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BEST OF THE SUPER Jr.28 後半戦振り返り①【SHO選手試合のみ】

 ゆきみです。こんなに楽しいBOSJが残すところあと2試合となりました。嘘でしょう?嘘だと誰か言ってほしい。永遠にやっていてほしい。今回また長くなったので、サクッと本題にいきます。

7戦目:vsマスター・ワト

 デスペラード選手の言葉を借りれば「元・仲良し」の対決となったこの試合。ワト選手はSHO選手を正気に戻すことにのみ集中しているようで、いつものコーナーアピールもせず、ガウンを脱ぎながら入ってきて鬼気迫る顔でSHO選手だけを見つめていました。SNS等でもずっとそのように言っていたし、観る側もその因縁から生まれる何かを期待して観ていた試合かと思いますが、私にとっては正直、うまく自分の中に落とし込みができない試合となりました。
 というのも、この「SHO選手を正気に、元に戻す」という役をワト選手が担うことについて、自分の中で是非がはっきりしていないから。これはYOH選手の仕事なんじゃないか?という気持ちがまだあるのです。YOH選手がバックステージ等で多くを語らずにおり、現在のSHO選手に対するスタンスがまったくわからないのですが

①SHO選手更生の責務が自分にあるとYOH選手が思っていない→本試合について是
②SHO選手更生の責務が自分にあるとYOH選手が思っている→本試合について否

となる感じです。あくまで「更生」なので、例えば制裁を加える、ぶっ潰す等思っているなら①になります。要は「昔のSHOくん(さん)を取り戻したい!」は2人も思ってなくていいってことです。また、この是非についてはあくまで「試合の背景に流れるストーリー」についての自分の気持ちの部分になります。試合内容そのものに対する賞賛や文句とは別のもの。
 果たしてどうなんでしょうねえ、今現在は知る由もありませんが、姫路で全てわかるでしょう。よって、この試合の見え方は姫路後に確定すると思います。個人的には9・4ではまだ「取り戻す」気持ちは少しはあったように見えていて、11・6では「取り戻す」というよりは「よくも悪くも何らかの決着をつけないといけない」だったかなと見ています。「白黒つける」という言葉がありますが、まさにその通りの配色になったふたりです。

 前置きが長すぎるな……。試合内容としては、私の感想はさておき事実としてたくさんの想いを抱えてリングに上がったワト選手に対して、その想いの分だけSHO選手が返し切った試合だと思います。執拗なまでの鉄柵攻撃であったり、追いやられてる時も不気味な笑顔をむけていたり、腕を捻っての蹴り3発をさらにアレンジして指責めに行ったり、3発どころじゃなく何度も何度も蹴り込んだりと、ワト選手がSHO選手の心に呼びかける度に今の俺はこうなんだと必要以上に見せつけ、身体にも心にも刻み込むようでした。怖いのは「自分のことを忘れて攻撃してくる人」ではなくて、「自分のことを覚えているのに攻撃してくる人」なんですね。わざとらしくワトちゃーーーんと呼ぶのも、馴染みあるマスター呼びも、きっとワト選手が会いたいSHO選手の片鱗で、そんなものが見え隠れするのに全くの別人が目の前にいる、なんて哀しい。
 あとは非常に個人的な話ですが、場外戦の大半が目の前で行われて、もうありがたいありがたいありがたい……見ててめっちゃくちゃ痛かったですけど、ありがたさと興奮でマジ泣きをしてしまいました。ワト選手が鉄柵超えてきた時はめちゃくちゃびっくりしたw
 余談ですがワールドで再確認していて、試合後に実況が「誰がSHOの暴挙を止めてくれるんでしょうか」って言った直後とてもタイミング良くSHO選手の「だーれもとめられなーいw」をマイクが拾ったので笑いました。余談ついでにもうひとつ、1年前の同じ日、同じカードを観てSHO選手を好きになりました。同じカードなのに、別人のようになってしまったSHO選手。感慨深いものがあります。好きな気持ちに変わりはありませんが。(15分02秒レフェリーストップ)

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8戦目:vsエル・ファンタズモ

 一応同門対決ということで、SHO選手がHOUSE OF TORTURE以外のBULLET CLUBメンバーに対してどういうスタンスを取るのかが分かる一戦になるなと思っていました。思ったよりも友好的(しかし上から)なSHO選手に対して、ファンタズモ選手の方が「FAKE BULLET CLUB」と……!11・29後楽園大会の締めマイクでもBULLET CLUBの現在(と未来)について言及していましたが、どうやらファンタズモ選手はユニット内ユニットの存在に否定的なようです。こっこれは御家騒動必至……!たのしい……!
 中林レフェリーの語学力の凄さを実感する出だしになりましたね。内容についてはさておき、「Too sweetって日本語でなんていうんだ?」「……とぅー、すうぃーと」ってやりとりめちゃくちゃ可愛かったですね。あれはSHO選手の「BULLET CLUB同士正々堂々闘おう」という言葉を伝えるときに、別に言ってはない「Too Sweet」をつけた中林レフェリーの超ファインプレー通訳があってこそで、新日お抱えの通訳、翻訳家マジでイカしてんなといつもいつも思ってたんですが、そのうちのひとりは中林レフェリーだったんですね。ことしデビューのレフェリーふたりとも良すぎる(坂本レフェリーは「恥ずかしいか!」だけではなまる)
 そしてレフェリーといえばこの試合を裁いた佐藤レフェリーですよ。なんですかあの身のこなし。あの避け方レスラーがやるのでもそこまで多く見かけないって。投げられたりぶつけられたり飛ばされたりとなかなか可哀想なことの多いレフェリーが選手同様にトレーニングしてるってこういうことか、と納得。魅せていただきました。
 試合内容については……「11分47秒ギブアップ」が全てでしょう。細かな攻防や綱渡り締め上げからのぶん投げ返しは当然よかったのですか、試合前から楽しみしていた超スパナvs疑惑の右足があのような結末になるなんて。顔を守ったらガラ空きのボディー(っていうか……)にぶち込まれるなんて。そして裁定がまさかまさか前代未聞の「ギブアップ」だなんて。サドンデスじゃないなんて。目の前でバンバンマット叩いてるけどなに?まさかタップ?え?となったのは私だけじゃないはず。
 それにしてもSHO選手は自分が楽しんで輝くのみならず、相手選手を輝かせるのが本当に上手くなったなと思いました。ファンタズモ選手は前数試合でサドンデスを躊躇っていたのが「溜め」になっており、曲がりなりにも同門のSHO選手相手に躊躇いなく蹴り抜くことで、少なくともファンタズモ選手にとってはSHO選手がそれほどの異物であるということが分かります。そして今までは出れば会場が「あぁ……」という空気になりがちで凶器扱いされていたサドンデスも、今回は会場を冷やす要因にはなりませんでした。別の意味で冷えたんだけどね……とくに男性……。その剣を抜いたことに対して否定的な空気はメジャーではなく、見方によっては正義の剣のようにすら見えるのは、SHO選手が観客にとって圧倒的な悪だからだと思います。全ての相手を、悪人ですらヒーローにしてしまうほどのヒール。今までジュニアにいなかったそのポジションに居場所を見つけたのだと思うととても嬉しいですね。しかしながらこの試合の裁定はなんどリフレインしても笑っていしまう。(11分47秒ギブアップ)

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9戦目:vsロビー・イーグルス

 「まともに」負けましたね。ベビーに。ちょっとあまりにびっくりしてしまって、ワールドで見直してもしばらくはうまく言葉にできませんでした。過去の2回は丸め込みのと急所を蹴られたという言い訳のしようがある敗北だったのですが、今回は美しいまでに完敗。
 じゃあ内容はというと、正直、物足りなさが強い……。善戦、接戦の末に負けたという感じでもなく、何もさせてもらえないまま負けてしまったな、と。クロスアーム式パイルドライバーすらも出ず、三連蹴りも止められてしまい、アームロックもすぐに解かれる。なのに2人に圧倒的な力量さがあるような、ロビー選手の横綱相撲的一戦だったかといえばそうでもない。ひとつ、ショックアロー抜けをスネークバイトで封じるムーブは良かったなと思います。あれ完成形を見たい。でも本当に、それくらいです。
 なんなんだろうこの不協和音的な……と、試合後から今日に至るまで割とずっと考えていてひとつ辿り着いた私なりの見解が「負け方がわからない」のでは、というところ。HIGH VOLTAGE時代は真っ向勝負、熱さが前面に出ていたため、勝っても負けてもそこが理由のひとつというか、そういう勝ち/負けの形になり得たのですが、Murder Machine、不慮の事故的敗北を除いては負けたことがないから、がっちり闘った上での負けのパッケージングが出来てないというか、今のスタイルに落とし込めてないのでは……?と。もしそうだとするなら何も悲観する必要はないですね、ただ慣れるのを見届ければいいだけなので。
 金丸選手やファンタズモ選手のような悪いトリッキーさによってついた土はもらい事故のようなものだと思ってるのですが、この試合のように悪行を全部見切られた上でちゃんと叩きつけられた敗北によって、SHO選手の真の現在地も大体わかります。ターンしたくらいで飛び級なんてあるわけもないので、やっぱりそれくらいだよね、と。勝ったから格上負けたから下ではないですが、こうまで何もさせてもらえずに負けると、好きで応援している身としては、むむむ、と唸ってしまいますね。
 なるほど、彼に最初にちゃんと土をつけるのはワト選手でもYOH選手でもない、でも元同門で、しかも元BULLET CLUBで、さらにはSHO選手が何度も持った縁のあるベルトを今持っているロビー選手なのか。今自分でこれを打っていて、それならば仕方ないか、と少し納得ができました。
 いつか大接戦の末に負けて輝く、もしくは粘り勝ちをして悔しいけれど思わず会場も納得してしまう大悪党になってほしいですね。(14分06秒ロン・ミラー・スペシャル)

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 正直ロビー選手戦のことは書けないんじゃないかと悶々としていたのですが、文字にしようと思うと頭のスイッチが不思議と入りますね。そして文字にすることで自分の中のモヤモヤが解消されました。愛媛入り前にすっきりできて良かったぜ。明日から軽い旅行に出ます。人生初の四国上陸、とても楽しみです。元気に行ってきます。ではまた。

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