映画感想文『トイ・ストーリー4』 〜ウッディは中堅サラリーマン〜
『トイ・ストーリー4』観てきました。
『トイ・ストーリー』シリーズは、「映画弱者」を謳う私でもちゃんとリアルタイムでシリーズを追えている数少ない作品の1つです。
小さい頃に『トイ・ストーリー』第1作を観た時のワクワク感は忘れられず、そのまま本シリーズと共に時代を歩んできました。
正に、「トイ・ストーリー世代」と言っても過言ではないでしょう!(珍しく大きく出る 笑)
そんなトイ・ストーリー世代の私も、おもちゃに夢中な子供から時を経て今や資本主義の荒波に揉まれる社会人。
そんな今この『トイ・ストーリー4』を観ると、ウッディが今後のキャリアに悩む世のサラリーマンたちと重なって見えてしまいました(笑)。
以下、ギリギリネタバレにならない程度に、「ウッディを世のサラリーマンたちと重ねて見た」という設定で本作のあらすじを紹介します。
ウッディは働き盛りの中堅サラリーマン。
先般、長年勤めた会社が吸収合併され、新しい環境での仕事をスタートさせた。
すると、これまでのやり方が通用しない場面も多く、合併前は度々プロジェクトのリーダーを務めていたものの、今ではすっかりお荷物扱い。
そんな折、ひょんなことからかつての同僚(かつ元カノ)のボー・ピープと再開する。
彼女は前の会社が合併される前に転職し、今はフリーランスでバリバリ活躍しているという。
そんな彼女と接するうちに、
自分も別の環境でもっと活躍することができるんじゃないか?
と思い始める。
また、
これまでは「会社のために」を第1に考えて働いてきたウッディだが、最近入った新人が起こしたあるトラブルをきっかけに、
「働く人たちを支えるために」
という新しいやりがいを見出しつつあった。
新しい活路に踏み出したい気持ちもありつつ、未だ慕ってくれる合併前からの同僚たちとの別れも惜しい。
悩みに悩んだ末、果たしてウッディは最後にどんな決断を下すのか……。
いやぁ、サラリーマンに例えると途端に興ざめだなぁ(笑)。
でも、「自分の存在意義に悩みながら進むべき道を模索する」という点でいうと、ウッディと世のサラリーマン(というか、働く人々全般)とが重なる点もなくなくなくなくないですかね。
最後の結末には賛否両論あるようなのですが、私的にはこれはこれでアリかなといった印象を受けました(びっくりはしましたが)。
だって、それがウッディが悩んだ末に自分で選んだ道なんですものね!
誰だって自分の居場所を自分で選ぶ権利がある、そんなことを教えてくれる映画だったんじゃないかなと思いました(珍しく本筋に沿った感想を書こうと試みる 笑)。
そういえば、以前『アラジン』の感想文で「ディズニー・プリンセスが年々強くなってる」みたいな話を書きましたが、今回のボー・ピープはめっちゃカッコいいですよ。
これまでは「ウッディを支える理解者」的な立ち位置だったように思いますが、本作ではウッディをバリバリにリードし、「もっと広い世界を見たくない?」なんて言ってのけてしまいます。
「惚れた男すら社会的にリードしてしまう」なんて、いかにも今後のバリキャリ女性のロールモデルになりそうじゃないですか(笑)。
以上の話を総合すると、本作は子供はもちろん、社会の荒波に揉まれて日々奮闘する大人の皆さんの心にも刺さる作品なのではないかなぁと思いました。
「おもちゃの世界」という設定を取りながら、大人の心にも鋭いメッセージを入れてくる、
ピクサー恐るべし。。。