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元人気講師が教えるプログラミングスクールの選び方

*補足
自社アピールなどには一切触れません

Twitterをうろうろしていると、スクール選びでお悩みの方が多いよう見えるので、今日はスクール選びについて記事にしてみます。

この記事を書いてる人物の背景として、私を紹介している記事のリンクを貼っておきます。
*自社アピールとしてではなく素直に私の背景をとしてです

*この時の私の写真好きじゃない・・・

現在は講師としては現役活動はしておらず、講師の皆さんをフォローする仕事をしています。

なお、この記事は私個人の主観的見解が色濃く出ていることをご承知の上、スクール選びの一観点として参考にしていただければと思います。

スクールは行くべきか?

いきなりツリのようなタイトルですみません。
LINEのオープンチャットなど見てても、スクール不要派もかなり見かけるのでまずは言及しておきます。

スクールの中の人が言うのもアレがアレですが「絶対に行くべき」というものではありません。
なんなら独学の方が向いている人さえいます。

しかし、スクールに行くことで学習が加速する人は間違いなく多く存在します。
この記事をお読みなっている方が、どのように学ぶことが効率的なのかはしっかりご自身と向き合って検討するようにしてください。

無料カウンセリングを受ける前に

これから様々なスクールで無料カウンセリングを受ける方のために、カウンセリングを受ける際の心構えをお伝えしておきます。

目的の言語化

まず、スクール選びの話になる前に「何のために学ぶのか」しっかり言語化できるようになっておきましょう。

「プログラミングを学ぶ」というのは手段にすぎません。
プログラミングを学んだ先で何を目標としているのか、カウンセラーに自分のなりたい姿を説明できるようになっておくことをお勧めします。

プログラミングスクールで学ぶ方は必ずしもエンジニアになることを目標としているわけではありません。

例を挙げると、下記のような方もいます。

  • 自分で何かしらのサービスを立ち上げたいため

  • 身内や友人に頼まれたことをサポートしたいため

  • エンジニアと接する職業でエンジニアを理解するため

中にはエンターテインメント業界の有名な会社の社長さんが「ITを理解するため」なんてこともありました。

目的が変われば学び方も変わり、学ぶべき深さも変わります。
エンジニアを理解したい方に対してエンジニアを目指す方と同等の深さを教えると受講生にとっては苦痛となることもあります。

スクール受講生は様々な背景や目的で受講しておりますため、ご自身の背景や目的などはしっかりと説明できるようにしておきましょう。

学習する言語の選択

初学者は何を学べばよいのかを分からない中、自身が学ぶ対象を手探りで情報収集されていると思います。

しかし、その情報収集には発信者の偏見が影響していることもあり適切でないことも多いです。

よくあるのは「Rubyを学びたい」という方です。

数年前に出回った「Rubyは稼げる」という情報による世間的な印象がいまだに根強く残っており、Rubyを学ぶことに固執する方を結構な頻度で目にします。

確かにRubyは素晴らしく良い言語です。
日本発祥の言語でもあり大変誇らしいです。

しかしこちらをご覧ください。

出典:GitHub Octoverse

グラフを見ていただければわかる通り、ここ数年Rubyは言語のトレンドから外れてきているのです。
そのため、特に理由なくRubyを選択しているならば私はお勧めしていません。

*なお、このトレンドの背景について近々情報発信する予定です。
ご興味ある方は私のTwitter発信をウォッチしてください。
@tarotyjp (saubro)

1つ補足しておくと、下記のように「Rubyを学ぶことに意義がある」ようなケースではとても素晴らしい言語であることは間違いないです。

  • 自分が尊敬している方がRubyエンジニアのため

  • 入りたい企業のサービスがRubyを採用しているため

  • とにかくRubyが好き

余談ですが、記事の最後では数年前の「Rubyが稼げる」という情報が出回った背景に触れておきます。
スクール選びの記事としては重要性低いのですが興味がある方はお読みいただければ幸いです。

スクール選び

スクールは決して安い契約ではありません。
そのため、しっかり自分に合ったスクールを検討するようにしましょう。

ここではスクールごとの良し悪しには触れず、どういう視点を持てばよいかをお伝えします。

1点だけ重要な補足です。
ここ最近の学習事情見ていると、サロン系と呼ばれる学習者が集うコミュニティのようなものもあります。
今回のスクール選びでは、サロン系と呼ばれるようなコミュニティ形態は含めていません。
(私自身内情を理解しきれておらず、理解していないことには言及できないためです)

スクールの特徴

それぞれのスクールには様々な特徴があります。
どのような特徴が合うかはしっかり確認しましょう。

まずはスクール選びの観点を箇条書きで挙げておきます。
それぞれの詳しい解説は後述します。
少し抽象度高い情報になってしまいますがご承知おきください。

なお、ここで挙げるものがすべてではありません。
多くの方に当てはまりそうな視点のみを挙げています。

  • 場所:オンライン、通い

  • 学習手段:レッスン、チャット、教室

  • 教材の用意:スクールが用意、指導者が用意

  • 進め方:マンツーマン、少人数グループ型、講義型

  • 担当方法:担任制、都度指名制

  • 指導方針:ティーチング、メンタリング、コーチング

  • 指導者の質:どの程度の経験者か

  • その他

    • 教材の豊富さ

    • 資格取得支援の有無

    • 助成金の利用可否

    • 就職先紹介の有無

場所、学習手段、進め方

これらはどれを選べばよいかというのは人それぞれ異なります。

自分に合った環境が何なのかその人の生活スタイルに大きく影響するので、自分にはどのようなものが合うのかをしっかり見定めましょう。

また、スクールによっては「レッスンとチャット」、「オンラインと通い」というように、複数選択できるようなケースもあります。

教材の用意

教材を用意するのが誰なのかというのはとても大きいです。

スクールが用意

  • メリット

    • スクールで学ぶ範囲がおおよそ予想できる

  • デメリット

    • 教材以外の内容に対して消極的になることも多い

講師が用意している

  • メリット

    • 教材以外の内容にも柔軟に対応してくれることも多い

  • デメリット

    • 担当となる講師の質に当たりハズレがある

    • 契約の前に講師の良し悪しが判断できない
      (情報開示があってもこれから受講する人にそれを判断する知識がないことが多い)

進め方

進め方はスクールに通う人の性格に大きく依存するため、どの方法が良いというものがありません、ここでは私の経験からのメリットデメリットを上げておきます。

マンツーマン

  • メリット

    • 他の受講生の目を気にすることなく聞きたいことを聞ける

  • デメリット

    • 他の学習者との意見交換の場が持てない

少数グループ型

  • メリット

    • 他の学習者と意見交換の場を持つことができる

  • デメリット

    • 気が合わないことによる人間関係ストレス

    • 学習進捗が合わないことによるジレンマ

講義型

  • メリット

    • 指導者と契約者(受講者)の比率的に受講生が圧倒的に多いため、豊富なサポートを用意していることが多い

  • デメリット

    • 足並み揃えて学習しなくてはならないため、学習進捗が周りと合わないときは大きなストレスとなりえる

担当方法

担当方法もスクールに通う人の性格に大きく依存します
こちらも私の経験からのメリットデメリットを上げておきます。

担任制

  • メリット

    • 学習者の状況を把握することで知識とメンタルの両方をサポート可能

  • デメリット

    • 担当者の質に大きく依存し、担当者を選ぶことができない

    • 一般的に良いとされる講師でも相性が悪いことがある

都度指名制

  • メリット

    • 学習対象について様々な講師から意見を聞くことで様々な角度から立体的に学べる

  • デメリット

    • 学習状況を自分で伝えるシーンが多い

    • 人気講師の場合リピートしたくても空きがないことがある

指導方針

ティーチング、メンタリング、コーチングはとても奥が深く、この記事内ではその概要をお伝えすることができません。
しかし、どのような指導方針を持っているのかはとても重要なので軽くだけ触れておきます。

ただ、残念なことにこれらは無料カウンセリングでは把握できないことが多いです。
気になる方は「御社はどの様な指導方針を重要としていますか?」とカウンセラーに聞いてみましょう。
即答できないことも多くそもそも回答してくれないかもしれませんが、後日回答してくれることもあります。

ティーチング
エラーが発生したときの解決方法など、技術そのものを教える指導方針。

メンタリング
「どのように学習を進めればよいか」のような学習との向き合い方をサポートする指導方針。

コーチング
「目的を達成するための心構え」のような対象者の性質に対してアプローチする指導方針。

指導者の質

学習を進める上で指導者の質というのは大きく影響します。
どのような経歴の講師がいるのかは無料カウンセリングの時にしっかりと聞いておきましょう。

また、講師募集ページを確認するというのもよい手段です。

講師募集ページでは、実務経験●年以上のように記載されていることも多くそのような記載があれば、そのスクールにおける最低品質のレベル感の参考になります。
そもそも記載がなければ「隠しておきたい情報」かもしれません。

その他

その他の項目については私が例に出したもの以外にも様々な特徴があります。
これらはスクールを検討しているご自身がしっかりと目的を言語化することで、どのような特徴を重要視すればよいのかが見えてくると思います。

しっかりと自分の目的などと向き合って検討してみましょう。

まとめ

今日は元スクール講師という立場で、スクール選びにおける観点を書いてみました。

冒頭でも書きましたが、ここに書かれていることは私個人の主観的見解が色濃く出ています。
そのことをご承知いただいた上で、スクール選定の一観点として参考にしていただければと思います。

それでは良いプログラミングライフを!

余談:Rubyエンジニアの単価

記事中に書きましたが数年前に「Rubyは稼げる」という情報が出回り、今なおそのような情報に振り回されている方がいます。

数年前の「Rubyは稼げる」という情報が出回り始めた時、確かにRubyエンジニア単価は他の言語と比較して高い時期がありました。

しかしこれには単価が高かった背景があるのです。

情報が出回り始めた当初はまだRubyという言語がそほれほど採用されていませんでした。
そのため、初学者の選択肢にRubyが入ることはなく、「Rubyができる」という方は何かしら他の言語マスターしている人だけだったのです。

一方で古くからあり、よく比較されるWeb系言語のPHPは昔も今も初学者には人気の言語です。

この差による影響はとても大きく「私PHPできます」と「私Rubyできます」における「できます」の質に圧倒的な差がありました。

こういった背景から当初は「Rubyができる = 何かしらの言語をマスターしている = 質の高いエンジニア」という事が、ある程度保証されていたため単価が高い時期がありました。

しかし今はどうでしょうか?

そういった背景を知らず、非エンジニアが書いている根拠のない「Rubyは稼げる」に影響された駆け出しRubyエンジニアをよく見かけます。
このような状況が続いたため現在は特別単価が高い言語ではなくなりました。

また、先ほどのグラフでもわかる通りトレンドからも外れてしまったことで、単価は高くないにもかかわらず案件数は減ってしまい、結果的に他の言語の方が効率よく稼げるようになっているのが現状です。

どの言語が稼げるのか・なぜその言語が稼げるのかなどは、その時世の背景によって大きく変わります。

根拠のない無責任な情報には惑わされれず、しっかりとその時世の背景を根拠に学ぶべき言語を選定するのも重要と思います。

・・・・・・

「スクール選びの記事としては重要性低いので興味がある方はお読みください。」と言いましたが、結構重要な事でしたね。
(書きながら気づきました・・・)

ここまで読んでくださった方への特典という事で、このままにしておきます。


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