女性アイドルと処女性

僕には好きなアイドルがいる。清楚なイメージのあるアイドルグループだ。

そのアイドルグループから御曹司との熱愛報道が出てしまったようだ。

僕、個人としては女性アイドルの恋愛はアリだと思っている。

恋は「落ちる」と表現する。落ちるということはつまり、ある地点へと自分の意識とは裏腹に半ば強制的に向かう、ということだ。

恋愛に対して夢と希望しか抱かない年頃の女の子に恋愛をしてはいけないなんて、そんな酷なことはない。ましてや、一般の女の子より可愛いのだからモテるに決まっている。

僕自身、まだ20代だが、恋愛からしか学べないこともあると気付いてきている。その機会を失くして歳を重ねることに恐怖と疑問を感じるからだ。

そして単純に、女の子は恋愛で可愛くなる。これは比喩ではなく、マジだ。

好きになった女の子に彼氏がいた、なんてことは男なら一度くらいは経験する。この状況になるのはつまりこういうことだ。

オレは、彼氏がいるから可愛くなったその子を好きになったのだ。オレは、可愛い子が好きでその子にたまたま彼氏がいたのではない。

女の子は恋愛で外見的にも内面的にも可愛さがレベルアップするのだ。アイドルは外見的要素が大きい。可愛いに越したことはない。


ただ、ここで問題になってくるのが女性アイドルの「恋愛禁止」という掟だ。

いつからこんなものが存在するのかは、アイドルの歴史に詳しくない僕には難しいが、おそらくおニャン子クラブができた頃から浸透し始めたのではないではないだろうか?

つまり、アイドルが個人からグループになっていった頃だと考えられる。


芸能人というのはモノを売るのが仕事だ。モノに芸能人のイメージを上乗せして。謂わば、芸能人とはイメージを具現化した商品だ。すなわち、商品としてアイドルを見たとき、個人の印象がグループの印象に繋がる。良くも悪くも、1人の言動が皆の言動になる。学生の頃によく言われた連帯責任というやつだ。

そして、アイドルは年齢という期間限定感がある。女性アイドルには強くそれが出る。


男は若い女の子が好きだ。これは動物として本能的なものだろう。

女性には外見の魅力として身体の細さがある。日本人は何故かこれが大好きだ。男女関係なく、女性に細さを求める。これが処女性へと繋がるのではないかと僕は考える。

諸外国では身体の膨よかな女性は健康的で元気な子どもを産んでくれるというイメージがあり、魅力的だそうだ。

そして、そういった国ではどうやら女性は人生経験を積んでいるほうがモテる傾向にある。恋愛についての経験も例外ではない。

逆も考えられるのではないだろうか。日本人が細い女性を求めるということは、経験を積むより、大切に箱入り娘として育てられた女の子のほうが魅力的に映るのだと。


ここで話を戻す。

商品は良いイメージをアピールして売る。悪いイメージはできるだけ無くしたい。

期間限定商品だとしたら尚更ではないだろうか。

一定期間しか売らないという特別な制限を設けることで需要が高まる。そこに悪いイメージを添えて需要が減ることはできるだけしたくない。

アイドルも同じだと言えないだろうか。アイドルという短い期間にわざわざスキャンダラスな印象を与えて需要が減ることは避けたいと考えるのが常だ。それがグループであるならば、尚更。


ここでもう一度断っておくが、僕は女性アイドルの恋愛に賛成だ。処女が良い、非処女が悪いという話でもない。

日本人の国民性からアイドルの需要と供給のバランスを取ったとき、そうなるのではないかという仮定であり、僕の推測の話である。

ただ、この仮定が正しければ、日本のアイドルが世界的には幼く見え、受け入れ難い文化であることも理由の1つとして受け取ることができる。

だが、これはまた別の話だ。


ここで、女性アイドルの立場を想像してみる。

モテる。とにかくモテるのだ。呼吸をしているだけで可愛いと言う人間が1日に何人も何千人も何万人もいる。

想像してみると言ったが、想像できないほど多くの人に可愛いと言われる。

その中に、自分のタイプだと思う人がいるのは不思議なことではない。むしろ自然だ。

その人を好きだと思うことは本当にいけないことだろうか。

アイドルの恋愛を否定する人は、とにかくモテる人生を想像できているのだろうか。

この想像なくして、単純にアイドルの恋愛を否定だけすることに疑問を感じる。


次に、相手の男性の立場になって想像する。御曹司らしい。お金には困ったことなんて一度もないだろう。

目の前にいる尋常ではない可愛さの女の子が僕のことを好きだと言い始める。

アイドルだと思わなかったという嘘はここでは流石に通用しない。アイドルだとわかっているから、あなたは本当にその好意を拒否できるだろうか。

勿論、男性が先に好きなった場合も考えられる。しかし、行き着く先は同じ。

目の前の尋常ではない可愛さの女の子に好意を寄せてみると、否定的な素振りは見せない。いや、否定的な素振りがあったとしても、あなたはその女の子に告白しないと言いきれるだろうか。


では、ファンの立場になって考える。

と言うより、前述している通り、僕がそもそもファンなのだ。

応援するアイドルの女の子がいて、突然「こいつ男と付き合ってる」と言って知らない人間に写真をばら撒かれる。

気持ちが良いものではなかった。悲しかった。

おいおい、お前。アイドルの恋愛に賛成じゃなかったのか!?とツッコミたくなっただろう。

しかし、それは理屈だ。僕は理屈を述べたのだ。

そして今、感情の話をしている。僕は応援しているアイドルの熱愛報道を見てすごく悲しい。

当たり前だ。応援というのは気持ちだ。人それぞれモチベーションやスタンスに差はあると思う。

人として、異性として、同性として、ともだちのように、娘のように、妹のように…


手放しで喜んでいる人はいるだろうか。例え、実の家族、友達でも複雑な面を孕んでいるのではないだろうか。

各々の立場に各々の正義があることがわかる。

メンバーやスタッフさんにも正義があるだろう。


最後に、彼女は最近のインタビューで「みんなが可愛いと言ってくれるから可愛くなってるんだと思う。そうだとしたら嬉しい。」という旨の発言をしていた。

「みんな」というのはファンやメンバー、スタッフさん、本当にみんなを含めたことだろう。僕は彼女らしい素敵な考えだなと思った。この発言が全て嘘だったとは思いたくない。

今の僕としては、彼女の言葉で謝罪を聞きたい。そしてまた、応援したい。

きっと1番難しい選択肢だとは思うが、またステージでとびきりの笑顔が見られる日、日曜の夜にラジオから楽しそうに笑う声を聴ける日が来てほしいと願う。



漫才師になるか御曹師になるか悩むなぁ…。


PN.右脇腹の左斜め下



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