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ずっと一緒に居るって言った、あれはやっぱり、嘘だった

あなたの愛と私の愛の重さは違って
あなたの哀と私のアイも、当然ながら
全く違う

夢は夢のままが良いと
あなたはそう口にした
そんな風に語ったあなたは
願いを叶えて
それは嫌だ、と泣いた
私の願いは未だ

あなたの夢が現実に成った瞬間、
私の夢は破れた
あなたの夢が現実に変わった瞬間、
私の現実が幻想に変わった

儚い夢
昨日までの日々と成り代わって
それはひとひらの花弁
ひらひらと舞う紋白蝶の様に

お願いだから、羽ばたかないで欲しかった
本の一頁も捲れない、そんな弱い風が
こんなにも大きく彼の日常を変え、
私の日常を奪っていってしまうなんて

互いに微笑みあい
あんなにも近い距離で
同じ空間で息をして、
同じ景色を共にしていた
そういう気がしていた

生きる速度も
心臓のBPMが大抵60〜75として
その間で重なりあう瞬間が
きっと、あったように
大体同じと思い込んでいた
それは紛れもない、ただの願望だったのだと
今ならはっきり分かるよ

馬鹿だから
忘れた方が良い事を
わざわさ記憶の端っこからでも
引っ張り出してきて
つらつら考える

そんな時に限って
あなたの歌がラジオから聴こえてくるし

あなたの声は空気を伝って
私の周囲に見えない波を生み
私の空間、生きる世界を揺らす

そんな事
今、明るく喋るあなたは

知ら
ない

"運命の人"じゃなかったんだ
これで終わり、それでいいじゃない
だけど、それが出来ない
その理由は何だ

今日、悲しい事があったの
だけど、週末は海に行くの
それで心を満たせばいいじゃない
それが出来ないのは
やっぱり間違いなの



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