非論理的でも国やメディアを批判してしまう人間や、それに賛同する人間コワイ
メディアに対する批判的意見は探し出せばひっきりない。
最もだと思う部分もあれば、「まぁそういうもんだよ、何を今更」と潔癖すぎるというか、完璧さを押し付けている人もいると感じている。
それはそれとして、こんな内容の投稿を見つけた。
「…この調査に関する記事を見てくれ、どうして国民の不満を煽るようなそんなことを国はやるんだ。メディアもいちいちそんなことを広めて、どうでもいいじゃないか。もっと幸せなことを広めようよ。そんな文句言ってないでもっと良くするために行動しようぜ」
と、国批判、メディア批判、行動しない国民への批判の3連符。
『記事』というのは「世界住みやすさランキング(…で日本が低評価)」とか「ここが日本の残念なところ(自殺者多い)」…等といったものです。
初めは「おぉ、そうだな行動大事だな」と思ったが、記事を開いてみるとコイツは何を言っているのか理解できなくなった。
①そのランキングは日本が実施したものではない
まず第一に該当の記事は国(日本)が実施して、自国にネガティブなイメージを付けているものではない。海外団体の実施したものだ。
こいつちゃんと記事読んでんのか?それともその団体を国のなんとか省と勘違いしているのだろうか?
②メディア・ニュースの役割・特性
「世界において“低い”」と知ることは改善する意識が生まれるし、環境を変えようとする意思が生まれる。自分がブラック企業にいるとしても、他の労働環境を知らなければそれが「普通」として受け入れてしまう、「転職した方がいいかも」という発想が生まれないのと同じ。
悪いニュースばかり流れてうんざりするかもしれないが、良いニュースばかりなのもどうだろう。
SNS疲れ、SNS離れのひとつの原因が
「リア充投稿ばかりでツラい」
とあるように、卑屈な人間を増やす可能性がある。
何よりも『ニュース』は珍しいことだからニュースになる。事故や事件がまだ「珍しい」からニュースになる…というのはある意味幸せな社会だ。
幸せなことがニュース(滅多にないこと)になってしまうのは不幸に思う。
③これもメディアの役割?
メディアの中には偏った報道はあるかもしれないが、この「ランキング」を記事にするくらい良くない?
どこそこの団体が調べた内容を広めているだけだ。それをどう解釈するかは受け取り手次第。調査対象やアンケートの仕方に偏りがあろうと、それはメディアが悪い?
調査があったことを広めて、そこから何か社会に有益な思想を発信しないとクソメディア認定されるの?
④なぜ国民に突っかかる
「文句言ってないで…」って誰も文句言ってない。誰がどういう文句言っているのかわからない。アンケート?アンケートって依頼されてホイホイ答えただけで「文句ばかりで行動しないヤツ」認定されちゃうの?
なんか常に意識高い言論を展開したり、何かを支援する寄付募ったりしてなきゃ怒られそうだね。ごめんなさい。私はクソ国民です。
これの恐ろしいことは、発言した本人が「自分は変なこと言ってる」と気付いてないことだ。
批判や結論ありきで、その文句を言いたいがために何か目を引きそうな記事を引用しているように思える。多分、日頃から思っていることをたまたまこの記事を見た時に思い出し、頭の中でアクロバティックに論理展開して結びついた末の投稿だろう(精一杯好意的に解釈すると)。
なので第三者からすると話の筋が全く見えない。
「文句ばかり言ってんな」という言葉をそのままお返ししたいし、都合のいいこと言うためにメディアを利用すんなと言いたい(そして利用の仕方が意味不明すぎてわからない)。
さらに恐ろしいのが、その発言者に対して、「そうだよな」「全くだ!」と賛同のコメントを寄せるフォロワー達。
え?みんな何言ってるか理解してるの?記事読んでないよね?
それでも日頃から意識高い活動しているご立派な方みたいなので、シンパ達は何の疑問も抱かず便乗する。中には日本の未来についての議論も始める人もいる。誰もツッコマない。
すごい。
批判している本人たちが同様の過ちを犯しているとか、盲信的なところとか、とりあえず賛同する態度とか、いろいろ人間の業を感じる。
怖い。
こういう人達がイライラしないで済むようにもっと社会の行く末について活発に議論されていることが報道されたりするといいですね。
そして、印象的な言葉に反射せず、きちんとひとりひとり自分自身で考えて発言するコミュニティに囲まれたい。
【お断り】
本人たちに知られたらめちゃくちゃ怒られそうなので、いろいろボカシたり改変してます。実際の投稿や記事をリンクせず、分かりづらいかと思いますが、ご了承ください。
「こんなとこにこっそり書いてんじゃねー」と思ったあなた、あなたのことじゃないからご安心ください。
ご愛読ありがとうございます。いただいたサポートは何らかの形で皆様にも還元されるよう活用いたします。まずは腰痛対策に取り組むことで定期的に記事を書ける体制を維持していきたいと思います。