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映画感想文『謝罪の王様』 〜土下座の向こう側って何だ?〜

芸能人や政治家は何かにつけて謝らさせられて大変だと思う今日この頃ですが、そんな謝罪ブームの現代社会にぴったりなのがこの『謝罪の王様』ではないでしょうか。


ざっくりあらすじを書くと、「東京謝罪センター」所長の黒田譲が、依頼人に自身の謝罪ノウハウを伝授しながら あらゆる難事件を解決していく物語です。
その中で黒田は、土下座を超えた謝罪、「土下座の向こう側」を見つけていく…(笑)。

設定の面白さに加えて、先述した「難事件」というのが現代社会や芸能界を風刺している点も笑いを誘います。


誰に謝っているのか分からない芸能人の謝罪会見や、失言を繰り返す政治家(先日も誰かお辞めになりましたが)の様子などを、役者がコミカルに演じる。 実に痛快な描写です。


また、いわゆる「あるあるネタ」を発展させることで、「さすがにそこまではないだろ!」という笑いを作り出しているのも面白かったです。

あるラーメン店が「湯切りのお湯が飛んで頭に当たった」とクレームを受けた際、謝罪すれば済むところを、行きすぎて「絶対にお湯の飛ばないシステム」の開発に奔走するというくだりなんかはその例でしょう(笑)。「行きすぎて要領を得ない対応」みたいなあるあるを突っ走らせていて面白かったです。


正直、最後はなかなかにお粗末なオチで終わるのですが(笑)、スピード感もあり、ギャグも冴えていて終始笑える作品でした。