見出し画像

2022年のHCFDM研究報告(単に2022年に買ったHCFDMのレコード)

研究報告その2です。こっちのほうがおそらくはもはや集めてる人間はいないんじゃないかってくらいに、誰も注目していないジャンルHCFDM(Happy Charm Fool Dance Music)を見つけ次第、こつこつと集めている。(ジャンルの詳細については自分が以前書いた下記記事を参照。そういや続きを書いてなかった)
ボリュームが多くなりそうで記事を書くのを躊躇してたら、年を越してしまった。

ということで、今回は2022年に買ったHCFDMを全部書くという記事。前回、ビッグビート分については洗い出してしまったので、ビッグビート以外で。

ジャズ、ブラジル、ラウンジなど

HCFDMシーンの解釈の音楽としての真骨頂と言える昔の音楽から、ディグられた昔の音楽たち。かつて街のダンスホールで紳士淑女を躍らせていた音楽が(当時の)若者たちに発見されて、日本の小さなクラブキッズを熱狂させた現象こそが、HCFDMらしさ。

HMVの100円箱から見つけた1枚。The VerveのBitter Sweet Symphonyの元ネタThe Last Time収録

エグベルト・ジスモンチのレコードの中では日本ではそこそこ知られているものの、海外では割と無視気味で再発もあまりされていない1枚。テクノポップmeetsブラジリアンラウンジみたいな変な音楽。声はボコーダーだし。FPMが米国音楽誌でプレイリストに入れていた

有名コンピGet Easy!の2枚。vol.3はDJ Maxwell監修で、Andre BrasseurとかFrance GallとかBrigitte BardotとかNino Ferrerとか当時、シーンで流行りまくってたアーティストがフックアップ。Christmas Collectionは割とべたなクリスマスソングばかりで本シリーズとはたぶんほぼ関係ないが、まあついでに。

匿名の和物ロックインストカバー集。たぶん当時、この辺の音を聞いてた人なら絶対に知ってるジャーン!!という音の元ネタがBlack Nightのラストに入ってる。こんなところから取ってたのか。Black Night自体、缶コーヒーのCMで有名な曲ですね。

Joao Donatoのアルバム。フリーソウルっぽいブラジリアンファンクがいっぱい。HCFDMではBambuが人気だった。これ買ったのがゲートフォールド盤なのにシュリンク付きで開けるかどうかかなり迷う。

Le Hammond Inferno, Maxwell Implosion, Paolo Scotti, Arling & Cameron and more

いわゆる「世界同時渋谷化」的なムーブメントをけん引したドイツ、イタリア、オランダ、スペインなどのDJたち。いわゆるレコードコレクティングの才能と当時のサンプルベースドなダンスミュージックが出会ったことで、非英語圏から全世界で同時期に生じたムーブメント。

Le Hammond Infernoが主催するBungalowのコンピ。Exclusive音源は特にないかと思われる。砂原、FPM、Dob(Date Of Birth)といった日本勢も参加

同じくBungalowが最初にリリースしたミックスCDからのカット。Experimental Pop BandのLe Hammond Infernoリミックスはいちおう7インチに入ってるやつか。DauerfischがおそらくはExclusive音源

同じくBungalowから100番を記念してのコンピからのカット。たぶん全部Exclusive。とくにPlastilina MoshのLe Hammond Infernoリミックスが珍しい音源。

Le Hammond Infernoのソロ音源も。昔持ってたのを買いなおし。サンプリングが割とイリーガル。Charlatansの曲をそのまま使ってるやつもある。

ここからはBungalowの所属アーティストでもあるドイツのDJ MaxwellのプロジェクトMaxwell Implosion仕事での購入もの。
これはアイドルバンドKenickieのプロモオンリーリミックス。何気に20年くらいあれば買うくらいのつもりでいたがまさか京都で300円で見つけるとは笑

これは存在は前に見たことあったがスルーしていて、気付いてびっくりして探し回って結局Discogsで海外から買ったGet Easy!のプロモ盤。2曲Maxwell Implosionが収録曲のリミックスをしてる。小西さんのプレイリストにあってびっくりして購入。

ドイツの後発ラウンジ系レーベルその名もLounge Recordsからのコンピ。Maxwell ImplosionはMoulinettesとIsar 12のリミックスを収録してて、Isar 12はExcluive音源かな。

そして、そのMoulinettesのMaxwell Implosionリミックスは、時期的にはやや外れてくるが2001年にもう1曲やっていてアルバムに収録されている。VIP200と共同リミックス。他にも割と当時のラウンジダンスシーンが俯瞰できるリミキサーが参加していて興味深い。

イタリアの有名コレクターDJ、Paolo Scottiのソロ作2枚。PaoloはFPMのThere Must Be An Angelのリミックスで有名な人。これは日本には全然入ってこなかったやつ。独特なキックの音がシグニチャーな感じ。

オランダのEasy TuneのArling & CameronのRichardのソロはサーフロックものビッグビート。Arling & CameronはMalibu = Moog Cookbookがリミックス。エレクトロニックディスコロックでかっこいい

スペインのDJ PezもPizzicato Fiveのリミックスをするなど、ラウンジダンスで注目されたアーティスト。ここのレーベルNovophonicも集めたいのだが、なかなかしんどい。

おなじくスペインのBusiness Classも今、こつこつと集めてるレーベル。全部レーベルコンピのふりをしながら、中身は全部Nairobi Trioの仕事。ちなみに全部、架空の映画音楽のサントラコンピのふりをした10インチ。これもそろえたいけど見つからなくてしんどい。

ベルギーのDownsall Plasticsの看板アーティストBuscemi。ちょっとラウンジ濃度が高すぎてこれはいまいちかな。Buscemiは意外といろんなところで取り扱ってたので、最近も中古でよく見かける。Downsall PlasticsではKretekというビッグビートユニットが一番HCFDM濃度が高い。

後のMalente、ドイツのヒップホップスターGautsch。顔の押しの強さで発見はしやすく、HCFDMシーンで非常に評価が高いのだが、正直なところどうにもこうにも買っても買っても当たりな感じがしない。

ドラムンベース(というか、Joker Records)

今、HCFDM視点から集めているD'n'BのレーベルはJoker RecordsとUrban Takeoverの2つ。今年はUrban Takeoverは持っていないものを全然みつけられなかった。Jokerもそろそろ発見が難しくなってきてる。まあ、大ネタはだいたいすでに持っているんだが。

テクノからはみ出た音

一般的にはテクノの枠組みなんだが、ストイックさがユーモアのほうに触れてしまったレコードたち。90年代後半にけっこう多く出てたやつ

Herbertの初期作で、割と高いやつ。最近は再発されたので値段も落ち着いたが、一時期はなぜか5000円くらいした。コンピで聞けるのに。oo lickyがイパネマの娘をネタに使ってるので、ネタモノテクノ的にHCFDMで人気だった

Spin Outにも収録されたGentle Peopleの名曲。シルキーでグルーヴィでまさにイベント終わりにピッタリの音

Ninja Tuneの古参アーティスト。てっきりユニットだと思ってたらソロだった。1曲目のRitmo Di Jazzがジャズコラージュって感じで小西さんなどもプレイしていた。

Rephlexから1枚だけ出た小ネタテクノポップ。Aphex Twinってこういう音好きだよねえという音

フランスのモンドっぽいテクノポップアーティストの7インチ。昔はこのシリーズは渋谷のレコ屋でよく見かけた。

ドイツのビッグビート寄りのテクノユニット。さらにバカになってスキルも無いBentley Rhythm Aceみたいな音。そうじゃなきゃSmoke On The Waterのカバーなんてやらない。なぜかアルバムの国内盤が出ていて、Escalator Recordsの仲社長が解説を書いてた。たしか、誰かとの対談形式。

リミックス、カバーなど大ネタ使い

知る人ぞ知るブートハウス。バッファローギャルズネタのゲットーテック。ゲットーテックはフレンチハウスとの相性もあってよく使われてた

3月の雨のエレクトロボッサカバー。当時けっこう人気あったアーティストらしいのだが、正直、全然聞いたことなかった。しかも、最近再発されてた。

London ElektricityというかIzitの変名。サルソウルの有名な子ども声ネタ(度忘れしてしまった)を使ったハウス。しかし、このタイトル、映画か何かなのだろうかと思ったが特にそういうのはなさそう。

ドイツのファンクブラスバンドのEP。もともとカバーネタが多いのだが、ここではなぜか「ツァラトゥストラはかく語りき」(というか、2001年宇宙の旅のテーマ)をカバーしてる。

みんな大好きポッピーズがみんな大好きジグジグスパトニックの代表曲をカバーってことで、派手でうるさくなった感じに。10年くらいさがしていたのを名古屋で発見。

これリリース当時買った覚えがある。Archiesのベスト盤が出たタイミングでカットされたSugar Sugarのビッグビートカバー。まあ産業ビッグビートって感じ。悪くはない。

Captain FunkのStyleにも収録されてたMusic Sounds Better With YouにGym & Tonicのジェーンフォンダの声ネタをくっつけた安直なハウス。

日本人アーティスト

ベルトラン・ブルガラのレーベルTricatelがどうやら勝手に作って出したコンピCDにはFPMや砂原加えて、吉田哲人のスーパーモコウルトラビーバー&超オリーブとPineAmも収録。吉田氏本人も存在を知らなかったらしい。

アメリカのミクスチャーバンド Dog Eat DogのシングルでなぜかFPMがリミックス。ヒップホップ濃度高めな仕上がりでけっこう珍しい。一緒にやってるのがJunkie XLというのもすごい。

ドイツのラウンジポップグループの日本企画リミックス盤。FPMとHalfbyと橋本タツキのStraussが参加。Halfbyのリミックスは小西さん曰く「Halfbyの仕事で一番好き」とのこと

日本のインディテクノポップユニットの曲をCubismo Graficoがリミックス。正直、手癖っぽい音でそんなに良い出来ではない。

そのほか

元Senseless ThingsでDelakotaのメンバーでもあるMorganのソロ。Miss ParkerがHCFDMヒット。

フランスのコンピ盤に入ってる曲をコンパイラーのDJ BNXが数曲選んでリミックスしてカット。ちょっと大人しめなダウンテンポであまり面白くはない

アメリカのKindercoreの傘下っぽいナゾレーベル。ブレイクビーツポップとかラウンジビートみたいなのがいっぱい入っていて、非常にあの時代っぽい音。もう1枚コンピがあると米国音楽にあったのだがDiscogsには登録なし。

ドイツのLounge Recordsの名物コンピ Music For Modern LivingのサンプラーEPなのだが、なぜかこすりネタみたいなのが一緒に入っていて用途がよくわからない謎盤。

DJ FoodのミックスCDからのカット。Dominique Dulcanのritmo 2はHCFDMアンセム。これも裏面がスクラッチネタ(まあ、これはわかる)

HCFDMとは関係ないが100円で見つけたので。国内盤は「盗聴ダイアナ」とつけられたイギリスのダイアナ妃の電話の醜聞ネタをサンプリングしたハードコアテクノ(ひどい)

アメリカのR&Bグループだが、なぜか小西さんの当時のプレイリストにあったから買ってみた。C&C Music Factoryのプロデュース。表題曲がMohawksのChampもろ使いなのでHCFDMっぽさがあるといえばある。

ということで、今年もさらに研究を深めたいと思う


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?