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映画『イエスタデイ』レビュー

✳︎ネタバレあり
. 『イエスタデイ』
公開中🎥🎥
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. 【目次】
●【ビートルズがいない世界へ】
●【let it be が歌えない!】
●【サンプリングのない人生】
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. . 【ビートルズがいない世界へ】
売れないシンガーソングライターが辿り着いた世界。
それはビートルズがいない世界だった。
偉大なバンドの存在を知っているのは僕だけ。
売れない現状。もし彼らの作品を借りれば、名曲を世に出せば?僕は売れるんじゃないだろうか。
友人達の前で歌った『yesterday』
大絶賛を浴び、試す価値があることに気づく。
これは逆ゴーストライターとも言えよう。
才能のある人に華が無ければ、華のある人に才能の鎧を被せてあげれば?民衆は動く。
主人公ジャックは世界最高峰の才能を身に纏った。
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. 【let it be が歌えない!】
ある日、彼は名曲『let it be 』を親の前で披露する。しかし名曲の存在など知らないジャックの親は、お菓子を食べたり、電話に出たり… まともに聴かない。
このシーンはありのままに生きていない”
が故にノイズが入るという意味を含んだシーンである。let it beとはありのままに生きなさいという意味だ。
この曲で邪魔が入るという事は曲を完奏出来ない→
ノイズが入っている→嘘をついて生きている。
という解釈が可能だ。
また音楽はリズムで感動を生み出す。
そのリズムの流れを遮断する行為は、
メロディにとっては致命傷である。
この作品の中では会話の中に頻繁に邪魔が入る。エドシーランと台所で会話する時、
彼女を引き止めようと駅のカフェで話す時など…
これはジャックが自分に嘘をつき、気持ちよく人生を生きていない=let it beの状態ではない事を表現している。
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. . 【サンプリングのない人生】
他人の権威を借り、その軒下で生活する事は窮屈だ。歌とは本来自らの中で出て来た想いを言葉に綴り、歌詞にする。そしてメロディに乗せる。これは『アリー/スター誕生』でも言及された点である。
他人の言葉をサンプリングし、自分の言葉のように言い聞かせてはいけない。あくまでも自らの言葉によって人生を決断し、進んでいく必要がある。ラスト、ジャックは教師の仕事を選択し、子供達にビートルズの歌を届ける。素晴らしい曲を売れる為に世に放つのではなく、ただ純粋に広める。それこそが彼が選択したtodayだった。
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. . 【まとめ】
今やインターネットから世界最高峰の知識に瞬時に到達出来るようになった。そして自らの思考に少なからず影響を与える。だがこの映画はその知識をそのまま受け入れ、人生を進める事の苦しさを描いている。
その知識は正しく活用すれば、人生に意味を与える。だがそれが全てになってはいけない。自らの頭で考え、自分に問い続ける。その先に豊かな世界が待っている。
SNS社会では他人の言葉に影響されやすい
劣等感を感じることも多い。
自分の心を満たすことが出来るのは自分だけである。
そう教えてくれた気がしました。
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