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エッセイ 私の小説の書き方57 精神疾患と創造性。頭が変な時に書く小説。

☆写真は私のPCデスクから見えるカナダのプレイリー。

ここ10日余り、双極性障害の大爆発で、私は大層な不安感と鬱を経験している。ムンクの『叫び』状態。それでも短編を一つ書いた。面白い結果になった。頭のおかしさがマジで作品に響いている。

主人公、誠は鬱で高校を中退。街をうろつくようになって、母親に精神科に連れて行かれる。結果は軽い鬱で、抗うつ剤を処方される。
 誠は街で、耕二というエリートビジネスマンに拾われる。二人は同性愛の関係を結ぶが、耕二には他にもベッドを共にしている相手がいる。
 誠は恋愛初心者だから、彼との関係に悩む。どうしていいか分からない。でも、耕二に他の男がいるのは嫌だと思う。ベッドに一緒にいる時、耕二への思いが爆発して大泣きをする。でも彼は恥ずかしさの余り、その気持ちが伝えられない。
 耕二は鬱で不安定な誠の気持ちを察して、ちゃんと高校へ戻れるように助けてあげよう、と申し出る。

連載中で、今のところストーリーはそんな感じ。私、作者の心の不安感がこの主人公の気持ちに直接反映する。

Kay Redfield Jamisonという作家で心理学者の書いた本、『Touched with Fire』という本を人に借りて来た。英語だから適当にしか読んでないけど、要するに、昔から精神疾患と創造性には深い関係があるという説を表した本である。例えば双極性障害の作家なら、躁状態になるほど創造性が高まる傾向にある。そういうアーティストは、強い精神病の因子が家系に受け継がれている。著名な作家、音楽家等の家系図がたくさん出ていて、それを見てるだけで面白い。双極性障害だった作家のヘミングウェイの家系には、4世代に渡って、自殺した人が本人を含めて少なくとも5人いる。

私はいつも言ってるけど、双極性障害だからといって、ヘミングウェイになれるわけじゃない。でも作品に濃くその病相が現れるのは確かだ。心底、不安感や鬱を感じたことのある者にしか表現するのが難しいことがあると信じたい。私の今の気持ちを一言で言うと、「溺れる者は藁をも掴む」というヤツ。今日、病院に行って、ちょびっと薬を増やしてもらったところ。

Kay Redfield Jamisonは彼女自身も双極性障害で、カルガリー大学に講演に来た時、私は手を上げて質問して、個人的に励ましてもらえた。その時、私は具合が悪くて小説が書けない時期で、でも「時間は掛かるけどそのうちまた書けるようになる」と言ってもらえて嬉しかった。

作家で成功するということは、どんだけ多くの人に読んでもらって、楽しんでもらえるかだと思ってる。だから読んでて楽しいストーリーで、なおかつ普遍性があって、それに共感してもらえたらいいな、と思う。

きっと、頭が変ながらも、ちゃんと論理性があって、説得力もあって、作品として完成度が高くて、そんな作品が書けるようになればいいんだと思う。奇をてらうのはとっくに止めた。普通の文章でいい。

あるnoteのユーザーさんに、どっち道、昔から偉大な作家には双極性障害が多いんだから、心配すんな、と言われた。それは励ましになった。それにこんな文章でも書くと少しスッキリする。noteをやっていてよかった。


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千本松由季 Official Blog

小説書き。生きづらかった日本を脱出して単身カナダへ。恵まれた自然の中でプロを目指して執筆中! 書いた作品は70作以上。短編はマガジンにまとめました。長編はこちらから⇒ https://ehappy888175296.wordpress.com/

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コメント2件

千本松さんを救う言葉をかけられた方に、僕も感謝したくなりました。
例の「強気発言」はまだパソコンに貼ってあります。効き目あります!
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