もなかったんだけど、気を悪くしてしまったかな。連絡先を聞くことを自分らしくなくためらってしまったことも含め、ちょっと後味の悪い出来事でした。

もし、連絡先を交換してたら、生涯の友になった可能性もゼロではありません。

もし、たら、れば

そうやって私達は、「あったかもしれない未来」いくつ見送っているのでしょうか。




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