20³展を終えて ~前編~
感想
無事に20³を乗り切ることができました。
苦しい時間もあったけど、珍しい経験ができて、とても豊かな時間だったように感じます。やー、良かった。
時系列的に振り返っていきますと、まず、誘われた瞬間から僕の20³展が始まったわけです。誘われたんですよ。僕が。
そりゃ、嬉しいです。だって、2020年に入学したデジハリ生の中で20人しか参加できないわけですから。参加するしかないっしょ!って感じでした。
が、作品制作を初めて、気づきます。「オレ、ビジュアルで表現するひとじゃないやん」って。
全く表現しない訳ではないですが、僕はキャンバスを使うのが初めてでした。絵なんか描いたこと無かったんですよね。
で、メンバーを改めて確認したらね、グラフィックの強い人と映像の強い人と写真の強い人がいっぱいいるわけですよ。(え、オレ、その中に放り込まれたの?なんで?)
これは、絵で勝負したら死ぬな!と感じました。死ぬと言うか、その中で俺の絵を見ろ!は勝てるわけ無いし、僕がやる必要もないかもしれないと思ったんです。
そう、だから、みやびらしい表現をしてみよう!と考えました。
普段は文字なり何なりを書く人間で、たまにメディアアートとかする人間ができる表現は何なのか。考えまくった結果、自分の表現なんてまだ見つかってない!ってことに気付きました。(ダメじゃん)
結果的に自分の表現が見つからなかった、けど、きっと「僕らしい」表現をして欲しくて、誘ってくれたんだろう。と、すごいプレッシャーを感じながら作品制作に取り組んでました。
で、結局、僕は20個の挑戦をしよう!と決めたのです。
なので、僕は20個の作品、それぞれ別々の方法で作りました。みんなはきっと「自分の世界」で統一された作品を作ってくるから、僕は20個の別々の世界を楽しもう!と。
そんなこんなで、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも20個の表現に挑戦し、ある意味、自分の世界を表現できたかな~と言う感じでした。
初めての表現も多くて、正直、満足しきってない作品もありますが、これが今のみやびのMAXなんだと思ってます。もっと、伸びますよ、きっと。
こうやって、20の挑戦ができたのですごく満足してます。本当に良かった、ありがとう!ってのが感想です。
さて、続きもダラダラ書いていくよ。
次に行く前に
ここから先は野暮です。解説なので。見なくても良いヤツです。
ちなみに、どのくらい野暮かと言うと、新鮮な野暮を野暮に漬け込み、2日間、熟成させ、そこに刻み野暮とおろし野暮を加えて、3時間半、野暮で煮込み、最後に野暮を和えたくらい野暮です。
ごめんなさい。盛りました。(ちょっと野暮くらいです。たぶん。)
解説は見ない派の方は、ここで止めて、次なる素敵な展示会を探すと良いと思います。
では。次へ。
ステートメント
書く人である、僕はステートメントも担当しました。
せっかくですので、まずはステートメントに込めた思いから書いてきましょう。
こちらが、ステートメントです。
一応、↓にも文字で貼っておこ。
今回は20³展と言う事で、20という数字にフォーカスして、書いてみました。
まず、話を頂いた時に「20」という数字について、たくさん考えました。
すぐに思い浮かんだのはやっぱり20歳ですね。他にも色々と調べると20世紀とかが出てきました。
あとは、2020年に大学へ入学したということもあり、コロナとかは簡単に連想できました。
けど、正直、書きづらいな~って思ってました。
コロナがあって、学園生活も想像とは全く違うモノになって、友達作りすらままならなかったけど、それは僕たちだけじゃないし、それに何より「コロナで全て奪われました」みたいなコピーはここ数年で溢れるほど見てきました。
もちろん、そう言う気持ちも分かるんですが、僕としてはもっと、こう、ポジティブな面を出したいなと思ったんです。コロナはもちろんあったけど、それを乗り越えて次の時代を勇敢に進んでいるぞ!みたいな。
なので、20について改めて色々考えました。
そして、20と言う数字の近くに、変化という言葉があるのに気づきました。
20歳になれば、大人になりますし(今は18か……)、2020年は常識がひっくりかえりました。
だから、良い事ばかりじゃないけど、変化を運ぶ数字だと捉え、その方向で考えました。
↑この辺りですね。
で、2020年に多くの変化があったけど、その先で僕らは出会えたよ!って言う、喜びと感謝も入れてみました。
それで、最後の部分ですが、そこではこの展示のチャレンジ精神?みたいな要素を入れました。
20×20×20ってことで、さっきから何度も出ている2020年より20が一個多いですから、もう一度ひっくり返せるかもね!っていう。
そのための挑戦だよ!的な感じです。
もし、そうなれば、ワクワクするでしょ?
僕なりに頑張ったつもりです。
どこまでこの思いが届いたかは分かりませんが、誰かの目に心に留まっていれば、とっても嬉しいです。
各作品
わー、もうすでに長い。けど、ここから、20個(厳密には21個)紹介します。
興味あるかたは、もう少しお付き合いを。
自分(作家ボード)
これはドストレートに書きました。
自分の字はあんまり好きじゃないんですが、書く人は書く人なりに、書いてみよう!ってことで。
名刺みたいになれば良いな~とは思っていたのですが、そんなにそれっぽくならなかったですね。名刺を貼るのもアリだったかも。
まぁ、改めまして、みやびです。よろしくお願いします。
自分に一番勇気をくれるもの
これは「鏡」を使って表現してみました。
割と普段の表現に近いかもですね。
この作品は自分に勇気をくれるものって何だろう?って言う思考が先にあったので、自然とこういう表現になりました。
僕に勇気をくれるものは、色々あるけど、結局、最後にその色々な物からのエールを勇気に変換するのは、自分じゃんね!ってなり、鏡を連想した感じです。
自己肯定感を上げてくれる、最も身近なものは自分!って言う僕の考えが出ちゃってますね。
わたしのじかん
これは「時計」を使っています。(見たらわかるか……)
これも普段の表現に近いです。
自分の時間って何だろう?って色々考えた時に、あー、誰にも邪魔されたくないな~と思いました。
でも、邪魔されたくない!って言うネガティブ(?)な表現はあんまり好きじゃないので、もう少し考えてみました。
で、結局、自分の時間も他の誰かの時間もそんなに大差ないだろうなって言う、謎結論に辿り着きました。
だから、自分なりに直感で時計を作ろう!と思い、文字盤だけ自作した時計になりましたとさ。
ちなみに、ちゃんと動きます。
秒針が無い時計だったので、分かりづらかったですが。
手(その1)
これは「粘土」と「ビニール手袋」で表現しました。
え、こんなの無かったよ!って?
そうですね。無かったです。いや、厳密にはあったのですが、20個の中には入ってないです。
実は学祭前日の設営の時、この作品は重くて危ない!ってなったんです。
壁につかないかもしれないし、付いたとしても落ちそう。落ちたら誰か怪我しそう。って。
なので、作り直しになりまして、この子は20個の中に入れませんでした。
ちなみに「厳密にはあった」と言うのは、学祭も学外展示もどちらも、隠れて下の方に貼ってあったんです。気付いた人もいるかもしれませんね。
そんなこんなで21個目の作品になってしまったのですが……。
制作意図としては、夢も希望も未来も、掴めるのは「手」なんだろう!と思いまして、何かを掴んでいる手を表現しようとしました。
その何かが自分にとって、世界にとって、良いものか悪いものかは分かりませんが、何かを掴む手は素敵だと思ってます。
掴まない事には何事も進みませんから。
手(その2)
と、いう訳で、2つ目の手です。
これは「綿」と「ゴム手袋」で表現してます。あと「絵の具」も使いましたね。
意図①としては軽量化です。
重いものは飾れない!ということを学んだので軽量化しました。軽いです。
で、何かを掴む手からコンセプトも少し変えました。
何かを掴む手の素敵さはもちろんあるんですけど、手って様々な表現ができるじゃないですか。
この手は人に嬉しい気持ちを運ぶ手です。グッ!ってされると嬉しいじゃないですか。みんなに嬉しくなって欲しかったんです。
設営で色々と迷惑もかけたし、何より来た人がキラキラの👍を貰って、良い気持ちになれたら良いな~と思い作ってみました。
ちなみに、手①が右手なので、手②は左手にしてみました。
同一人物かもしれませんね。
正義
これは「黒い紙」を使って「切り絵」で表現してみました。
切り絵なんて初めてですが、楽しかったです。
正義のお題を初めて見たとき「セイギ」なのか「マサヨシ」なのか迷いました。
……なんて、ふざけた話は置いておいて。
正義は絶対的なものではなくて、○○と比べたら、まあ。みたいな相対的なものだと考えてます。
なので、重さ?を比べるもの → 天秤と言う風に連想して、天秤をモチーフにしてます。
あと、白黒つけるという言葉があるように、白と黒は正義と関りがあるかもと思い、白黒のものにしようと考えていました。
そこで、見つけたのが切り絵だったので、挑戦してみた次第です。
ちょっと天秤の皿の部分が、っぽくないような気もしますが、何度かトライして、一番良かったものを貼りました。
遠近法
これは「白い画用紙」だけで表現しました。
正直、一番苦戦したお題がこの「遠近法」ですね。
遠近法ってそもそも絵を描くときに使う手法(?)だと思うんですが、僕は描かないので、難しかったです。
最初、真っ白な部屋を思い浮かべたんですが、それだと味気ないな~と思い、別の案をいっぱい考えました。
で、螺旋階段が出てきたんですが、それを表現に落としこむとこまで持って行けなくて、たくさん作図をしました。
平面で設計図的なものを書いたり、トリックアートみたいなものを作ってみようとしたり……。
でも、結局、全部ダメそうだなってなりました。
なので、最初の案に立ち返り、奥行きを物理で表現することにしました。
遠近法ってよりはただの遠近ですが。物理は強し。
水中
これは「レジン液」と「ガラス玉?」を使ってます。
レジンが難しかったです。
水っぽいものって何だろう?って考えて、最初は本物の水を使おうと思ったのですが、汚れたり、漏れたりしたら嫌なので、別の方法を探しました。
そこで、見つけちゃったのがレジンです。
二液性レジンというものを使ったのですが、乾くのに時間がかかるので、なかなか思い通りのカタチにならないんですね。本当は型を使ってやるもんですもんね。
僕は未経験だったので、妹に教わりながら何度か練習し、あとは勢いで作ってみました。
レジンが液体っぽいまま固まっている部分が好きです。ちょっとガラス玉が多かったような気もしますが、まあ楽しかったので良いです!
それと、この作品には特にメッセージないです!水って良いよね!くらい。
裂罅
キャンバスを破いて、裏に「黒い紙」を貼りました。
あとは周りを汚しました。
そもそも、何て読むんだ?って言うリサーチが一番苦戦しました。
普段使わない言葉なので、読むのが一番難しかった。ホントに。
要はヒビって意味らしいのです。
で、ひび割れてたら隙間があるわけで、そこは黒くなっているだろうなって思い、そのまま表現しました。
僕は「闇」は何かの始まりと言うか、何かが生まれてくる場所だと思っているので、古くなったりして、ひび割れたところに闇が生まれ、そこから新しい何かが始まる?みたいな怖さとワクワク感を表現してみたつもりです。
緑
これは「造花」と「絵の具」で表現しました。
連想ゲームとしてはシンプルで、緑と言えば植物だろ!くらいです。
その後の表現に落とし込むところは少し考えました。
僕は植物に詳しくないですが、植物は上へ上へ伸びていくものだろうと思ってます。もちろん例外もあるかもですが。
個人的にはその伸びていこうとするエネルギーというか、力強さが素敵だと感じています。なので、キャンバスでどうしても植物のパワフルさを表現したかったのです。
だから、造花を使った立体作品に仕上げてみました。
どうでしょうか? 伝わったかな、力強さ。
空間
空間は「ポケット」を使って表現しました。
空間はもしかすると、立体作品を作る人が何人かいるかもな~と思ったのですが、僕は逆に立体の作品が多くなりそうだったので、平面?っぽい作品にしました。
平らだけど、空間を意識するものって何だろう?と連想を飛ばし続けた結果、ポケットに辿り着きました。
ポケットがあれば、人は手を突っ込みたくなります。つまり、ポケットの中には空間があるだろうと誰しもが思っているはずなのです。
そう、だからこそ、フェイクのポケットにイライラする人がいるんじゃないかな~なんて。
ちなみに、作品に使っているポケットも実はフェイクポケットなんですよね。
さて、
随分と長くなりました。
まだ、作品が残っているのですが、全部書くと読むのがエグイしんどくなりそうなので、前半と後半に分けることにしました。
後半も近々公開予定です。
最後まで読んでくれたかた、本当にありがとうございます。
では。
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