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赤と白

スクランブル交差点を斜めに渡る
赤いティントリップ達が会話をしている
赤がこちらを見下ろしている
見下ろした赤はそのままファッションビルに吸われていった
私は小さい
私は小さい呼吸をする
もこもことした白のスヌードの隙間から酸素を探す
風が乾かした唇を赤に染めようかと
コスメショップへ進む嘘に足並みが崩れた
ビルはセピア加工で広告だけが青白いピンクで笑っている
自動ドアの開閉のなめらかなリズムに
そうだハンドクリームを塗らなくちゃと
感想を書きました
赤いティントリップの試供品はどろどろに溶けていて
私に赤は似合わないようだった
制服を着て揃いの赤で唇を強調した軍隊が私の前を横切って行った

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