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ton soleil

握ってくれた掌の熱
どれだけ嬉しかったか
あなたは分からない
知る由もない


指先をぎゅっと掴んでくれた
その感触
生まれる前からずっと
私が欲っしていたもの
願っていたもの


そんな事
あなたは知るはずもない


夢を見ているみたい
だけど現実
あれは
私がいつも見ていた
そらの記憶なんかじゃなく
あなたも持っている
昨日の想い出


神様に祈るみたいに灯る
夜空に浮かぶその部屋の明かりの数だけ
生命の記憶が息衝いて
紡がれている


あなたが今誰と居て
どんな風を感じているか
遠くに聴こえる花火の音
あなたがどこかで見ていて
楽しんでいたらいい


あなたは孤独なんかじゃないよ
あなたが不特定多数のひとりのきみを
想って歌う様に
私はあなたに言うよ
どうか、笑って
いつだって幸せであって


ありがとう、と書かれた
私の名を添えて
あの日、届けられた手紙
どれほど嬉しかったか
あなたは知らない


いつだってあなたを思っている
オンリーワンに贈る想い
それはビギナーズラックみたいなもの
ただし、絶対は約束されてはいない
確かなのは、これだけ
此処に生まれ
名前なんかないまま
強く、しなやかに育った
私の心臓が脈打つ度
送られる血液の色より
ずっと鮮やかで、芳しく
生々しい
私の魂まで、もう紛れ込んでしまった
あなたへの


抱きしめてくれた
私を探して、見つけてくれた
その瞬間、泣いてくれた
これは、あの日見た夢の話
私しか持っていない、嘘の記憶
だけど、やっぱり嬉しかったよ


昨日、私の瞳から零れ、伝った涙は
左頬だったけれど
それでも、私は
やっぱり、嬉しかったよ


あなたがくれる感情なら
どんなものも
私のなかでは幸せの欠片
それを糧に私の魂はこの世界で
ただ一度きりの生命を生きる
その意味を知る


そして、私はわたしに成って
ワタシに還っていく
それは、なんて
幸福なこと


それは、まぎれもない奇跡
私のまえに顕れた
あなたのかたちをした
正真正銘のみことば
私だけの生命の意味


あなたの名を口にする時
其処にあなたは居ないけれど
いつか見た夢のように
どこかできっと、届いている
それを信じてわたしは
今日もきっと、歌う
今日をそっと、大事に
生きていきましょう
昨日よりも強く、
明日よりも、確かなイマを
どこかで同じ様に
きっと、歌っている
あなたが居る
今日を切に生きている
それが、どれほどの力と救いに映るか
あなたは知らない


「いつか」、その瞬間のために
私はまだ私を保っている
いつか、その瞬間の味を
私はまだ知らない
でも、きっとそれは
一生を懸けるにふさわしい


誰しもが求めて止まない
私が生まれる前から探してきた
求めてきた
それは、きっと
愛に似た何か
逢いにいくよ


昨日、涙の選んだ場所は左だったけれど
その瞬間は必ず、右の瞳を通うでしょう
それは、明日かもしれないから
私はまだ生きている
生きていく


愛してる
その瞬間を得るために
あなたに、
逢いにいくよ


届いた音と言葉の持った熱
どれだけ嬉しかったか
あなたは知らない
どんな音と言葉を
私にくれたか
あなたはまだ、知らない

あなたとはじめて
出逢うとき
私はどんな音と言葉を
あなたに贈るか
あなたの瞳、どんな彩と熱を
映すのか
まだ、知らない


まだ、知らない

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