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革命前夜 #感想文部 #毎週ショートショートnote

 ファルス共和国では、毎年青少年を対象に読書感想文コンクールを実施している。
課題作は毎年同じ「ファルス共和国ポコーチン大統領閣下自伝」。
生徒たちは、教師の指導により、大統領の人生をひたすら讃美する文章を書かされる。参加作品はどれも似たり寄ったりだ。
「ポコーチン閣下は、青春の全てをかけてご自分をしごかれました」「ポコーチン閣下の指導の下、我がファルス共和国は必ずや世界に膨らみ聳え立つことでしょう」…ポコーチン閣下に歯があたらないように注意した言葉が並ぶ…。
 毎年、選考委員は、数点適当に選んで賞を与える。今回もおざなりに原稿を読んでいると、偶然、他とは明らかに毛色が違う作品が目に入った。
そこには力強い文字で、
「ファルスの膨張に反対!」
「ポコーチンをつまみ出せ!」
などと書いてある。
「誰だ!これを書いたのは!」
確認すると、そこにはマライヤという名があった。
 独裁者ポコーチン打倒、マライヤ革命がこの時始まった。

406文字


ちょっと下品ですかねー。
コメントお待ちしてます。

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