見出し画像

「ママ友いらない」さんから、現代人の価値観を垣間見る

周囲に子持ちが増えている。

非常に喜ばしいことだが、新米パパ・ママ本人たちにとっては不安も多い。

最近は”ママ友コミュニティー”もひとつの悩みのようだ。

ハイソなコミュニティーに入ったばかりに、ぜいたくなランチ会に出席せざるを得ない。身なりも整えないといけない。旅行に行った際は、いかにもなバラ撒き用のお菓子がお土産でいいのか、ダメなのか、旅先で悩みながらのショッピング。

一歩踏み間違えればご近所での標的になってしまう。保育施設での行事の際にも居場所が危うくなる。

そんなドラマのようなことが、現実にどの程度起こり得るのかわからないが、何にせよ「面倒な付き合い」というイメージを持っている様子。

その一方、子育てにかかわる情報があるのは良いが、多すぎて悩ましい。子どもに食べさせるものや、予防接種。どういった時に、どんな声かけを我が子にしてあげるべきか。そういった全般的なことから、自治体への手続きや検診について…こういったものは地域ごとに異なり、自治体によっては直接聞きにいって初めてわかることがあるのだが…そういう情報はネット上で探すよりも、同世代の子を持つママ友の力が絶大だ。

そんな認識なので

「面倒な付き合いはしたくないけど、情報だけ欲しい」

と、まったく正直な言葉を発していたが、これ逆の立場だったらイヤだな。誰が教えるもんか、と思う。

「コミュニケーションするのはしんどいけど、情報は欲しい」という態度は要は「お金は出さないが、モノはよこせ」というようなもの。

クリエイターへの報酬問題(パっとデザインするだけならコストかからないからタダでいいよね?)や善意のボランティアを強要してくる団体に近しいマインドを感じた。自覚的・無自覚的に他者から資源を奪っていき、奪われた方はやせ細っていき、耐えきれなくなった時、報酬を求めると非難される。

平和と水はタダじゃないように、情報だってタダじゃない。いろいろな場所でそれを支え、得るために努力してきた人たちがいる。これまでにボランティア(自発的な奉仕)があったのは、暮らしのいろいろな場面で直接的・間接的に恩を受けてきたと感じていたからだ(恩返し・恩送り)。

見えない物事の背景や、モノや情報は介在せずとも、感情の循環…想いが伝わる、巡る…というものはある。それを察することができない人たち土足で立ち入り、踏み荒らすような言動を行う。ネット上だけでなく、現実に増えている。(最近でも、地域の人が良かれと思ってやっていたことが評判となり、観光地化され人が増え、手が回らなくなり、「おもてなしの心がない」「せっかく来たのに地元住民に怒鳴られた」と不満の声もらす人たち……というのを見た)

やってくれて当然、教えてくれて当然……そんな態度でも自治体は声を聴かざるを得ないだろうが、個人の付き合いにおいて、そんな横暴は通じなくなってくる。そんなモンスターは避けたい。”お互いさま”という理解を持てる人たちで集まり、モンスターを排他したコミュニティーを形成していくんじゃないかと思う。オンラインサロンのように、コミュニティーに対してコストを支払うようなイメージだが、金銭でなくても「互いに気持ちよく過ごす」という気遣いを支払えない人は自然と周りから人は消えていくだろう。


なお、「ママ友いらない」さんには

「子どもを通じて、新しい付き合いができて幅が広がると思うよ」

とか

「子どもにとっても園外での付き合いがあるのはいいと思うよ」

とか、言ってみたが、どうやら

「自分の家族が一番大事、それ以外いらない(どうでもいい)」

というような価値観に固まってきているようで、うわー、いま目の前にいる私はどうなるんだろう、とか思ったが、多分本人は気付いていない。なんかスゴいなお前。

……と若干動揺もしたが、

今のあなたはそれでいいかもしれないが、

それでこれからの社会を暮らしていけるのか、

そういうスタンスの親が子どもに対してどういう影響を与えていくのだろうかと、その子どもの未来を考えてしまう。

とはいえ、全てのママがモンスターなワケないし、付き合いが上手い人なので何だかんだいい感じの人たちとコミュニティーを作るとは思う。

そして、あれだ。産後でセンシティブになっているのだろう。

ご愛読ありがとうございます。いただいたサポートは何らかの形で皆様にも還元されるよう活用いたします。まずは腰痛対策に取り組むことで定期的に記事を書ける体制を維持していきたいと思います。