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【仕事編②】地方公務員の仕事も様々

 前回からの続き・・・
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 そんなこんなで3年間を区役所で過ごした私。次の部署にいつ異動するのかとドキドキしてましたが、周囲の先輩からは「区役所から本庁に異動するかは分からないよ」や「福祉課はみんな長くて、最低5年は在籍しないと異動ないよ」などと言われており、確かに先輩たちも異動するまで長くいました。



1 意外と早かった「本庁」への異動

 そんな中、私はたった3年の区役所勤務で、本庁に異動内示が出ました。同じ福祉課の同期や、4年目・5年目の先輩を差し置いて異動となりブーブー言われましたが、何もずるいことはしてません。
 人事評価もB評価とA評価を繰り返しており、特段普通であると思います。唯一違うのは、異動して何をしたいかが先にビジョンとしてあり、そのために外部研修や庁内ワークショップなどに参加していたことでしょうか。

 初めての本庁勤務は経済分野、配属先は観光振興部署でした。
 4年目の私に与えられたミッションは、周年記念花火大会の開催というもの。今思えば、福祉課など多忙な部署でも耐えられる若い人材が必要だったのかもしれません。
 今まで区役所では、福祉課専用端末を使用してましたが、本庁では庁内外と連絡やデータ受け渡しが出来る端末を使用します。文書管理や予算編成など、初めての慣れない仕事の多さの上に、やったこともない花火大会の準備となり、初めは毎日鬱な気持ちで登庁したものです…

 しかも、この部署は当時「主事」職は私のみであり、OJTもチームメンバーもみな係長級で構成されていました。その為、普段の雑務もそうですが花火大会の業務でも面倒事は私が引き受け、あれこれ悩みながら取り組みました。


2 「辛い」→「楽しもう」に変わったきっかけ

 花火大会の準備は他の業務と並行して行われていたため、私は多い時は月100時間以上の残業をしていました。
 精神的にも身体的にも疲れていたある日、協賛金を企業に相談するために部長と車で向かう時、部長から「経済系のこの部署では前例踏襲ではなく、新しいことをどんどん取組みなさい」との言葉を頂きました。
 ルーティーンの雑務や花火準備も先輩から言われたことを単にこなしていた自分にとって、その言葉は私にとって激励でありました。そこで、花火大会では前の福祉部署で感じた全ての人に魅力あるものにするべく、前回大会では考えもされなかった取組を企画立案し、実現させました。
 この姿勢は、局長級など上層部に大変評価され、「上に立つ人物の器や視点がある」とのお褒めの言葉もいただき、当時の私にさらに火がついたことを覚えています。

 花火以外の業務でも「前例踏襲せず革新的なことに取組む」姿勢は変わらず、長年踏みとどまっていた事業も、自分の役職に捉われず、例え相手が課長でも部長でも怯むことなく何度も説明して理解していただき、実績を積み上げてきました。
 気が付けば異動して4年目。新しく異動してきた先輩後輩の指導もするようになり、上司の理解と協力により自分が働きやすい環境ができていたと思います。


3 行政は誰のためにあるのか

 そんな私にも当時悩みがありました。
 4年目になると、経済企画や環境など他部署とチームを組んで仕事をする機会も増えました。その時に感じたのが、部署や職員によって温度感が違うこと、そしてその温度感が仕事の進捗に差を生み出すことでした。

 そんな時に思い返したのが、区役所の福祉課時代に体験した市の魅力でした。「私たち地方自治体の職員の役割は、住民にとって魅力的で住み続けたい都市に成長していくことではないのか」という気持ちが再び湧き上がってきました。そう思い出していた時に携わった仕事が、「市の将来課題に対応する事業」でした。そこで、市の将来課題を整理してみると、近い将来に人口減少局面を迎えることを、恥ずかしながら初めて知りました。

 「何とか人口減少を先送りにすることができないか」と考えていた私に、運よく「政策系大学院へ行ってみないか」との話が舞い込んできました。
 「大学院で地方行政等を学び、この市の将来課題に必要な取組を第三者視点で研究できるかもしれない」と思い派遣を希望、無事派遣が決定しました。
 そして、大学院で様々な学問と他の地方自治体職員や国の職員と交流し、私が働く市に必要なマインドを1年間培って、再び役所に戻った現在となります。

4 現在まで仕事を続けられた理由

 区役所や本庁、そして大学院派遣と環境が変われど、常に私は「この仕事は誰のためにしているのか、何を求められているのか」の信念を持っていたからこそ、それぞれの環境で必要な仕事をしてきたと思います。そして、その仕事に係る責任はその時々で重くなりましたが、それこそ市民からの期待であり、「ステップアップの機会をいただいている」と感じて、楽しむように過ごしていました。

 最近は「やり甲斐がないから転職する」、「承認欲求が満たされないから転職する」ことが増えていると聞きます。
 転職は環境を変える一つの方法ですが、それよりもまず取り組んで欲しいのが「そもそも何がやりたかったのか」、そして「それを実現するためには今の環境で何をすべきなのか」といった、目標からの逆算だです。
 その結果が転職であれば転職先で成功すると思いますが、ただの現実逃避であれば、転職先でもきっと同じ思いをすると思います。
 私はこの考えに至るまで、様々な機会がありましたし、きっと皆さんにもあると思います。日々楽しそうに仕事をしている人、前向きな人などに是非話を聞いてみると、自分に必要な答えが返ってくるかもしれません。
 私も、そんなきっかけを与えられる人間になれるよう努力していこうと思います。


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