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NowPlaying_Jo Hisaishi

僕はとにかく良くも悪くも「耳から得られる情報」というものに過敏かつ貪欲なので、音楽を始めとして基本的に「音」と名がつくものは何でも聴くのだけど、特別好きなジャンルというのはある。
そしてここ2,3年で明らかに音楽の趣味が変わった。特にここ1年半くらい前からおや…と思い始めて、今年で確信に変わった。

以前は、
激しいけれど優しいロックンロールや、エモいオルタナティブ、元気の良いアニソンやシュッとしたゲームミュージック、少し踏み込んで考えさせられるような詞がリズムよく並んだポップスが大好きだった。

レンタルCDショップで気になるものを片っ端から借りて、サブスクに移行してからも、なんでもかんでもダウンロードして、あれもいいこれもいいと端末のストレージを埋めつくした。

趣味が変わったとはいえこれらが嫌いになったわけじゃない。
私に嫌いな音楽などない、というと大嘘になるが、
私は何か特定の音楽を嫌うことに抵抗があるくらいに、全ての音を愛したいド変態なだけだ。

ただ、最近歌詞のない音楽ばかり、より好んで聴くようになった。
とりわけ静かでゆったりしていて、穏やかなやつ。
(坂本龍一が亡くなる半年前くらいに彼を知って好きになり、彼が亡くなってから、よりその傾向に拍車が掛かったと思う。)感情にバフもデバフもかからないやつ。

アンビエント、チル、サウンドトラック、クラシック、ピアノジャズ、オルゴールアレンジ。
男性アイドル系の音楽に寄り道したりもしているが、
今年メインで聴いているのはこういうのが多い。

歳を取ったということなのか、(それにしては私はまだ20代だ!あと5,6年は青二才を名乗っていいはずだ。)
性格が変わったのか、少し戸惑う。
心身を患っているからという理由で、アップテンポのものや激しい曲が聴けなくなったのかもしれない、という気もしていて、少し寂しい。
ただ元から音楽を「楽しむために」聴いていたのではなく、ただ音楽を聴いていないとおかしくなってしまう感覚があるから肌身離していないだけなので、別に寂しいだけで別にどうということでもない。(みんな、楽しいから呼吸してるわけじゃないでしょう。それと同じことです。)
今まで好きだったものがほとんど聴けなくなったわけじゃないし、好みの幅が広がるのはきっと良いことなんだろう、と赴くままにしている。

僕がアンビエントばかり聴いていても、
たまに聴きたくなるロックンロールは、未だに僕に優しい。

ただ、自分の中で何が起こっているのかは知りたいなあ。
年なのかなあ。鬱だからかなあ。
そもそも年相応の曲ってなんだろう。年代別の平均心拍数と、年代別の好む曲の平均BPMで相関取ってみたら面白そうだなあ、なんて。

最後にこれは私怨。
「友達が“最近の若い子の音楽の趣味わからん”って言っててちょっと引いた。」なんて勝手なことを言うから、
「ああでも年と共に音楽の趣味って変わるもんなんじゃない…?最近私もゆったりしたのが好きだし。」って返したら、ゴミ虫を見るような目で僕を見ながら「ウゲッ」て言った昔の恋人。
僕は君のことがやっぱり嫌いだなあ。

今は「君たちはどう生きるか」のサウンドトラックを流しながらこれを書いています。
おやすみなさい。

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