おやすみ、神様

よく転び、よくぶつかる
よく躓き、よく立ち止まる
よく傷つき、よく血を流す
それでも私は生きている
それで私は私を知るのです

あなたが居るから私はまだ歩ける
ごめんなさい、あなたに縋って
あなたを理由にすること
それが間違いなのは分かっている
それでも、私はあなたに逢いたいのです
他でもないあなたに

悲しむ顔を見させて
怒りに震える瞳を見せて
怯える心に立ち竦み
涙を流すあなたが見たい

恐怖に抗う
曇の中、見えない獣の咆哮
雷が走る嵐の中をまっすぐにただ
前だけを向いて生きているあなたの背中
それだけが今此処から
私が見える
あなたの姿

愛している、愛している
どうか届いて
愛している、愛している
どうか、届かなくてもいい
ただ憶えていて
冥王星のこと

隠れた影に潜むもう半分もまた
同じ月であること
瞬く夢が誰かの灯した光で
今日尾を引いて何処かへ流れていった
それが子供の君の胸のなかであったなら
それが今も静かに青く輝き続けていたなら
きっとあなたの命事切れる最後の瞬間まで
一緒に居て、あなたを暖めてくれる
憶えていて、
あなたはひとりじゃない

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