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愛するということ Another story

彼と再会する。

彼とのことを終わらせるためだ。
いや、本当はやりなおせると思っていたのかもしれない。

とっくに終わっていた愛だった。

まだ、愛していたのだろうか。
未練が残っていたのだろうか。私自身の気持ちも確かめたかった。

そんな思いを持って会いに行った。

けれど、会って何を話すんだろうか。やっぱりやり直したいとでもいうのだろうか。それとも、終わった愛に対してわざわざ別れようとでも言いにいくのだろうか。

どちらにしても滑稽だと思った。

私は彼を誘った。二つ返事だった。もう終わったはずじゃなかったのか。それでも何の迷いもないんだと自分で誘っておきながら複雑だった。

そして、言葉を発することなくただ体を合わせた。

けれど、そこに愛は無かった。
心もカラダも全く感じなかった。

けれど、なぜか私は晴れ晴れとしていた。

これでようやく終わったと思った。


end

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超短編小説「愛するということ」です。
半分は実話です。

▼愛するということ(一)

▼愛するということ(二)

▼愛するということ(三)

▼愛するということ(完結編)

▼愛するということ(あとがき)